見出し画像

311を迎えて

 今日は親友の命日なので、普段の官能小説はお休みです。親友は釜石市に押し寄せた津波に飲み込まれ、50歳の若さで亡くなりました。どちらかというと生き急いでいて、若い頃から徹夜で遊んだりしていました。だから、ふと彼は早死にするんじゃないかと想像したことがあったんです。まさか的中してしまうとは…。

 それにしても、運命とはわからないものです。山登りが好きで、頑丈な体の彼が亡くなり、大病をした僕は生きています。人柄も容姿もいいので、彼はとにかくモテていました。

「奈倉、女っていうのはなぁ、こちらの対応次第で菩薩にも般若にもなるんだ」

「女は冬山に登るのと同じくらいの怖さを持っているぞ」

 数多くの女性経験から、こんな言葉を残してくれました。何年経っても親友のことは忘れません。思い出してあげること、彼のぶんまで楽しみながら生きることが最大の供養だと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?