FA補強のまとめ オフェンス編

新加入選手

QB

 Case Keenum、6−1、215lbs、2年6.25ミリオン(4ミリオン保証)。たぶん10年ぶりくらいにテキサンズに戻ってきたKeenum。昨年のビルズでは一度も先発しておらず、最後に先発したのは2021年のブラウンズ。2回先発してどちらもタッチダウンパスを投げて勝利。
 バックアップとしてはKyle Allenよりかはずっとずっとマシだとは思います。半分以下の金額で済むMillsが控えじゃあダメ?とか思いますけど、新人QBのメンターとしてもベテランは必要なんでしょう(Woodsの背番号はまだ公式には決まってないようなので、Millsが放出される説は無いと思ってます)

RB

 Mike Boone、5−10、206lbs、2年3.1ミリオン(0.3ミリオン保証)。シンシナティ大でプレイし、バイキングスにUDFAで入団、3シーズン後にブロンコスと2年3.85ミリオン(2.6ミリオン保証)で契約、という経歴。ブロンコスでの2シーズンがケガばかりなこと、出場機会があってもいまいち活躍してないことから保証額がガクッと下がってます。ケガの部位が足首なのが非常に心配。ロスターに残ってもDare Ogunbowale的な活躍になるんじゃないかな。

 Devin Singletary、5−7、203lbs、1年3.75ミリオン(2.5ミリオン保証)。それにしても安い!5どころか4ミリオンを下回るとは。
 Singletaryは2019年に3巡でビルズに指名され、ルーキーイヤーから4年間通して活躍しました。プレーオフ含めて4シーズンで744キャリー3452ラッシングヤード(平均4.6)19タッチダウン、レシーブでも171キャッチ1166ヤード4TDを記録しています。
 サイズが小さい割に足が速くない(4.66秒)、昨季で一番のロングランが33ヤードなあたりディフェンスを置き去りにするような瞬発力は乏しいです。それでも、ここ3年間ほぼ欠場してないあたり、耐久性はかなりのものです。それでいてコンスタントに成績を残してる。ブロッカーを使うのが上手く、LBを弾き飛ばして1インチでも進もうとするスタイルは見ていて気持ちがいいです。パスプロも上手い。パスターゲットとしてはセイフティーバルブやスクリーンで稼ぐことが多かったです。多少パスが乱れてもキャッチしてくれます。ただWRみたいなルートを走ってミスマッチを作ったりは無さそう。
 テキサンズのここ3年のRBで最高の選手。ナイス補強です。Dameon Pierceとのタンデムが今から楽しみです。

WR

 Robert Woods、6−0、195lbs、2年15.25ミリオン(10ミリオン保証)。2013年にビルズで2巡で指名されてルーキー契約を全うしてからラムズで5年間プレイ、スーパーボウルリングを手にしてチームを去り、2022年はタイタンズと契約しました。2022年はフル出場だったのに、ケガで半休だった2021年と大差ない成績しか残せず1年でタイタンズをカットされてます。
 うーむ、昨季成績を落とした理由が2021年にACLを痛めたヒザならば失敗補強。ファンからも不満爆発だったタイタンズのオフェンスが原因だったなら望みはあるでしょう。今年31歳、腐っても3年連続1000ヤードを記録したレシーバー。まだまだやれることを証明してもらいましょう。オープンフィールドで守備をスルスルとかわしていくプレイがまた見られればと思います。あとパントリターナーもできるはず。

 Noah Brown、6-2、215lbs、1年2.6ミリオン(2.25ミリオン保証)。2017年にカウボーイズに7巡で指名され、5年プレイしてました。5年目となる2022年はプレイ機会が増えて47キャッチ594ヤード3タッチダウンを記録。
 スロットでも大外でもプレイできるデカいレシーバーです。たぶん彼が3番手のパスターゲットになるようではデプスに問題ありありでしょうけど、4番手であれば。以前WRのロスター整理の際に書きましたが、Nico Collinsがもしケガしたら小柄な選手だらけでは困るでしょうからBrownをゲットしたのは納得です。あとはランブロックがめっちゃ上手いところをOCのSlowikが気に入ったのかもしれません。
 Nico Collins、(John Metchie)、Amari Rodgers、にプラスしてWoodsとBrown…やはりまだレシーバーが心もとない。他にPSレベルの選手が4人いますが、今のままではロスター争いも発生しなさそう。…ドラフトかなぁ。

TE

 Andrew Beck、6−3、255lbs、2年6.75ミリオン(4ミリオン保証)。ブロンコスに4年所属していた元UDFA。2021シーズンにThe Salute to Service Awardという賞を受賞してます。軍人や退役軍人のコミュニティへの支援した人物に贈られる賞だそうです。ブロンコスの選手がフィールド外での活動で表彰されるのは、1992年のJohn Elway以来となるそう。
 TE表記ですが、実際はフルバック。FBといえばすでにTroy Hairstonがいますけどね、それなりの給料を払ってBeckを拾ったのは少し不思議です。Nathaniel Hackettの下でプレイしたということで、ワイドゾーンオフェンスの経験を重視したんでしょうか。レシーブ力もFBにしてはあるようですし。そういえばテキサンズの新しいTEコーチ、Jake Morelandは去年ブロンコスでした。アメリカ南部にてリユニットとなります。

 Dalton Schltz、6−5、255lbs、1年9ミリオン。来てくれと願ってたら本当に来てビックリしました。しかも安い!!契約内容の詳細はまだですが、平均10ミリオンいくと予想してました。
 出身校はスタンフォード、カウボーイズに4巡で指名されルーキー契約後にタグで1年残ってました。キャップに余裕がなくなったことと若手が伸びそうだからカウボーイズは再契約しなかったと思ってます。
 4年目がキャリア最高のシーズンで、レギュラーシーズンで78キャッチ808ヤード8タッチダウン。昨年は成績を落とし57キャッチ577ヤード5タッチダウンでしたが、正QBのDak Prescottが5試合欠場した影響が大きいのであまり心配してません。むしろそんなシーズンでもちゃんと50キャッチしてることに感心します。3年連続で50キャッチ以上(計198キャッチ)、3シーズン合計2000ヤード、生産性は大いに期待できます。
 ランブロックも非常に上手く、そこもテキサンズが気に入った点でしょう。総合的に、リーグでトップ10に入るレベルのTEだと考えているのでこの補強はとても嬉しいです。
↓右端の86番、楽しみ〜〜〜

OL

 Shaq Mason、6−1、310lbs。バッカニアーズからトレードでゲットしたGです。対価は6巡と7巡のスワップ、つまりタダ同然。バッカニアーズはキャップに空きを作らなくてはいけない状況だったので、見返りが安くてもトレードが成立したんだと思います。契約は今年が5年契約の最終年、キャップヒットは8.5ミリオン。A.J.Cannを放出したことで4.2ミリオン浮いたので、差し引き4.3ミリオン。Cannのキャップヒットは6.2ミリオンだったので、お財布が軽くなった上にスターターをアップグレードできました。ナイストレードです。
 Mason自体はバッカニアーズ、ペイトリオッツでBradyを守ってきたベテラン。スーパーボウルリングを2つも持ってます。期待しているのはなんといってもパスプロの上手さ。昨季はプレーオフ含めて883回パスプロして1回しかサックを許していないというから驚きです。
 懸念は新生テキサンズのランオフェンスで重要な横に動きながらのゾーンブロックに順応できるかどうか。今までのキャリアではギャップブロックがメインのチームでプレイしてたので。まぁ、たぶん心配ないでしょうけど。なんにせよ間違いなく強化に成功しているはずです。

とりあえず

 RB、WR、TE、OL…オフェンスは一通り戦力になりそうな補強ができてます。1年、2年契約ばかりなのは昨年のオフにCaserioが「チーム作りは2年を1つのスパンで考えている」と言ってたのでそういうことなんでしょう。
 先発があいまいなポジションはQBとC。QBは全体2位で指名するでしょう。HCの面談でチームが話していた通り。というか2位で取らない合理的な理由が浮かばないです。2位でアラバマのEDGE、Will Andersonを取って12位で残ってるQBを取ろう!みたいな考えは…ありえないんじゃないかなぁ。
 CはジェッツのConnor McGovern(同名のiOLがいますけど、そっちはビルズと契約しました)が残ってます。ジェッツで3シーズンで48試合に出場し、今年でまだ30歳。アリだと思います。というか、それ以外のFA選手でピンとくる選手がいない…やはりドラフトなのか。ウィスコンシンのJoe Tippmanとか、試合を見てたらだんだん好きになってきました。

Laremy Tunsil契約更新おめでとう!!

 いやぁ、めでたい。QBの背中を守る守護神、リーグトップクラスのLTが2026年まで残ります。契約内容は3年75ミリオン(50ミリオン保証)。平均25ミリオンはこれまでの平均23ミリオンを超え、LTの中では最高額。本人の望み通りとなりました。
 保証についてですが、2024シーズンの5日目(開幕ではなく3月)にチームにいた場合2025年のサラリーのうち10ミリオンが保証されるそう。デッドマネー的に何があっても2023年が終わってすぐにTunsil放出はありえないので、実質60ミリオンは初めから保証されてる契約。8割が保証されてるようなもので、額面の契約額より保証を重視するあたりイマドキらしいと思います。
 とはいえこれまでの平均最高額から2ミリオン増えた程度で済んでよかったです。NFLが興行的に成功しているおかげで年々サラリーキャップは10ミリオン以上増え続けているので(今年は16ミリオンも増加)選手の契約額はこの先もインフレするでしょう。Tunsilくらい若く(まだ29歳)実力があってケガも少ない選手を確保できるのなら大歓迎です。それに大型の契約を結んだおかげで他の選手のモチベーションにも繋がるでしょうし。そういえばGMがCaserioになって最初の大型契約ですね。
↓Tunsilの契約延長を受けてウキウキする男、Steven Nelson


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