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奨学金廃止に反対!の討論をしました

2024年第1回定例会で立憲・国民渋谷議員団を代表し、渋谷区が奨学金廃止をしようとすることに「反対」の討論を行いました。
(令和6年第1回定例会 ー 3月21日 )

奨学金を渋谷区が廃止!

議案第19号 渋谷区奨学金に関する条例を廃止する条例」が提案されました。立憲・国民渋谷議員団は、本議案に「反対」しました。
 奨学金は、就学の意思があるにもかかわらず経済的な理由で修学が困難な者に対して、修学上必要な資金を貸し付ける制度です。本区の奨学金制度の利用者の減を口実にして制度を廃止する、本区の姿勢はとても認められません。しかし、本議案に賛成が多数で、可決され残念ながら渋谷区の奨学金が廃止となりました。(涙)

五十嵐議員・田中正也議員・牛尾真巳議員などの提案で、廃止条例に対し、廃止ではなく、奨学金が利用されやすいような改善の案が提出されました。
案はこちら↓ (会派として、本議案に賛成しています)

しかしながら、賛成者が少数のため、残念ながら奨学金制度の改善に資する本提案は可決されず、ただただ、奨学金制度の「廃止」が決まりました

奨学金廃止条例の反対討論のポイント

1 現時点の奨学金申請者の申請状況を理由とした条例廃止 は乱暴であると指摘せざるを得ません。奨学金制度の廃止にはもっと慎重な検討が必要ではないでしょうか、と指摘。災害発生など、様々な要因で家計が急変し奨学金のニーズが変わることは多々ありえます。そんな時こそ、奨学金制度があってよかった!と思える渋谷区であるべきです

2 奨学金の利用者が減少したのは、利用しにくい原因や課題があるからです。昨今の教育費の負担増や大学進学での奨学金の利用状況などを考えるに、利用しやすい内容に改善の余地は十分にあること、大学生や大学院生まで対象にするべきと指摘しました

3 渋谷区は「まちづくり」に予算や支援・情熱をかけているがそれよりも、何よりも大切なのは「人」である、と指摘しました


くわずるの「反対」討論全文はこちら

議案第19号 渋谷区奨学金に関する条例を廃止する条例
ただいま議題となりました、「議案第19号 渋谷区奨学金に関する条例を廃止する条例」につきまして、立憲・国民渋谷議員団は、「反対」いたします 奨学金は、就学の意思があるにもかかわらず経済的な理由で修学が困難な者に対して、修学上必要な資金を貸し付ける制度です。本区の奨学金制度の利用者の減を口実にして制度を廃止する、本区の姿勢はとても認められません。以下3点指摘します。
 
1点目 いま、国民の所得が減り続け、貧困の広がりは深刻です。厚生労働省が発表した「2022年国民生活基礎調査」によると、低所得者の割合や経済格差を示す相対的貧困率が日本は15.4%です。アメリカは15.1%、イギリスは11。2%と、アメリカ・イギリスと比べても国内の経済格差が大きい状況といえます。子どもの相対的貧困率は11.5%、ひとり親世帯では44.5%、と、とくにひとり親世帯などが経済的に苦しい傾向をしめしています. 現時点での利用者数が少ない・いないからといって、将来も同様の状況が続くとは限りません。災害や感染症などの不測の事態が発生した場合、や国や都の制度が変更になったときなど、その年には奨学金制度を利用したい人が増加する可能性も考えられます。現時点の奨学金申請者の申請状況を理由とした条例廃止 は乱暴であると指摘せざるを得ません。奨学金制度の廃止にはもっと慎重な検討が必要ではないでしょうか。
 
2点目 他自治体の事例です、足立区では奨学金制度の利用者が減少したことを受けて、新しい給付型の奨学金制度が導入されました。このような制度変更は、奨学金が利用しにくいと感じる利用者のニーズに応える一つの方法です。渋谷区でも同様に現行の奨学金制度が十分に活用されていない場合、安易に廃止を決める前に、現行制度の改善や利用されにくい課題の解決に取り組むべきです。足立区のように、貸し付け型ではなく、給付型の奨学金制度にしたり、大学生や大学院生を対象とした制度の拡充や改善をするべきではないでしょうか。現時点での廃止は時期尚早であり、制度の改善に向けた努力こそが必要と指摘します。国の調査によると、令和2年度に大学を退学した学生5万8000人近くのうち、「経済的困窮」で退学したのはなんと16%です。国や都の制度や支援状況の変化に柔軟に対応し、区民の奨学金の利用実態も見ながら奨学金制度を使いやすく改善することで、必要な人々がより効果的に利用できるようにすることが行政の支援としてもとめられているのではないでしょうか。

3点目 人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇あだは敵なり
城や石垣や堀以上に、なによりも重要なのは「人」であると、武田信玄はいいました。本区は、まちづくりへかけるその予算や支援・情熱を、同じくらい、子供たちそして「人づくり」の支援や予算へもっと目をむけるべきです。経済状況を理由に、学校生活を続けることそのものが困難になる子供たちのことをどうか想像してみてください。いつどこで、事件や事故に巻き込まれ、遺族や被害者になるかわかりません。災害、感染症の拡大などで家計が急変するなど、不測の事態は誰にでも突然に起こりえることです。コロナ化や地震を経験し、私たちは強くその可能性を実感しているのではないでしょうか。子供たちが、家計の苦しい経済状況を見つめ、自分自身の学校生活の目標を見付け、将来への夢や活路を切り開く、その時の希望が、奨学金制度かもしれません。多くの若者が教育の機会を得て将来の可能性を広げることができる重要な支援手段は1つでも多いほうがよいのではないでしょうか。未来を担う若者たちが安心して学び、成長できる社会を築くために、奨学金制度の廃止は許されません。それは、経済的に恵まれない学生の教育機会を奪うことにつながります。武田信玄の名言が示すように、「どれほど立派な石垣・城を築こうとも、そこに「人」がいなければ機能しません、「どんな時代でも最も大切にするべきは、「人」です」。未来を担う子供たちが学費の心配をすることなく、安心して豊かな学校生活と学業に専念できるよう、「渋谷区奨学資金条例を廃止する条例」に反対し、本区が給付型奨学金制度の創設などの支援策を推進することを要望し、反対討論といたします。

文教委員会の討論はこちら

議案第19号、渋谷区奨学資金に関する条例を廃止する条例について立憲・国民渋谷議員団は原案に反対します。本案における、奨学金事業廃止の説明の中で、国や東京都の制度が拡充されてきた中で、渋谷区においては希望者が減少し、昨年度から0人になったことから、本事業は役割を終えたというものでした。一方でこの間、足立区が大学までの給付型支援を行うなど、自治体独自の支援もみられます。当区においてもまず、本条例を残し、対象者の範囲を拡充する等の措置を講ずるとともに、より使いやすい制度に発展させるべきだと考え、原案に反対します。※治田議員の討論

議事録について

※まだ掲載されていませんが、更新されたら紹介します
閲覧⇒ 渋谷区議会 議会中継 - 議員発言一覧 discussvision.net)



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