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生成AIが向かないと思う業務を見つけた。

はじめに

生成AIが日々の業務や創造活動に革命をもたらす現代において、私はある業務において「これは萎える〜生成AIなんか面倒で使わなくなるな」と思う体験をしました。生成AIの進歩は目覚ましく、Xなどでワイワイ盛り上がる中で、「すべての業務に適用可能とは限らないだろうな」ということを体験したのです。

それは生成AIの限界とかではなく、人の生成AIの期待に比して、成果を出せない人間側、使う側の絶望というものです。「めんどくせえ。だったら手でやった方が早いや」という生産性向上を阻害する人間心理で、これが生成AIの普及の阻害要因になることに留意しなくてはなりません。

生成AIが向く業務

生成AIに利用が阻害される業務を語る前に、まず、生成AIの得意分野から考えてみましょう。私は新しいプロジェクトや業務において、AIはその力を存分に発揮すると声高に主張しています。

記事 新規業務に生成AIを使う(日経新聞)

なぜかというと、新規性が求められる場では、過去の制約や「常識」とされる枠組みから自由であるためです。例えば、新しい記事の執筆においては、生成AIはその能力をフルに活かすことができます。記事というものは、新鮮な情報やアイデアが求められ生成AIはこれを提供するのに最適なツールです。

生成された記事やコンテンツには、先入観や偏見がなく、クリエイティブな発想が満載です。また、コンテンツの量に限界がないため、コンテンツマーケティングにおける需要を無限に供給することが可能です。

生成AIが向きにくい業務

一方で、生成AIが活用されにくい領域も存在します。それは、既存のルールや規則が厳格に定められた業務です。私自身の経験を例に挙げると、地元町会の役員として会計資料のデジタル化に取り組んだ際、この限界に直面しました。

毎年紙ベースで作成されている会計資料をExcelフォームに転記し、決算報告書を作成する作業は、想像以上に困難でした。生成AIを利用してこの変換作業を効率化しようと試みましたが、変換率の低さにより断念せざるを得ませんでした。

既存の年度計画書に記載された予定行事を少し変更する作業も、生成AIのプロンプトが難しく、プロンプトを考える時間がかかりすぎてしまい、結局手作業で行うことになりました。

企業内は決められた業務が膨大にある

企業内においても、このようにルールが定められ、わずかな修正が必要な業務は数多く存在します。生成AIを活用して既存の業務を効率化しようとする動きがある中で、こうした作業に対しては、AIの利用に対する意欲が低下してしまうかもしれません。

生成AIの可能性は未だに大きいものの、その適用範囲には向かないもの(人間心理面の阻害要因)があることを理解し、適切な場面での利用を考える必要があります。既存のルールや慣習に縛られた業務に対しては、業務を見直してAIを使うメンタリティが必要なのです。

これは、AIと人間が協働する時代に向けて、どのような業務をAIに任せ、既存の業務の見直しをどうやって行うのかということを私たちに求めています。たとえば、細かなルールが多く、例外の扱いが頻繁に発生する会計業務や法律関連の作業では、そのままAIを活用できないかもしれません。

その業務見直しにも生成AIを使えば良いのですが人のメンタリティまでは生成AIでは変えられません。どうしたら人のメンタリティ、マインドセットを変えることができるか。これが生成AI時代の我々の課題なのだと思います。

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