ロスター確認&FA・ドラフト注目選手 DL編


FAになる人たち

 Rasheem Green、Ogbonnia Okoronkwo、Derek Rivers

 Spotracだと後ろの2人はLB扱いだからこの表にはいないです。ランストップ系DTのTaylor Stallworthも、この表にはまだ反映されてませんが1年契約で再契約したそうです。
 3人の中ではRasheem GreenOgbonnia Okoronkwoは再契約ありえると思ってます。GreenはJerry HughesとMaliek Collinsに次いでDLで3番めにスナップ数が多かったです。DTでもDEでもプレイできて使い勝手がいい。5サックあげてますけど最後のサックは第7週のレイダース戦、後半沈黙してるのは気になります。
 Okoronkwoも5サック。Greenと真逆でシーズン後半から調子を上げてきました。サックはどれも第13週以降。どちらかというと4-3より3-4向けだと思いますけど、手をつかない2ポイントでセットするラッシュ専門家として残すかも。

残る人たち

 Maliek Collinsは4サックながら毎週コンスタントにインサイドからプレッシャーかけていました。数少ないまともなレベルのDLだったのでかなり出番が多かったです。
 スナップ数で言うとRoy Lopezが2番手のDTでした。6巡2年目が2番手ってどういうこっちゃ。去年のようなランでハッスルするプレイは少なかったですが、苦手だったパスラッシュは効くようになってました。ミスタックル率が少なくなってるのも嬉しい。でもローテーションでたまに出てくるくらいの選手のはずです、本来は。
 UDFAながらシーズン通してロスター入りしていたKurt Hinish、たまにOLの間を割ってロスさせてるときは輝いてました。イーグルスとジャイアンツ相手に2週連続で40スナップもプレイしてたことに驚きです。どんだけ層が薄いのか。
 5巡ルーキーのThormas Bookerはミスタックル率が非常に高い。ちょうど今やってるコンバインでBookerは素晴らしい身体能力を披露していたのでポテンシャルに期待します。

 Adedayo Odeleyeはインターナショナルプレイヤーです。イーグルスのオーストラリア人、Mailataみたいに4年目で1巡押しのけてスタメンになれたら最高です。

 ここからDE。DEは過去2年間指名してこなかった弊害が出ています。ロスターにいるまともなパスラッシャーはJerry Hughes(本当にまだ動けるのか?)とJonathan Greenard(活躍したのは3年間で1シーズンのみ)の2人だけ。DTもそうですけど、DLが弱い4-3なんて見れたものじゃないのでもっと優先度を高くしてほしいです。
 Jerry Hughesは(基本フィールドに出っぱなしのLBとDBを除けば)最多スナップでした。ドラフトでDEを一切指名しないで34歳の選手とFA契約したときはショックを受けましたが、終わってみれば頼りっぱなしでしたし9サックをあげる活躍でした。ミスタックルが非常に多いのが残念です。総タックル19でミスタックル16はヤバいです。もう1年残ってますけど今年で35歳、さすがに限界だと思いますが。
 Hughesと一緒に契約したMario Addisonは今年で36歳になります。大外でしかプレイできない上に2サックだけ。リリース候補だと思います(3.4ミリオン浮くそうです)
 Jonathan Greenardは2021シーズンの8サックでかなり期待していましたがケガで8試合のみの出場。たった2サックでした。どちらかというとランディフェンスが得意なプレイヤーで、そっちは頑張ってたので来シーズンも戦力にはなるはず。ルーキー契約の最終年ということで本人的にも大事な年です。

ニーズ

 とにかく層が薄い。本当に層が薄い。Lopezはある程度のチームなら4、5番手くらい、HinishもBookerはPSでもおかしくないですし。DEもルーキー契約が1人だけ(しかも育成はいまいち)逆に35歳の大ベテランが2人。非常にアンバランスです。
 なのでFA、ドラフトどちらも補強してほしい。再建でネックになりそうな高額契約が無いので契約の自由度は高い、と前向きに考えます。DeMeco Ryansがやりたいディフェンスに必要な選手を揃えてくれ。

 49ersと同じことがしたいんだったらDTに求めてるのはパワーや体重よりクイックネス。横に動けることが重要。そしてラッシュ力。49ersのラッシュは1対1を作ったりOLのミスを誘うプレイが多いですが、せっかくのチャンスを不意にしては作戦が成り立たないのでパスラッシュできるかどうかは非常に大事です。1テクよりも3テク向けの選手が欲しいはず(330lbsの重量級DTは選択肢に入ってないと思います)
 DEはOTから大きく離れた位置からスタートすることが多く、OLはブロックしにくい反面QBから遠くなります。かわした後にQBまで迫れるスピードが欲しいです。ブロックされても体を曲げながら弧を描くように大外からラッシュできるしなやかさも。さらにDTと交差するスタンツはリーグ最多の頻度なので横の動きは必須。

FAの注目選手

 FA市場に出てくる(であろう)DTの中で最もパスラッシュ力があるのはおそらくイーグルスのJavon Hargrave。1対1の強さは折り紙付き。今年で30歳になりましたが、年齢の影響を受けにくいポジションなのでまだまだやれるはずです。
 同じ30歳のDavid Onyemataは2022年こそ調子を落としていました(それでも5サックですけど)が、2020年2021年は毎試合プレッシャーを生み続けるインサイドのモンスターでした。体は頑丈ですし、調子を取り戻せると信じて契約するのもアリだと思います。
 どちらも年平均10ミリオン超えそうですけど、今の脆弱なDLを改善する必要経費だと思います。どちらかというとOnyemataを希望。
 それと以前も書いたようにカーディナルスのZach Allenを3-4DEから4-3DTにコンバートするのも。

 DEの候補は正直イマイチ。Marcus Davenportはケガが心配。Jadeveon Clowneyは問題児。
 同地区のジャガーズのArden Keyは49ersとジャガーズでそれぞれ1年契約、2年連続で異なるスキームで活躍してるので今オフは長期契約が結べると思います。せっかくだからテキサンズと契約してもらいましょう。DeMeco Ryansとは顔なじみですし。
 またしても同地区のYannick Ngakoueはレイダーズ、コルツと異なるチームで2年連続二桁サックの活躍。コルツでのプレイを見るとたぶんDeMeco Ryansのディフェンスでも適正がありそうです。

ドラフトの注目選手

 ドラフト全体の話をすると、iDLもEDGEもトップ5から3日目まで層が厚く質も良く、バラエティに富んだ年だと思います。チームにピッタリの人材がきっと見つかるはず。

 1日目に指名されそうなDTの中ではCalijah Kanceyが一押しです。DTとしてはこの20年間で最速の40ヤードタイムで話題になってました。さすがはフリークリストの9位。僕は元々シミュレーターで12位でKanceyを指名するくらい好きですけど、コンバインで評価を落とすどころか爆上がりで嬉しいです。
 6-0、280lbsとサイズが非常に小さいです。ピッツバーグ大の小柄なDTといえばAaron Donaldがいますが、さすがに未来の殿堂入り選手と比較するのは相手が悪い。ビルズのEd Oliverが妥当な対象だと思います。Oliverは6-1、287lbsとKanceyと似た体型で全体9位指名でした。あれ?なんだか12位でKancey指名はアリな気がしてきたな。
 カレッジでは2年連続8サック以上、2022シーズンは同大でAaron Donald以来となるDPoYに選ばれました。一瞬のスピードでギャップをすり抜けたり、ハンドテクニックでOLの態勢を崩すのが上手いです。かわすだけでなく、このサイズでブルラッシュも強力です。ぶつかるときの角度や、手の置所が良いので1対1のランディフェンスで大敗することはないです。常にボールを追いかけ続けるガッツも好きです。
 欠点はダブルチームに無力なこと。3rd-1では休ませましょう。
↓スナップされて2秒あまりでQBに到達

↓QBに向かって一直線

 1巡では他にクレムソンのBryan Bresee(発音はbruh-Zee、ブラジー)も候補に上がってきます。6-5、298lbs、今年22歳。高校時代は5スター評価で全米No.1リクルートでした(2位はBryce Young)。
 長所は凄まじい上半身のパワー、素早い手さばきとステップ、C正面から大外までプレイできる汎用性、OTとスピードで張り合う身体能力、精神的なタフネス、チームからのリスペクトを集める人間性、といったところ。
 短所はケガや病気で欠場が多い、期待通りのスタッツを残せていない、ダブルチームを誘うが割れない、姿勢が高すぎる、容易に胸を取られる、先手を取られやすくOLの腕を切れない、タックルミス。ランディフェンスがひどかった→DTを指名しよう、でBreseeはちょっと違うと思う。シーズン前からトップ10評価だったから期待してたくさん試合見ましたけど、うーん。
 瞬発力とパワー、敏捷性、次世代のスターDTになる素質があります。未完の大器のまま終わる可能性もかなりありそうですけど、リターンを考えれば指名する価値はあります。とはいえ20位以降かなぁ。シーズン通したプレイにガッカリして、コンバインのドリルとたまにあるビッグプレイにワクワクして、妹さんの記事で涙して、本当に評価が複雑な選手。
↓踊るように軽やかに動けるラインマンを「ダンシングベア」とか言いますけど、Breseeはまさにそう。

↓マジで良いキャラしてるんだよなぁ、この男。

 2日目はUSCのTuli Tuipulotu、6-4、290lbs。DE登録されてますけどDTにコンバートさせたいです。3ポイント2ポイントからラッシュできる、内でも外でもプレイできる選手です。パワーも機動力もあります。「どのポジションでプレイするのか」とどっちつかずで終わる懸念を指摘されてます。が、そんな帯に短し襷に長しな選手を使うのが上手いのがDeMeco Ryansです。
↓13サックを記録してFBSのサック王でした

 悪く言えばどっちつかずと言えばジョージアテックのKeion Whiteもそういうタイプです。6-5、285lbs、TEとしてオールドドミニオンに入学して2年目からDLでプレイ、2021年に転校して2022年は7サックをあげてます。身体能力に頼る荒削りなスタイルですが、プレイ経験を考えれば伸びしろは大きいです。パワーは今年のDLでもトップクラスで、コンバインでのベンチは30回で2位タイでした。運動量が多いのに試合終盤までバテないスタミナもあります。横に動いてのラッシュは苦手そうなので合うかは微妙です。めっちゃ好きなんですけどね。
 テキサス大のMoro OjomoやウェイクフォレストのKobie Turnerも好きです。パスでもランでも仕事できて、2年目3年目でスタメンになってそうな2人。100位以内の指名、あると思います。
 3日目はボウリンググリーンのKarl Brooks。コンバインに呼ばれてないのが残念ですがシュラインで目立っていました。6-3、300lbsと思えないくらい速いスタートや一歩目が魅力です。3テクにコンバートさせたいのでDT枠で紹介してます。
↓この軽やかさ!130キロ以上でこの動き!

↓右から2番めのDT。ヒュッ、シュパァッ!って感じ

  
 続いてDE。ガチで気に入ってたフロリダステートのJared Verseはドラフトにエントリーせず、テキサステックのTyree Wilsonもトップ5とか言われだして(好きだけどそれは無い)手の届かない存在になりました。
 コンバインで評価を最も上げた選手の1人、Nolan Smithは12位指名にふさわしいと思います。ジョージアの6-2、238lbs、高校時代は5スター、全米No.1評価(Breseeの前年)でした。ジョージアは選手のローテーションが多く、個人のスタッツは伸びにくい環境です。
 長所は爆発的なスタート、ボールへの嗅覚、サイドラインまでキャリアーを追い回す運動量、カーブを曲がりきれるボディバランスと方向転換、サイズの割にフィジカルにランブロックに当たれる、トップクラスのアスリート、という感じ。
 懸念点はサイズ、筋トレで体重増やそうにも限界がありそうなフレーム、パワーは無い、押し込んでポケットを狭める能力は無いこと。
 試合で見せる動きは良かったんですけど、チームを選びそうでした。10月末に大胸筋を断裂してシーズンアウトしてること、全治3〜4ヶ月でリハビリを考えるとコンバインに参加できないか、準備不足で評価を落とす結果になると思ったので1巡下位か2巡頭と見てました。
 ただ蓋を開けてみたらトップクラスの結果を残したこと、怪我の影響がなさそうなので1巡中位での指名は全然ありと評価を改めました。EDGEは本当に身体能力が大事です。3-4OLB体型ですけど、49ersみたいなワイドナインディフェンスをするならフィットします。
↓こわ…なんだこの人

↓当たる時の態勢よ

↓コルツの新HC Shane Steichenがやりたそうなオフェンス、に完璧に対応するSmith

 他の1巡候補、Myles MurphyとLukas Van Nessは好みではないです。少なくとも12位は嬉しくない。
 2日目はLSUのB.J.Ojulari(6-2、248lbs)はNolan Smithと似たスピードとキレのある3-4OLBですが、Smithよりもガッチリした体格です。2こ上の兄貴Azeez Ojulariみたいに、2巡で指名されて1年ちょっとで活躍しそう。
 カンザスステートのFelix Anudike-Uzomah(発音はann-you-DEE-kay you-ZAH-mah、アニュディーケェ・ユザーマ)は6-3、255lbs。パスラッシャーとしての実力は1巡レベルです。体を傾けながら大外から弧を描くようにQBにラッシュするスキルはピカイチ。本当に一番うまいかもしれません。ラッシュのパターンも豊富、スタンツで大回りしてプレッシャーをかける役ができそうなのもテキサンズ的にポイント高いです。頻繁にダブルチームされてますけど、それでも笛が鳴るまで動き続けるところも好きです。
 ランディフェンスが良くない、大外しかできなさそう、ランブロックに対してバランスを崩しやすい、あたりが懸念です。
↓かわし方も凄いけど、かわした後にQBへ向かう方向転換も凄いです。

 3日目はテネシーのByron Young(6-2、250lbs)を推します。40ヤード4.43秒、バイキングスのJustin Jeffersonと同じ速さで走れるDLです。しかもちゃんとスピードがフィールドでも活かせるタイプ。スナップ直後のスタートは爆発的で、そのスピードをパワーに変換できます。2024年ドラフト候補のOTをQBまで押し込むブルラッシュ。スタンツではスムーズな横移動、からの縦の急加速。問題はパスラッシュのハンドテクニックやバリエーション。そして今年で25歳という年齢。
 でもコンバインで目立ちすぎたので3巡で消えそうな気がしてきました。


 セントラルミシガンのThomas Incoom(6-4、265lbs)は11サックの大活躍。肝心の強豪校との試合では存在感を消されていたのが残念です。
 サンノゼステートのViliami Fehoko(6-4、263lbs)は2022年に12サック、3年で25サック記録しました。内、外どちらからもラッシュできます。ランディフェンスもグループ5ではトップクラス。
 カンザスのLonnie Phelps(6-2、245lbs)は今年のDEでも指折りのランストッパー、ミスタックルも少ないです。パスラッシュも8サックを記録してます。コンバインでは40ヤード4.55秒、ベンチ31回とスピードとパワー兼ね備えたアスリートっぷりを発揮しました。


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