あの時と同じように頑張ってるのに、
俺と一緒に帰るために寒い手温めてる君も。
俺の好きを知りたいからって、半ば強引に、おすすめの曲と本を聞いてくる彼女も。
お互い電話したい気持ちは変わらないのに、どっちから誘うかの、しょうもない駆け引きに負けて、不機嫌そうに電話越しで笑うあの娘も。

今の俺には居ないのはなぜ?

君と繋いだ手を制服のポケットに入れる。
めんどくさいなぁ、なんて言いながら、彼女のこと考えてオススメ送る。
電話越しのあの娘を笑わす為に話を必死に毎日考えていた。あの娘の笑い声が何よりの心の栄養剤だった。

そんな俺が居ないのはなぜ。

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