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12.大脳皮質基底核変性症(CBD)の診断

白岡中央総合病院を退院して10日後の2014/4/17、紹介状を持って東埼玉総合病院へと向かった。ただこのときは手違いがあり、一般の内科での受診となった。専門医ではなかったため、これまで通りの薬を処方されて終わっている。
2014/4/24、改めて東埼玉総合病院神経内科へ。当時白岡中央総合病院には神経内科がなく(その後設置)、後はこの近辺では他に1件しかなかったため、骨折したときに運ばれた東埼玉総合病院内にある神経内科で受診することにしたのである。


診断の結果はやはりパーキンソン症候群

神経内科は件数が少ないと言うこともあるのか患者が多く(診察時間も長い)、2時間位待たされてようやく呼ばれる。担当医は町田裕医師。東京臨海病院から週1で来ている医師であった。後で知ったが、難病認定医であり、認定の診断書も書ける医師である。
紹介状を見てまず行ったのは認知症のテスト。質問にすぐ答えられなかったり、明らかにおかしい症状が見られた。やはり認知症の症状が出ているという。
町田裕医師は手を挙げさせたり車椅子に座ったままで足を動かさせたり、舌を出させたりしたが、パーキンソン病ではなく似た症状を呈するパーキンソン症候群であるという診断。
昨年転んで骨折したのもこの病気が原因だといわれる。この病気の原因として考えられるのは大脳皮質基底核変性症や進行性核上性麻痺(いずれもパーキンソン病関連疾患)、レビ-小体型認知症などが挙げられるという。

これまで飲んでいた薬はすべて駄目といわれる

この病気ではこれまで飲んでいた薬はすべて駄目といわれ、本来使用する薬の見本を見せられる。新たに処方された薬は以下の通りだった。

  1. メネシット配合錠(レポドパ。脳内でドーパミンに変化する)

  2. ナウゼリン錠(胃薬)

メネシット錠は、胃痛や吐き気を起こすことがあるので、一緒に胃薬も処方された、ということだった。
この日は血液検査を行った後、頭のMRI撮影の予約を行って終わった。
2014/5/22、頭のMRI検査。
2014/6/5、予約通り町田医師の診察に訪れ、MRI画像の診断結果を聞く。そのMRI画像は素人目に見ても頭の中は萎縮していて、極端な言い方をすればすかすかであることが分かる。血液検査の結果はビタミンB群が不足しているとのことで、新たに追加された薬の内容は以下の通りだった。

  1. ビタノイリンカプセル(ビタミンB1とB2、B6、B12)

  2. メチコバール錠(ビタミンB12)

通院が始まってまもなくしてから胃瘻の話が度々町田裕医師から出てくるようになる。いずれ食べたものを飲み込みにくくなる嚥下障害が起こる可能性があることをいわれる。毎回通院の度舌を出させていたのは、舌が萎縮してきて飲み込みが悪くなるからという。
専門医で指導医でもあるから、長年の経験上そういう症例を多くみてきたのであろうが、当時はまだちゃんと飲み込めていたので、全くぴんとこない話であった。逆に食欲がありすぎて困る位でもあった。
通院して行くうちに、メネシット錠は最初は1回1錠だったのが、2錠、3錠と増やされていった。町田裕医師はいくらでも薬の量は増やせるというのだが…。
程なくして町田裕医師から「大脳皮質基底核変性症」という言葉がでてくるようになった。町田裕医師の診断は「大脳皮質基底核変性症」ということであった。

※コラム:胃瘻について

町田裕医師は、通院の度胃瘻の話をしていたことは書いたが、2016/12に蜂窩織炎の際担当医だった依光一之医師はあんなものつけてもいいことはないよ、と言った。実際に、まだ普通に食べられるうちは胃瘻をつける必要はないことは病気の経過を見ても分かる。
病気が進行して、食欲などの生存欲がなくなってくると、ものを食べなくなる。実際に、2020/8/19に運ばれたときは内田忍医師から1日3回出してはいるが、1食しか食べない、それも一口二口食べて終わりで、これでは生きていくのに全然足りない、電子カルテを見ながら胃瘻の話が出ていたというのでは…といわれた。
ものを食べなくなったときは、胃瘻を増設する、点滴で栄養補給する、静脈栄養にする、という対応が検討されるが、どれも延命治療で、根本的に治す治療ではないことを認識する必要がある。

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