ロスター確認&FA・ドラフト注目選手 WR編


FAになる人たち

 Chris Moore、Phillip Dorsett
 
 トップ2の欠場が目立った今シーズン。ピンチで先発した2人がFAになります。特にChris Mooreは10キャッチした試合を始め、かなり印象に残った選手でした。Mooreは昨年まで年間250ヤードに届かない選手でしたが、今シーズンは526ヤードを稼いでいます。キャッチも47回、当然キャリアハイです。来シーズンで30歳になる彼が遅咲きの覚醒…というわけではないでしょうが、どこのチームでもローテーション兼バックアップとしてロスターに残れるくらいの実力はあります。
 今年はたった1.2ミリオンの契約だったんですね…来年どのチームと契約するかはわかりませんが、もう少し良い条件の契約が結べるはずです。2ミリオンくらい?再契約はアリですが、急がなくても市場に残ってる気がします。
 Phillip Dorsettは足の速さを活かしたプレイがもっと見たかったです。成績や年齢を考えると再契約は無いでしょう。

残る人たち

 Brandin CooksはDeMeco Ryans就任の熱気とは距離を置いてます。シーズン終了直後に「チームの再建に手を貸す気はない」と明言してますから、いなくなる前提で考えるべきです。トレード対価どれくらいになるか。Amari Cooperのトレードで5巡×2(と6巡スワップ)って前例ができちゃったのがなぁ。
 Nico Collinsは2年間でちゃんと成長しています。1年目と2年目の細かいスタッツを比べると、より競り合いに勝てる、よりディープでターゲットになってる、ドロップは2回から0回、反則も4回から1回。
 問題はケガで休むこと。2年で24試合出場は良くない。良くないですよ。彼にはルーキー契約が終わっても3年の契約延長を結んでもらって、苦しいときに頼れるターゲットとして長く在籍してほしいです。理想はTee Higgins。
 John Metchieはどのタイミングで帰ってくるかは不透明ですが、順調に回復しているようです。チームも定期的にそれをアピールしています。ブランクを考えるとまだ長い目で見るべきですが、期待通りであればレッドゾーンで特に重宝される選手になるはずです。将来的な2番手になってくれればと思います。
 Amari RodgersはMetchieと違うタイプのスロット。5-9、212lbsとRBみたいな体つきで、キャッチ後のエクストラゲインが魅力のWRです。キャッチが上手く、昨年の極寒のタイタンズ戦で見せた通りサイドライン際の難しいボールも捕球できます。2年経たずにパッカーズを放出されましたが使い方次第でやれるはず。テキサンズの指名権は使ってないし、契約金も安いのでもし期待外れでも懐は傷まないです。
 Alex BachmanやDrew Estrada、Johnny Johnson、Jalen Campはプラクティススクアッド。

ニーズ

 こうやって見ると戦力として計算できるWR陣はNico CollinsとAmari Rodgers、John Metchieの3人のみ。昨季はCollinsとRodgers合わせて700ヤードにも満たないです。WRは超重要ニーズです。じゃあどんなWRが欲しいか。
 (初めは「脇を固めるバイプレーヤーばかりで主役がいないから大エースが欲しいよね」と思ったんですが、49ersのDeeboとAiyukって一般的に言われるエースWRと違いますよね。DeeboはエースCBとマッチしてディープで競り勝つ、みたいなことしないし。Aiyukは3年目で初めて1000ヤードレシーブしましたけどキャリア通して2番手って感じ。新生テキサンズのSlowikが作るオフェンスにAndre JohnsonやDeAndre HopkinsみたいなWRが必要ないのかなと今は考えてます)
 重視すると思うのはトップスピードよりクイックネス、競り勝つよりオープンになれる、スロットと大外どちらもできる使い勝手のいい選手といったところでしょうか。モーション多用するはずなのでカレッジからそういったオフェンスに慣れてたほうが嬉しいです。コンバインの数値もKyle Shanahanには一定の基準があったようですけど長くなるのでまた今度。

注目のFA選手

 WRがニーズのたいていのチームにとって今オフのFA市場はなんともイマイチに見えるはず。JuJuとかJakobi Meyersくらいに年平均10Mとか出すなら、1巡や2日目にWRした方がマシでしょう。3日目にも将来有望なWRが残ってるはずですし。
 個人的に、ジャイアンツのDarius Slaytonには注目してます。第10週のテキサンズ戦で、Pitreのタックルを避けて54ヤードのTDをしたアイツです。6-1、190lbs、2019年に5巡で指名され今年まだ26歳。加速も最高速もトップレベル、フィールドを縦に広げることもでき、RACスキルも魅力的です。1キャッチあたりのヤードアフターキャッチは5.8、これはWRとしてはリーグ全体でもトップ10に入る数値です。Spotracは2年7ミリオンと予想しています。
 噂通りKeenan Allenがカットされたら当然獲得に動いてほしいです。お金はある!ケガで欠場するリスクはありますけど実力は折り紙付き。ちなみに先日テキサンズは、チャージャーズの元パスゲームコーディネーターShane Dayをスタッフに加えています。

ドラフト注目選手

 今年のドラフトはChaseみたいにプロ入り前から別格扱いされるようなWRがいないです。よく2019ドラフトが引き合いに出されます。あの年は25位で指名されたMarquise Brownが最初にボードから消えたWRでした。とはいえ2巡でDeeboやA.J.BrownやMetcalf3巡でMcLaurinがいたのでどんな年でも怪物は潜んでいるはず。
 今年のWRの傾向として、スロットWRが多いです。サイズで劣る代わりに俊敏で、大外のレシーバーとOLの間にセットするタイプ。テキサンズにはすでにMetchieとAmari Rodgersがいるので、ただのスロット専用機なら優先度は下がります。

Jaxon Smith-Njigba

 1日目の有力候補であげたいのは彼。通称JSN、Njigbaの発音はEn-JIG-buhだそうです。ジャクソン・スミッセンジグバだとネイティブっぽくなりそうです。
 オハイオステート、6-1、200lbs。昨年1巡指名されて期待通りの活躍をしたGarrett WilsonやChris Olaveは元チームメイトで、JSNは彼ら以上の実力と注目されてました。実際2021シーズンはボウルゲーム含めて13試合で95キャッチ(成功率84.8%)1595ヤード9TDの大活躍。しかしハムストリングのケガで2022シーズンはたった3試合60スナップしかプレイしていません。そのため20位辺り、早くても15位指名と予想されています。

 長所はキャッチ力(手も凄いけど足運びや体捌きも)、ドロップが少ない、ボールの落下予測が上手い、タックルブレイク、マンツーしたDBをすっころばす方向転換、プレッシャーから逃げるQBを全力で助ける献身性。
 懸念点はケガ、活躍したのは2年目の2021シーズンのみ、エリート級ではないトップスピード、キャリアの8割以上がスロット。

↓1つ目のプレイめっちゃ好きです

↓プロじゃん。投げる方も捕る方も。

 ニーズに反して、スロット専用機の懸念があるWRを紹介するのはアホみたいですけど仕方ないです、JSNにほれちゃってるので。それにスロットでばかりプレイしてますけど、スロットしかできないとは思わないです。他のスロット系と違ってある程度の体重があります。Justin Jeffersonの例もありますから、JSNに賭けるにはアリです。ケガのリスクがある強豪校の元5スターとか、Caserio好きそうですし。

Zay Flowers

 ボストンカレッジ、5-10、172lbs。プレーのダイナミックさで言えばFlowersは外せないです。まさにプレイメイカー。

 長所はElectric(衝撃的、電撃的)と表現されるスピード、縦にも横にも速い、加速も良い、すばしっこく1対1ではタックルしきれない、コンタクトを恐れない負けん気、積極的なランブロック、大外の経験値が高い。
 懸念点はサイズ、ドロップが多い(昨年9回、オンターゲットでも10回に1回落球してる)、ルートラン(テクニックより速さでセパレートしてる)。
 テキサンズにはいないタイプのWRです。ショートでもディープでも、スロットでも大外でも存在感があります。小さいですがカレッジでは7割のスナップを大外でプレイしてました。180lbs以下で1巡で指名してほしいのは彼くらい。

 あと2インチ背が高ければトップ15だったろう、と言われます。現時点では1〜2巡と予想されてますが、実際はテキサンズの2巡33位には残ってないでしょうね。バイキングスやビルズあたりで消えそう。Flowersに限った話ではないですが「エースより2番手」って選手が多いので、プレーオフに出たチームがオフェンスを底上げするのにうってつけな年だと思います。20位以降なら妥当な順位でしょうし。

2日目の注目選手

 2日目は小柄な選手がより多くなってきます。一般的に2巡予想されてるWRにあまり好きな選手がいないです。3巡でCedric TillmanXavier Hutchinsonを指名したら面白いと思います。
 Cedric Tillmanは6-3、215lbsのテネシー大の選手です。快速WRのHyattは背番号11、長身の背番号4がTillmanです。同姓同名の父親はNFL選手で、ブロンコスとジャガーズでWRとして4年間プレイしていました。
 2021シーズンは13試合で64キャッチ(74.4%)1081ヤード12TD、2022シーズンは足首をケガして6試合で37キャッチ(62.7%)417ヤード3TDでした。

 長所はキャッチ力、ドロップが少ない、広い捕球範囲、サイズの割に脚が速い、フィジカルを活かしたRAC、ランブロックが上手い。
 懸念点は足首の怪我、4シーズン目でようやく活躍できたこと、走れるコースが限られてること、加速がイマイチ、手を使わないとオープンになれないこと。
↓ドラフト候補のCB相手にもこの動き。この日は8回ターゲットになって7キャッチ。

 Xavier HutchinsonはアイオワステートのWR、6-3、205lbs。アイオワステートといえばMr.イレレバントBrock Purdy。3200ヤード投げたPurdyのメインターゲットはHutchinson、83キャッチ(79.8%)990ヤード5TDでした。Purdyがいなくなった2022シーズンはさらに活躍して107キャッチ(66.5%)1171ヤード6TDを記録してます。

 長所は恵まれたサイズ、大外でもスロットでも活躍できる汎用性、ボディキャッチではなく手で捕れる、ドロップが少ない、パスのアジャストが上手い、3年間スタメンという実績と経験。
 懸念点は瞬発力、トップスピード、ディープスレットではないこと、身体能力はそれなり、切り返しは速くない(腰が硬い?)

 あとはウェイクフォレストのA.T.Perry。シニアボウルの練習で株が下がった感がありますけど。サイズがあってそれなりに動ける人が、ケガがちのNico Collinsだけなのは問題ですからそのあたりの補強は大事だと思います。

3日目の注目選手

 フレズノステートのJalen Moreno-Cropperは6-0、180lbsと細めですが同大のパスオフェンスを支えたエースです。2022シーズンは大外で2021シーズンはスロットで結果を残しています(2022 74/100 987ヤード 5TD 2021 76/108 833ヤード 11TD)下位指名でしょうけど、将来の3番手4番手になれるかも。
 ECU(イーストカロライナ)のC.J.Johnsonはサイズがあってキャッチ力のあるWRです。2022シーズンは933ヤード9TD。60キャッチ82ターゲット、レシーブ率73.2%でドロップ2回は可能性を感じます。足が遅そうですけど、公表されてる通り6-2、222lbsならコンバイン次第でアリだと思います。めざせ40ヤード4.5秒台。6、7巡くらい。
 あとはシンシナティのTyler Scott!お気に入り枠です。セカンドギアというかアフターバーナーというか、加速装置が背中に付いてるかのようなスピードが最高です。


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