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アンティークジュエリーの話


生まれてから今まで、ファッションの仕事と縁の切れたことはない。 

毎日の生活の中に洋服があり、装飾品があり、
それを手に取り、試着し、鏡に映して見る人々をずっと眺め続けてきた。

一つ言えることは、装いは知性であるということかなと思う。
何も着けず生まれたままの姿で外を歩く人は少ない。
この事と、洋服、着るものの話は他日に譲り…
ジュエリーの話をしようと思う。


宝飾品や時計は特別な買い物だ。
時計には実用があるが、
宝飾品には厳密には実用はない。

誰から誰かへの、または自分への贈り物だ。
愛のこもった、何かの記念の、人生の節目の買い物。

自分では扱わないが、アンティークジュエリーが好きで、店頭や旅先、オンラインで見ることが多い。

作られた時代の流行のデザイン、当時の加工技術、見ていて飽きない。

愛した、愛された、もしくはそのどちらをも選ばなかった持ち主達の記憶が、
私を幸せでほんの少し苦いような気持ちにさせる。

ジュエリーには特別な力がある。

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