ゴジラ-1.0における伊福部音楽の個人的所感

見てきました。個人的には好きになれないゴジラ映画トップクラスに躍り出る結果ですが、よかったと思うシーンもあるし(主に海上シーン)ヒットするのは喜ばしいなと思っています。

さてそんな中、当然の様に伊福部音楽の流用(再構成とか再演奏)があった訳ですが、見る前から「モスラ対ゴジラのゴジラテーマが流れて嬉しかった」と言うツイート(今はポストか)を見かけまして、大変嫌な予感がしていました。
それが的中してげんなりしててなんか落ち着かない、ので吐き出しにきましたw

モスラでてないのに出てくるモチーフ

まぁコレに尽きる訳ですね今回の不満は
伊福部音楽作品に限らず、昭和からの怪獣映画は大体、登場するメイン怪獣事にテーマ曲、モチーフが作られる、みたいな認識で良いと思いますが、今回マイナスワンに使われた「モスラ対ゴジラ」タイトル曲ってのはそもそも、映画のメインテーマ的に最初に鳴り響くかっこいい演奏故に、作品に登場する二大怪獣のモチーフがきちんと入ってるんですよ。最後に出てくるのがいわゆる「マハラモスラ」で、伊福部先生によるモスラモチーフです。

コレ、同じく先生が音楽担当される後年の「ゴジラVSモスラ」オープニングでも踏襲していて、映像的にはモスラの卵が盛大に大写しになった時に「マハラーマハラモスラー」のメロディが最高潮になる。この時のタイトルを見ていたら、明かにモスラ側の曲だなって思うはずなんですけどねー。

ところがマイワンはこの部分まで使っちゃうんですよ。ゴジラしか出てなくて、マハラーでヒロインが落ちていくだけなのに(多分)

多分だけど、モスラ対ゴジラのタイトル曲全てがゴジラの曲だと認識してる人多いのですかね?
「シン・ゴジラ」だとさ、「メカゴジラの逆襲」から流用したゴジラテーマ、あれ本来なら直後にチタノザウルスのモチーフが入るんだけど、そこ律儀にカットしてゴジラモチーフ部分だけ使ってるのよ。
そう言うのが前例としてあるから安心してたのに!w

まぁ、あのモスラ部分を希望の光として残してる、だからあの部分をヒロインに当てている、とか言う意図があるのならまだ、いやそれも嫌かな。
何より、伊福部先生なら絶対しないであろう音楽演出を、今後も好き勝手に解釈されて使われていくのかと思うと、ほんと新規音楽だけで勝負してくれよと思うのです。

SF交響ファンタジー


映画終盤での対ゴジラ作戦でも、当然の様に伊福部音楽が流れまして、超盛り上がるー!盛り上がるんだけどやっぱコレ音楽の力凄すぎない?と苦笑いしながら見てました。
映画全体として、ここまで旧音楽に頼ってていいのかなとほんと思うんですよ。盛り上がるけど。

で、ここで流れるのが第一作ゴジラのテーマ曲。決して初代ゴジラのテーマ曲ではなくて映画の、とか、がんばる人間側のテーマ曲である、と言うのは知られていますが、後にコレがSF交響ファンタジーの序盤構成を経て平成ゴジラ自身のテーマ曲に昇華しちゃった歴史もあり、ゴジラ自身のテーマと認識されている人も多いかと思います。それは良いですが、ただ今回の使用例も含めて、この曲はまさに人間側奮闘の曲なので、だからこそクラマックス盛り上がるんですよね。

個人的にはここで「大怪獣バラン」のM15なんかが流れたら感極まったかもしれませんが(似たような作戦やってるし)

で、ここで実際に流用されてるのが(再演奏でしょうけど)前述のSF交響ファンタジーの序盤構成そのもので、第一作テーマに続いて「キングコング対ゴジラ」の曲へとリレーされるんですよね。コレは伊福部先生ご自身が「ゴジラVSデストロイア」エンドロールでも使用された前例がありますが、そう言う経緯から見てもここの使用例は納得の行くものだったかと。
先のモスゴジ曲とは違って、キングコングのモチーフではありませんし(あの作品のメインテーマといえばそうなりますかね、ファロ島住民による祈りのメロディーなので、コレも人類側音楽と解釈も出来ましょう)問題ないかなと思います。
燃えますしねここ。

ただ、使用作品として「キングコング対ゴジラ」ってなってるのには納得いかない。細かいことですが。あの映画見てこんなバージョン出てきますか。今回の新規アレンジってのなら話はわかりますがそうじゃないでしょ、SF交響ファンタジーとしっかり出して欲しかったw

あとどうでもいいかもしれませんが、音楽と効果音大きすぎて台詞聞き取れないのはどうかと思いましたクラマックス。まぁ多分聞き逃しても問題ないのでしょう。
あ、そう言うことなら字幕付きで見てみたい気がしてきたな。もう全編見返さなくていいやと思ってたのですが、早くも気持ちが揺れ動いてる!w

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