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冬のシベリア⑦ ヤクーツク編 口琴博物館の出会い その一
ヤクーツク市内はレストランが少なければ観光できる場所も数少ない印象だ。極限の寒さの為、ぶらつきながら当てもなく彷徨うのはとても困難で目的地を決めてから外出することにしていた。その日は特別興味が湧いたわけでは無かったが暇つぶし程度に口琴博物館なる場所を訪れた。
ニッチな博物館
口琴と聞いてすぐイメージできる人も多くないだろう。いわゆる口元で奏でて口腔内で共鳴させる楽器なのだが、日本ではアイヌ民族の「ムックリ」が1番馴染みがあるだろうか(無かったら申し訳ない)。
訪れた博物館は年季の入った趣きのある空間で、世界中の口琴コレクションが展示されていた。
客は私しかおらず男性職員がマンツーマンで案内してくれた。
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一通り展示品を見て帰路に着こうとしたところ、職員に呼び止められた。
館長が会いたがっているとの事で館長室へ通された。
学校の校長室の様な部屋へ入ると初老の男性が出迎えてくれた。
話を聞くと館長は北海道へ2度訪れた事があるらしく、日本人が見学に来ていると聞いて呼び止めたらしい。
更に館長の息子が日本への留学経験があるというのだ。そしてその場で息子に電話をかけ始めた。
電話口を代わると携帯の向こうから「こんにちは」と日本語が聴こえてきた。
彼は現在ヤクーツクに住んでおり、私が料理の勉強で来ていると伝えると、今夜良かったら食事でもしましょうと誘ってくれた。
滞在している宿を伝え、夜迎えに来てもらう事となった。現地の人と食事ができる。これはまたと無いチャンスだ。
館長と職員にお礼を伝え博物館を後にした。
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続く。
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