テキサンズのHC候補とか

やはりO#か

  突然ですがこちらのツイートをどうぞ。2022シーズンのO#とD#のDVOAを表にして(正体不明の外人ニキが)まとめたもので、プレーオフに進出したチームがハイライトされています。
 横軸がO#、縦軸がD#です。

 プレーオフに進出したチームは右半分に集中、O#が平均以上のチームばかりってことですね。ツイート元の人も言及している通り、O#DVOAのトップ10のうち8チームはプレーオフに出場してます。
 逆にD#DVOAのトップ10のうち、プレーオフに出られたのは5チーム、いずれもO#も強いチームばかり。セインツは3年連続でD#DVOAトップ10ですがここ2年はプレーオフから遠ざかっています。最後にプレーオフに行ったのは2020年で、この年はO#DVOA7位とちゃんとO#も強かった(殿堂入り間違い無しのレジェンド、Drew Breesがプレイした最後のシーズン)

 結論、改まって言う話でもないですがO#って本当に大事だよね、という。O#とD#どちらの補強を優先するのかと言われたらやっぱりO#。テキサンズの新しいコーチ陣にはぜひともクリエイティブなO#を築いてほしいです。
 ちなみにAFC南のO#DVOAは地区優勝したジャガーズが9位で、そのはるか後ろにタイタンズ21位、テキサンズ31位、コルツ32位という地獄。這い上がれテキサンズ!!

HCどうなるかな

 現地1月10日現在、テキサンズがインタビューリクエストした候補はこちら。

イーグルスOC Shane Steichen
ライオンズOC Ben Johnson
イーグルスDC Jonathan Gannon
ブロンコスDC Ejiro Evero
49ersDC DeMeco Ryans

 お〜イイっすねぇ〜、というのが第一印象でした。昨シーズンの候補にはJosh McCownとかHines Wardとかがいて頭が痛くなったんですけどね。

 Caserioが会見で話していたとおり若いコーチに焦点を当てていますね。一番年齢が上なのが42歳のEjiro Evero(1月6日が誕生日ってつい最近ですね、めでたい)で最年少は36歳のBen Johnsonです。
 若いこと自体に不安はありません、近年は年齢が若く経験が浅いコーチでもどんどん昇格していく傾向ですし。むしろ変に独自路線に走ってないことにホッとしています。他のチームからも人気がある候補なのもそういう意味では安心してます。

 イーグルスのコーチは人気ですね。Jalen Hurtsの急激な成長、ランパスどちらも強力なO#、OCのShane Steichenは今オフの注目株の一つだと思います。テキサンズ以外にコルツとパンサーズもリクエストしてます。チャージャーズで2019年に代理でOCデビュー、翌年正式にOCに就任し、2021年からイーグルスでOC。今季からプレイコーラーを務めてます。RPOを多用するスプレッドオフェンス。Hurtsのランのイメージがありますが、かなりパスの比率が高いデータがあります。TEコーチあたりと一緒に引き抜けたい。
 
 DCのJonathan Gannonは前オフも候補に上がっていました。2021年にイーグルスでDCデビューしましたが、昨季のD#は非常にソフトなカバーでお世辞にも良いD#とは思いませんでした。目立ったキャリアも無い彼をどうして複数のチームが注目していたのかは今でもわかりませんが、今シーズンの躍進からすれば先見の明があったのかもしれません。HCの素質は未だ未知数ですが。3-4と4-3を併用しパスカバーはパターンマッチ。LBを3人並べることは滅多に無いようです。タイタンズ相手にもずっとニッケルディフェンスでした。あとイーグルスはあのVic Fangioがディフェンスコンサルタントを務めてるそうです。
 
 ライオンズOCのBen JohnsonはNFLでのコーチ業はまだ11年目。前オフに解任されたOCに代わって昇格したばかり(その前はTEコーチ)ですがチームのDVOAは29位から5位に、1試合ごとの得点も19.1点(25位)から26.6点(5位)に急上昇しました。ずっとポジションコーチでOCの経験もたった1年ですが毎年そういう新HCはいますし、アタリなのが面白いです。Mike McDanielやBrandon Staley、Kevin Stefanskiはコーディネーターデビューの翌年にHCとして引き抜かれています(しかも3人ともプレーオフに出場するチームに育てている!)ライオンズというチーム自体がエネルギッシュで雰囲気が良い、なんというか見ていて気持ちの良いチームなのでそういうカルチャーが伝播してくれたら嬉しいです。彼もDan Campellのように選手に混じって腕立て伏せするんでしょうか。
 
 最年長(42歳)のEjiro Everoも今シーズン初めてDCを務めています。ブロンコスのHCがシーズン途中に解雇されたので、代理HCを兼任しました。なので代理ではありますが5人の候補の中で唯一HC経験があります。ブロンコスの前は2017年から5年間ラムズでSFコーチをしています。面白いと思ったのがラムズが優勝した2021年にパスゲームコーディネーターも務めていること(前任のShane WaldronはシーホークスにOCとして引き抜かれた)。「チームが勝ち始めるとOCが引き抜かれるのでHCはオフェンス畑のコーチにすべき」というのはよく聞く意見ですが、パスオフェンスに明るいディフェンス畑のコーチはどうでしょう。ちょっとワクワクしませんか。あとラムズのタイトフロントディフェンスが好きなのでそっちにも期待しちゃいます。
※ちなみに2021年のラムズのパスゲームコーディネーターは2人いて、もう1人は当時TEコーチのWes Phillipsでした。Philipsは現在バイキングスでOCをやっています。で、バイキングスは13勝をあげて堂々の地区優勝してます(データ的になんで勝ててるか意味不明とか言われてますが)。
 
 49ersのDeMeco Ryans。選手時代はテキサンズ(とイーグルス)でプレイしていました。引退後コーチに転身、2017年からずっと49ersです。Fred Warnerを指名した2018年から3年間ILBコーチ。Warner本人の素質もありますが、育成能力に期待できそうです。ジェッツの熱血スキンヘッドRobert SalehからDCを引き継いで今シーズンで2年目。今最もアツいShanahanツリー。前オフから注目されバイキングスがHC候補として狙っていましたが、Ryansは2回目の面談を断りチームに残ることを選びました。ファンの関心を取り戻したいテキサンズとしては、過去に所属していたスター選手をHCに迎えられれば大きなプラスと見てるでしょう(ちゃんとコーチ経験がありますしね)。過去のトレードのことをRyansが今どう思ってるかは余計な憶測なので置いておいて、49ersのD#ってタレント力によるところが大きいかも…という懸念があります。OL2枚食ってくれるDTが2人いて、ちゃんとブロッカーと当たれてパスカバーも上手いLB、あとBosa。生え抜きを育て上げるコーチングの賜物でもありますが。

 誰が新HCになるでしょうかね。早速水曜日にもビデオ通話で面談を始めるようです。その後ワイルドカードプレーオフが終わってから対面で面談の予定。例年なら早ければ面談から数日で、だいたい10日経たないくらいで決まってたと思います。2、3週間かかると長いなぁという印象。もちろんここからさらに候補が増える可能性はありますし、プレーオフに出場してるコーチがいる以上スーパーボウルが終わるまでHCが決まらない可能性もあります。早く決まればそれだけ早くコーディネーターやポジションコーチ、スタッフを集められます。

さらばCooks

 いやぁ〜〜〜まぁそうですよね。Cooksはチームを去りたいそうです。
 CaserioはLovie Smithを解雇した翌日の午前中にスタッフや選手とミーティングを開いたそうです。その際にCooksからトレードしてほしいと伝えられたそう。シーズン中のトレードが叶わずボイコットしてましたし、やっぱりそうなりますよね。復帰したのはトレード先が見つかりやすいように他のチームへのアピールだったんだと思います。
 
 こうなったら放出は仕方ないとして契約がどうなっているのか、という話。
 overthecapというサイトによれば去年4月に結んだ新契約、2年約39.7M(36M保証)がそのまま残ってます。トレードなら(おそらく遅くともドラフト中か直後には決まるとして)2023シーズンに約10M、2024シーズンに約16.5M浮きます。
 トレード先が見つからずリリースなら、post-June 1 designation cut(6月1日以降指定のカット)になると思います。
 6月1日以降のカットはデッドマネーが翌年に分散されます。各チーム2人までのpost-June 1 designation cutに指定すれば、帳簿の上では6月1日以降にカットしたものとしてデッドキャップを分散するけど、実際はFA市場解禁とともにリリースされます。
 その場合は2023シーズンはほとんどキャップが浮くことはないですが(元々26.5Mほどのキャップヒットでデッドマネー約26.1M)2024シーズンは約16.5M浮きます
 トレード対価どれくらいになるかな、高くても4巡かな。5巡かも。

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