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エフェクチュエーション実践講座②新商品開発におけるエフェクチュエーションのコツ

はじめに

 エフェクチュエーションを活用するなら新規業務です。新規業務は成功するか失敗するか分からない不確実要素が多いので、リスクコントロールできるエフェクチュエーションが向いています。

 新規業務の代表は新規商品開発でしょう。新商品開発では、既存の枠組みを超えた革新的なアイデアが求められます。

 このような状況でエフェクチュエーションの原則を活用することは、企業が限られた資源の中で可能性を最大限に引き出し、成功への道を切り開くために非常に有効です。

新商品開発におけるエフェクチュエーションの進め方

1. Bird in Hand Principle(手持ちの資源を最大限活用する)

 新商品開発チームは、自社が持つ技術、既存の顧客基盤、社員のスキルなど現有の資源を基点にして、どのような新商品が開発可能かを検討します。

 例えば、飲料メーカーが保有するフレーバー技術を応用して、新たな健康飲料を開発する場合などが該当します。

2. Affordable Loss Principle(許容できる損失の範囲でリスクを取る)

 新商品の開発プロジェクトでは、巨額の投資前に小規模な試作と市場テストを行い、失敗しても許容できる範囲のリスクを取ることが重要です。これにより、不確実性を管理しながらイノベーションを追求できます。

3. Crazy Quilt Principle(協力とパートナーシップを通じて機会を形成する)

 他企業や研究機関とのコラボレーションを通じて、新たな技術や市場へのアクセスを得ることができます。たとえば、スタートアップ企業と提携して、最先端技術を活用した新商品を開発することなどです。

4. Lemonade Principle(予期せぬ出来事を機会として利用する)

 開発途中での予期せぬ発見や失敗を、新たな商品開発の機会として捉え直します。例えば、ある成分が期待した効果を発揮しなかったが、別の意外な効能が見つかった場合、それを活かした新商品を考案することです。ポストイットはその典型的な例です。

5. Pilot in the Plane Principle(未来を創造する)
 チームは、現在の行動が未来を形作るという意識を持ち、積極的に新しい挑戦を行います。これは、市場調査や消費者のフィードバックを受け入れ、商品開発の方向性を柔軟に調整することで実現できます。

新商品開発におけるエフェクチュエーションのコツ

1. 自社の強みと資源を正確に把握する
 自社の強み、技術、市場へのアクセスなどを明確にし、それらを最大限活用することが重要です。このためには自社の隠れた資産までも洗い出すことです。個人レベルまで洗い出せればとても良いです。

2.小さく始めて、徐々にスケールアップする
 許容できる損失を基準にして、小規模な実験から始め、徐々に規模を拡大していくことで、リスクを管理しながら革新を追求します。最初から何ができるかわかりませんが、根気よく人と価値交換していくと思いもよらぬものが手に入ります。

3. 外部との協業を積極的に模索する
 他の企業や研究機関との協業により、新たな技術や市場へのアクセスを得ることができます。オープンイノベーションの精神で外部資源を積極的に取り入れましょう。他人や他社は宝の山です。丁寧に宝を掘り出していきます。

まとめ

 エフェクチュエーションの原則を新規商品開発に適用することで、不確実性が高い中でも柔軟に対応し、持続可能な新ビジネスを創出することが可能になります。現有の資源を最大限に活用し、許容できるリスクの中で革新的な挑戦を行い、外部との協力によって新たな価値を創造していきましょう。

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