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26.「1ヶ月12万円の療養病院をご紹介します」

当時新型コロナ感染対策のため、病棟への立ち入りは医師や看護師などの面談以外はすべて禁止されていた。このため経過を知ることは病棟手前の廊下で看護師に聞く以外には方法がなかった。
入院後かなり日時が経ってから、医療相談員(ソーシャルワーカー)に呼び出され、転院先を3ヶ所紹介されるが、いわいる終末期医療の病院だった。


改めて療養病院を紹介される

家族の希望通り、急遽要介護認定の再判定を行うことになったが、面会制限があるため、認定員と看護師が二人だけで本人と面談を行った。
再度医療相談員に呼ばれ、二人で話を聞くことになったが、紹介された療養病院は以下の通りだった。

  1. 南部厚生病院(春日部市武里)

  2. 東鷲宮病院(久喜市鷲宮)

  3. さって福祉病院(幸手市)

住民税非課税世帯かそうではないかによって違いはあるが、住民税非課税世帯であっても1ヶ月8~12万円以上かかる病院である。
自宅には戻れないのか、という質問には「退院して自宅に戻れれば万々歳なんですけど…」と言う返事で、自宅介護も限界に達していることは相談員も社協のケアマネージャーから聞いていたかもしれないが、暗に無理という返答だった。
紹介される前、特別に面会一人ずつ5分以内でできたことがあった。母が言うのには面会後病室前の廊下で担当医と医療相談員が3つの方角を指さし確認していたという。思わず「うちのことですか」と聞いたらこっくりされたという。指差していたのは3個所の療養病院がある方向だった。

南部厚生病院への転院

9月後半、医療相談員から連絡があり、春日部市の南部厚生病院で引き受けることが可能と連絡あり。後で南部厚生病院から連絡が来るという。
南部厚生病院は、春日部市の郊外にあるが、外来の他は長期療養の為の施設になっている。この病院の相談員と話をしたが、やはり1ヶ月12万かかるという。
程なくして、病室に空きができたから転院可能と東埼玉総合病院から連絡が入る。
2020/10/12、東埼玉総合病院から南部厚生病院へ転院。このときも点滴をつけたまま。どうしてなのかと医療相談員に聞くと食事を摂らないからという返事だったという。
東埼玉総合病院から南部厚生病院まで介護タクシーの料金:10,240円
※ケアタクシー日和(ひより)
転院後は入院のための検査がある。その合間にいろいろな書類を書いたのだが、やはり終末医療なんだな…と感じさせる書類もあった。

自宅介護は終了へ

後日、要介護認定証が送られてきたが、予想通り「要介護5」。今後退院した場合は、改めて社協の方で紹介するという話に進んでいた。
これまで通所していた「ひだまりの家」、「はーとぴあ」はすべて解約。また、介護用品(介護ベッド、車椅子、スロープ、クッション)もすべて返却、精算。またオムツの宅配も解約。
介護用ベッドをおいていた部屋はガランとしており、本当に人がいたのか、と思わせるような空気が漂っていた。

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