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ドラマ感想文:虎に翼
お土産でいただいた揚げ饅頭。美味でした。中国人にはこの味はわからないだろうと、お代わりを所望したら、もう全て綺麗に持ち去られていた。無念。
もともとNHK率の高い人でしたが、特に近年、何度も大病をしたがそれでも生きてくれている我が父と共通の話題を持とうと、大河は欠かさず見ております。に加え、朝ドラを見るようになった。
虎に翼は全部見てます。そして、(こっからネタバレします)
↓ ネタバレしますので、ちょっと行を換えましょうかね。
お父さんに引き続き、お母さんが亡くなってしまいましたねぇ。お父さんの亡くなり方にも味わいがありましたが、お母さんの亡くなり方もまたちょっと違う。なんか非常に感じ入ってしまいまして、それで感想文を書くことにしました。
一つに、お父さんが亡くなる前日に、いよいよダメだと思うと突然、ごめんなさいの暴露をし始めるのです。全部、娘に秘密だった内容が、こちらがポカンとしている間にあれよあれよと。あの世に行く前に謝っとかないとという様子が非常にユーモラスでした。そして、最終的にはトラちゃんに「まだあるの?」と軽く嗜められる。
ここがですね。どっちが親かわかんないよって感じで、で、お母さんの時に
「嫌だ。死んじゃ嫌だ」
今度はトラちゃん、子供のようになってしまってお母さんに追い縋る。するとですね。もう、おちおち死んでもいられないわよと、やれやれとお母さんが生き返ってくる。そして、突然、今際の際になって、あんたは本当に好き勝手して大変だったわよと話し出す。
「いや、今、それですか」
そんなふうに、フツーに会話しながら最後にお母さん、目を瞑ってしまうのですが、これに私が何を感じたかというと、つまりは
死ぬのって怖くないんだな
ってことですよねぇ。
人間が死ぬっていうのは、本当に自然で普通のことなんだなってことで、そして、もうちょっというと、生物が死ぬっていうのはってことですよね。
ちょっと話が飛ぶのですが、手塚治の書いたブッダが好きで、何度か読んでいるのです。作者も言う通りこの漫画は史実に沿って忠実に描かれたものではないですから、仏教を知るために読むのはちょっと違うのかもしれませんが、自分にとってはブッダってこんな人なんだろうなというのは、手塚治の漫画から受けた影響が強い。そこで、ブッダが幼少時にどこから彼の哲学を始めたかというと、「人間は死んだらどうなるのか」だったのです。幼いブッダは死ぬのが堪らなく怖かったのだという。
生物はみんな死ぬ。で、人間は脳が発達しているので、自分がいつか死ぬと知りながら毎日を生きています。だから、死ぬことって超共通のトピックなんですよね。多かれ少なかれ頭の片隅に死ぬのが怖いなと思いながら生きているものだと思う。
考えると暗くなっちゃうからあまり考えないようにしている人のほうが多いんじゃないかなと思います。
ただね、なんというか、最近よく思うことなんですが、
例えば 死ぬこと もそうだけど、他にもいろんな 怖いことってあるじゃないですか、怖いと思ってる時間って 無駄だな! こんなふうに思うようになった。人間はわりと 死ぬこと や 病気 に始まり、いろいろなことが怖いなと思って ガクブルしながら 昔だったら押し入れに閉じこもっているような、そんな時間が実は結構あるんじゃないかと思うんですよ。結構な量の時間をそれに費やしているのではないか。
無駄だな!
本当はきっと、怖いな と思っていることについてこそ、人間は時間をかけて考えてみるべきなのでは?その 怖いものの キング オブ キング こそ 死ぬことじゃないでしょうか。
トラちゃんとお母さんの様子があまりにも普段着すぎて、もう死ぬって思ってるのに、娘が甘えてくる。やれやれと目を覚まし、いきなりいっつもと同じようにお説教が始まる。そして、そのまま事切れてしまう。
まるで、じゃあね、またねといなくなったみたい。
自分も選べるならば、こんなふうに死にたいな。ポツリとそんなことを思いました。死ぬのなんて、そんな特別なことじゃなくて日常の一部なんだよな。悔いを残さずに、残していく娘あるいは息子が、ちゃんと生きていけるって信じられて、心配はなくて死んでゆける。
世の中の全ての死がこんなふうに訪れるわけではないけどさ。
メメントモリ という言葉があって、死を忘れるな という意味なのですが、私は結構この言葉が好きで、死んでしまう日のことを思えば、今、何したい?こう考えるのが好き。
本当に自分が大切にしたいこと、やりたいことってなんだろう?
何度も何度もこのことについては考えてきたし、これからも考えていくのだと思うのだけど、今日、ここに、一つ加えよう。
死ぬのが怖いと考えている時間が無駄だから、怖がるのはやめたい。
汪海妹
2024.06.24
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