見出し画像

Snow Manのファンであること

1.ファンになるまで

 プロフィールの属性をみていただくとわかるのだが、私はSnow Manのファンとして少数派である。52歳の男性だ。
 Snow Manを知ったきっかけは、すでに佐久間担であった大学生の娘から。YouTubeを見て、ダンスがすごいと思い、ただただ楽しんでいた。そんななか、ある日、娘が感極まって、ライブのチケットが当たったと言う。しかし、もう1枚は誰と行くかは決まっていない。すかさず、「僕もいきたい。。」とお願いしたところ、受け入れてもらった。もちろんチケット代は私が2人分払う。
 ライブはパフォーマンスを見るのが楽しみだった。参戦するからには、予習をしようと、YouTubeですべての曲を観た。CDもシングル、アルバムすべてのエディションを聞いた。お気に入りの曲があった。中毒性がある。

2.いわゆる沼に入る

 そこで、偶然にも期間限定で雑誌『Myojo』が10000文字インタビューを公開していた。そこにSnow Manの9名も含まれていた。9人のインタビューを泣きながら読む。なぜ泣いたか。彼らの苦労と葛藤、心根の良さが胸に迫ったからだ。デビューまでの道のりは困難を極めていた。勢いでデビューした人間が一人もいない。
 この記事が決定打となって、娘には黙って、私はファンクラブに入会した。ファンクラブに入るのは、34歳でMr.Childrenのファンクラブの会員になって以来だ。入会にあたっての担当は本当に悩んだが、メンバーカラーである赤への思いを「レッドの使命がグループをまとめることだとしたら、先頭に立って引っ張ることだけがまとめ役ではないはず」「僕は普段は口数も多くないし、いまだに言葉で何かを伝えるのもヘタです。だから姿勢で見せます。」という言葉に震えて、宮舘涼太さんにした。
 さらにライブの映像を見る。最初のライブは、やむをえず無観客開催。最後に一人一人がファンに向けて、噛みしめるように言葉を発する。デビューまでの道のりを思うとわたしも胸にこみ上げるものが抑えきれなかった。

3.沼に入ったからこそ見出せたこと

 2回目のManiaツアーの映像を観たぐらいから、私の意識が変わる。
 当時かねてより、妻と2人の娘から「お父さん、どんどんオジサンになっている」という言葉を掛けられていた。しかし、私の反応は「だから、なに?」である。
 そこで私は、はたと気付く。「Snow Manメンバーの表情はすごく良い」と。「表情管理」という言葉があることを知る。
 自分の表情はどうなのか?きちんと人に届くように笑えているのか?
 そんなことを意識に載せると、いわゆる世の”オジサン”が表情はもちろんのこと、人から、特に女性から、自分がどう見えているのかに無頓着であることに愕然とする。職場での爪切り、おなかが出ている、足を広げて電車の座席に座る、大声で電話する、など気付き始めると止まらない。
 態度、表情、言葉に心をこめる。相手にどう受け止められるか、常に注意しないとすぐに横柄な印象になる。
 女性は化粧はもちろんのこと、どう見えるか、すごく大切にしている。
 Snow Manを通して感じた以上のようなことを妻と娘たちに話すと、なにをいまさら、となんのリアクションもない。しかし、「今、変わらないともうチャンスはない」「お父さんは新しいことにチャレンジすることが好きではなかったのか」「スタイル的には大丈夫だ」と励まされつつ、「おしゃれになれ!」と叱咤された。
 外見にこだわらず、服などのお金を節約していることについて、家族に自負心すら持っていたが、どうやら家族はお金をかけろ、という意見だったようだ。総意である。自分の意識がずれていたのだ。叩きのめされる。

4.オジサン変化する

 自分、変えなきゃ。まず、私服を変えよう。しかし、どうしていいか分からない。なにをどこで買ったらよいか、途方に暮れる。そこで娘に相談。どうなりたいか、方向性を決めろと言われる。シャツは、パンツは、こんな風なものを考えていると、おそるおそる告げると、ダメ出しされた。ユニクロとGUのアプリで探したコーデだ。私を見限ったのか、上の娘が翌日、なんとそのユニクロとGUの実店舗で、シャツ、パンツはもちろんのこと、靴下と靴も買ってくる。靴下も!屈辱的だが、下の娘と妻は「似合う」「かわいい」と絶賛である。降参、完敗だ。もちろん代金は私が払う。
 眼鏡はアドバイスに基づいて、最後は私が選んだ。
 次の家族の要請は、「眉毛をなんとかしろ!」である。「えっ?眉毛?」私はひるむ。踏み出せない。眉毛なんて一度もこだわったことはない。1週間、周囲の人々を観察する。女性で眉毛の手入れをしていない人はいなかった。男性もいわゆる”いい感じ”の人は眉毛を整えている。
 そこで「男性 眉毛」でググると山ほどサイトも動画も出てきて、再び路頭に迷う。また上の娘の登場である。様々な道具を使って、ちゃちゃっとやってくれた。
 トータルに見違えたようだ。

5.いよいよライブに

 ライブに行くことを職場のベテラン・ジャニーズファンの女性に話すと「誰推しなんですか?」と聞かれ、「箱推しなんですよ」と答えると、即座に「箱推し?箱推しは信用できない」「ライブに行けば担当が決まる人多いですよ」と言われる。
 その後、Snow Man関連のいろいろなものに触れるが、9人それぞれの魅力が際立つばかりで、やはり、なかなか「担当」は決まらない。9人とも、それぞれ、どんどん好きになっていく。
 そして、ライブ当日を迎えた。
 今、ライブが終わって、この文章を書いている。ライブに参戦して、どうだったか。
 高校生のときに薬師丸ひろ子のコンサートに行き、その後、ミスチル、ap bank fesに参戦してきた。なによりもthe pillowsのライブには、ほぼ欠かさず参戦している。変わったところでは、酸欠少女さユり、たむらぱんなどのライブに行っている。
 しかし、それらのライブとSnow Manのライブは違っていた。ペンライトを初めて持ったというだけにもちろんとどまらない。ファンへのサービスという骨太の哲学があるのだ。「ついてこい」という姿勢は微塵もない。
 ライブ前日になって、娘から「うちわ、どうする?」と聞かれて、もちろん作ると答えた。ライブ映像を見たときからの懸案だ。「感謝」か「ありがとう」にしようと決めていた。ファンサをもらう、という感覚は全くなかった。デビューをしてくれて、ありがとう。デビューをするまでくじけず、努力を続けてくれて、ありがとう。君たちの存在のおかげで、50代のオジサンである、私も励まされている。
 抗うつ薬と睡眠薬を飲みながら、毎日をなんとかつないでいる。管理職として働いている。来場者が喜ぶ展示会の企画と運営に携わっている。
 悔しいことがあるたびに、渡辺翔太さんの「Snow Manナメンじゃねぇぞ!」という言葉を思い出して、自分を奮い起こしている。目黒蓮さんの「必要としてくれる場所があるのであれば、全力で応えたい。」という言葉は私の思いでもある。
 「ナミダの海を越えて行け」をライブで聞いた。歌詞にこれまでの来し方を乗せて、参加者にこころを歌声で届けてくれるメンバーに、「僕のために歌われている」としか思えなかった。応援歌だ。人生はこれからだよな。

6.結論

 では、ライブを終えて、担当は決まったか?
 決まらない。
 9人みながもっと好きになった。また、新しい魅力とすごさに気付いた。
 遠くない日に映像化されるのが楽しみだ。ライブはライブの良さがあり、円盤には円盤の良さがある。
 なにより、彼らはいま、生きているのだ。その存在が尊い。アイドル=聖像=生きる糧である。自らの骨身を削って、頑張っている。「ファンの皆さんのため」と事あるごとに言ってくれる。
 彼らが将来どうなるかはわからない。しかし、いま、彼らの気持ちに濁りは感じない。
 だから感謝しかないよ。いまを誠実に生きる。約束する。

自宅に戻って撮った写真




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?