北欧②ノルウェー アルタの赤岩絵

 北欧の北部には、鉄道がまったくない。
移動は、レンタカーか高速バスとなる。
アビスコからアルタまで、バスを3回乗換えて、辿り着いた。
朝7:24発のバスから、到着は22:30だった。
白夜なので、この時間でもまだ明るかった。
しかし、へとへとだった。
英語もろくに話せないおばさんに、ドライバーは親切だった。
乗り換えの時には、次のドライバーに申し送りをしてくれた。
 
途中の風景は素晴らしかった。
まだ人の手が入っていないような森を抜けていったり、
一面が牧場で、放牧中の動物たちがのんびりと草を食べていたり、
リアル式のフイヨルドを眼下に見下ろしたりしながら、ようやく辿り着いた。
バスの中の現地のおばさんが、安くて良いホテルを教えてくれてそこに泊まった。
深夜到着時には値切れるとガイドブックに書いてあったので、試した。
だが、アルバイトの学生で無駄だった。
この旅行では、格安ホテルやユースホステル中心の旅だったが、
このアルタでは出発前から普通のホテルの予定だった。
だがチェックイン時には、アルバイトだったために、
翌日の循環バス時刻も間違って教えられ、時間を無駄にした。
朝食も早々に、赤岩絵がある博物館へとバスに乗った。
この岩絵はユネスコ世界遺産にもなっている。
先史時代の紀元前4200年から500年に、書かれていた。
狩猟民や魚民が生活様式を海岸沿いの岩盤に描いていた。
それが5000点も残っていた。
その絵を修復し見やすいように赤く書いてあった。
 
小雨が降る中、岩絵のある海岸へと歩いていった。
大きな岩盤には、動物をはじめ、人々が狩りをしている様子が生き生きと書かれていた。



先史時代のものとは思われないほどだ。
現地の人が偶然に発見したという。
 
歩き始めの途中で、思いたち、立ったままで軽く瞑想をした。
すると、そこには原始時代の人たちがいた。
海辺で海草や貝をとっているだろう姿が、見えた。
その表情は生き生きとしていた。
いつの時代でも女性は、おしゃべりが好きなようだ。
グループで来ており、楽しそうにおしゃべりしながら手を動かしている様子が見えた。
人間の生きる原点であろう。
しばらく歩いていくと貝塚があった。
やはり、ここは生活の場であったのだ。
 

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