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「Pogchamp Extended 2」 れざぴ視点振り返り

Pogchamp Extended 2。
マリオメーカー鬼畜界隈最大の大会であり、参加者達は各々10秒という限られた尺のコースを持ち寄って完成度を競い、最強の製作者を決める。元々無印マリオメーカーで行われたPogchampという大会が起源であり、2021年にそれのマリオメーカー2版にあたるPogchamp Extendedという大会が開かれ、今回はその第2弾にあたる。参加者数は前回が35人前後だったのに対して今回は100人ほどにも登り、前例がないほど大規模な大会になった。
https://www.youtube.com/live/NGyAVNkplI0?feature=share
この記事では、私もこの大会に参加したので私視点での振り返りをしたいと思う。




意気込み

前回ポグチャンプでの敗北を受けて、今回のポグチャンプは優勝を目指していた。
マリメ界隈のインフレは日々進んでおり、正直私は最近のインフレについて行けていない気がしている。ポグチャンプのような場ではそれがハッキリ結果に現れる。だからこそ中途半端な目標設定はせずに優勝の1点だけを目標として設定してマリオメーカーに取り組んでいた。そのくらい強気に行かないとインフレの波に飲み込まれてしまいそうな気がしていた。

コースについて

https://youtu.be/0Wr4oNVw8Jc
今回私は「未完の遺書」というコースを提出した。命名意図に関しては説明が面倒なので省く。
単純な火力での殴り合いで勝てる気がしなかったのでコンセプトコースで行くことに決め、「射出した甲羅が上下からオブジェクトを展開し、展開されたオブジェクトによってコースが形成されてゆく」というコンセプトを意図して制作した。一目見たらわかるコンセプトのつもりで作っていたのだが、後から審査員達に聞いたところそんなにコンセプトコース感はなかったという。これは他のコースの中にとんでもないバケモンコンセプトがいたことも影響しているとは思うが、それを差し引いても伝えたい部分を伝えたいように伝えられなかったのは良くなかったと思う。反省点である。
昨今では伏線を度外視したギミック作りやアイテムのポン置きが増えてきたように思う。流れに乗るため真似しようとしたこともあったがなんとなく個人的に気持ち悪く結局上手くいかなかった。そこで伏線をゴリゴリに張っていくスタイルが自分のやり方だという結論に至り、先述したような風潮に全力で中指を立てる形で伏線全振りコースを作ることにした。皆、伏線も捨てたもんじゃないぞ。
前回優勝コースが縦面であることやそもそもコンセプトは縦面の方が作りやすいことを踏まえ、縦面が主流になると予測していたのであえて逆行して横画面で制作を行った。
ラストギミックが好評だったように思う。道中を作っていく中で狭苦しい空間をせかせか動くタイプのコースになっていると思ったため、道中ずっと抑圧してからのラストでの解放、という流れを想定した。そのためラスギミは解放感を第一に考え、大きな3段ジャンプが最適解であると判断しあのギミックに至った。実際これは正しかったのではないだろうか。
火力がないからコンセプトに走ったといえど、だからと言って火力がなくていいわけではない。結局頑張って火力は出さないといけない。私の意見だが、火力は1ギミックの攻撃力×ギミックの手数だと思っており、火力を上げるとなると攻撃力を上げるか手数を増やすのどちらかだと思う(勿論両方できればベストだが)。その中で私は道中は手数、前述したラスギミは攻撃力を意識した。火力に関してはまだ上げられる余地があると思うが、今の私ではアレが限界だった。
調整は死ぬほど大変だった。制作中は「調整大変でしたで賞」とか貰えないかな〜とか考えてた。先述した通り伏線全振りコンセプトなので最初から最後まで全部繋がってる上に意図せず調整が妙な噛み合い方をしてる部分があるので途中スタートが不可能だった。途中から始められるように調整しようと試みたこともあったが、5時間くらいやっても全然うまくいかなくて諦めた。繋ぎ動画にすらできなかった理由はこれである。
あと最後のドア入りミスってるのは本当にごめんなさい。ドア入りまで成功したテイク撮れませんでした。コースが完成したのが29日の日付変わったあたりで、動画のテイクが撮れたのが29日の朝8時半だった。そこからほぼ不休でずっとやり続けていたのだがドア入りまで成功したテイクは撮れず、仕方がないのでアレを提出した。結局提出は29日の23時55分くらいだったと思う。提出後にそーりあからは「ドア入りまで成功したやつで再提出してもいいよ」と言われたのだが、提出した段階で体力も気力も使い果たしてしまった。提出できたことで完全に気が抜けてしまったこともあり、とても撮り直しをする余力はなかった。本当にすみません

制作経緯

・2021年11月〜2022年10月
前回のポグチャンプでの敗北を受けて、「次回こそは良い結果を出す」という思いで前回ポグチャンプ終了1週間後あたりから今回の構想を練り始めた。当時は介錯epの制作や合作(結局完成の目処が立たず解散したが)も同時進行でやっていたため、本格的な制作をやっていたわけではなくコンセプトのようなアイデアが降ってくるのを待つしかないものを考えていた。「コンセプトコースで行くべきなのだろうか」という疑念はあったが、介錯epが好評だったことやその後ある人とコース制作についてかなり長期間話し合う機会があり、その内容からコンセプトコースで行こうと方針を固めた。
そこからしばらくコンセプトを考え続け、2022年10月初頭に先述したコンセプトの原案を思いつき、原案から色々修正を加えて今回のコンセプトが確定した。

・2022年10月〜2023年3月
この頃から本格的にポグチャンプを意識して動き始めた。
最初に取り掛かったのは制作だった。実は開幕はこの時期に作ったものを採用している。後から何度か開幕を作り直したが結局この時期に作った開幕が1番良かったので採用した。しかし、ポグチャンプまでまだまだ期間がある以上その間にインフレが進むことも考えられたため、一旦本格的な制作は後回しにして他のことに取り組むことにした。この時点で11月だったと思う。
11月からは2つの取り組みを行った。1つ目は人のコースのプレイである。前々からプレイスキルのなさによって制作でやれることの幅が狭められていたことが課題だったため、人のコースを遊ぶことでプレイスキルの向上させようとした。知り合いの上手い人に相談してプレイスキルを上げるのに適したコースを色々教えてもらった。しかし、結局のところ教えてもらったコースはすぐにモチベーションが低下してしまい、自分がやりたくなったコースばかりやっていた。その結果あまり難しいコースに挑戦するというようなこともなく、ただ単に人のコースで遊んでいるだけのような状況になってしまった。
もう1つはコース分析である。ノートを1冊用意し、色々なコースを見て自分が考えたことを書き留めるといった試みを行った。「何が良いのか」「どうして良く見えると思うのか」「このコースで使われているコンセプトでは何ができて何が制限されるのか」などをノートに言語化して書き込み、自分で制作する際の参考にすることが狙いだった。これも結局意味があったのかは分からない。ちなみにコース完成後に精神おかしくなって捨てちゃったのでもう手元にないです。今頃灰になってるんじゃないですかね。
11月〜3月の期間はこの2つの取り組みを行っていた。3月中旬に仲のいい友達グループで2泊3日の旅行があったため、この旅行を区切りに本格的に制作を開始しようと決めた。今思うとこの判断はかなり甘かったように思う。開催時期がGWあたりという話だったにも関わらず3月中旬の制作開始という見通しは自分の制作速度の遅さを全く理解していないとしか言い様がない。大きな反省点である。
余談だが、開催告知が出たタイミングが旅行初日の夜だったためホテルで友達の前で情緒が終わり散らかした無様な姿を晒す羽目になった。

・2023年3月〜2023年4月
旅行が終わった後はとにかく無限に制作をしていた。やらないといけないことはなるべく早く済ませ、少しでも多くの時間を制作に充てられるようにした。前述した22年10〜11月の期間も合わせると4月中旬までに150hほどかけた。しかしその内のほとんどは何も生み出せず頭を抱えていたか没にしたかのどちらかで、進捗としては2〜3秒しかコースは作れなかった。いくら頭を捻っても何も浮かばず、浮かんだとしても出涸らしのようなギミックでしかなく結局お蔵入り、そうこうしている間にどんどん時間は過ぎ精神的に追い詰められ、体調にまで支障をきたした。ストレスで頭を掻きむしり頭皮がブヨブヨになり、睡眠が浅くなり、眠っても毎晩のように悪夢、生活リズムが崩壊し、挙句の果てには制作中に嘔吐。病気である。余談だが、結局提出までに嘔吐した回数は4回だった。あと嘔吐よりも悪夢の方がキツかった。明らかに捕まったらただじゃ済まされないような生物の群れに追いかけられる夢を毎晩見ていたがこれが1番キツかった。この一連の心身の不調に関してはどうすれば良かったのか未だにわからない。
また、この時期は最終的に提出するコース以外全て没にすることを前提に3つのコースを同時に制作していた。結果的にはこの手法は全くの無意味だった。そもそも制作スピードが遅いのに制作量を3倍にしても何も得られるはずがない。やるならもっと早い時期から制作を開始しておくことが必須だったように思う。
4月中頃、何故かのいじーが元々用意していたコースを公開し辞退にした上で私の制作の相談に乗って貰えることになった。本当に意味がわからないがお言葉に甘えさせて頂くことにした。そこから少しの間はのいじーからアドバイスを貰いながら制作していたのだが、締切が迫っておりのいじーのアドバイスを反映させながらコースを完成させるのは難しいと判断し、完成させることに専念した。
そうして完成したのが冒頭のコースである。制作&撮影時間は合わせて200hちょっとくらいだと思う。

反省

優勝を狙うと豪語していた割には取り組みが甘かったように思う。人のコースもやりはしたが自分の殻を破れるほど難易度の高いコースに挑むことはなく、制作開始時期は3月中旬と遅い時期。思い返せば中途半端な努力をしてやったつもりになって満足していたのかもしれない。
裏でそーりあとも話したのだが、結局制作期間をバカ程長く取ってもあまり意味はなく、ベストを目指したいなら本格的な制作に着手する時期は締切3ヶ月弱前あたりが最善なのではないか、という結論に落ち着いた。あと私は無駄に制作時間をかけすぎた節がある。あまり時間をかけ過ぎても息切れしてしまうのではないだろうか。当然だが制作の本質は量より質で、何時間かけたかよりもかけた時間の中で何ができたかの方が重要になる。それを踏まえるとかなり要領の悪い取り組みをしていたように思う。
また、先述したがコンセプトコースのつもりで作っていたのにあまりコンセプトコースとして審査員に伝わっていなかったのも良くない。聞いたところコンセプトとかじゃなく普通に火力の殴り合いであの位置に落ち着いたらしい(それはそれで嬉しいが)。先程と同じことの繰り返しになるが、伝えたい部分が伝えたいように伝わらないのは制作において致命的だと考えている。コンセプトを考える際はわかりやすさが命という意識を徹底したい。

結果

84/100点で6位タイ。当初の目標だった優勝には遠く及ばなかったが大健闘と言って良いのではないかと思う。個人的には前回の順位と点数を超えられたこともあり、自分を許せるラインには到達できたと思っている。余談だがTwitterの方では7位って書いちゃったのちょっとミスだったな〜の気持ち。絶対6位タイって書いた方が格好良かったじゃん。今更消して上げ直すのもアレなのでこれはもう諦めます。

優勝コースについて

https://youtu.be/jnZ1JQ4S1PM
別次元のコース。我々と同じマリオメーカーをやっていない。前回優勝のmugiのコースでも似たようなことを言った気がするが、あちらは「2021年に出てくるにしては1人だけインフレし過ぎている」という意味合いであるのに対し、今回は「もう本当に超えるもクソもない」といったような感じ。このコースを踏まえた上で優勝狙うとかどうとかもうバカバカしすぎる。憑き物が落ちたような感じだった。
「制限時間は10秒、ドアから始まってドアで終わる」という条件下だからこそできる、むしろそういった条件下でしかできなかったようなコースを持ってきたのはpogchampという場においてこれ以上なく完璧な回答だったのではないかと思う。そういったコースが審査員全員から1点たりとも落とさせず100点満点で1位をかっさらうという流れには本当に感動した。pogchampという場だからこそ見ることのできたドラマだったと思う。
あのコースは明らかに我々の想像しうる範疇の外にある。思考が数歩外に出ている。何をどうしたらアレに辿り着けるのか意味が分からない。近年は大コンセプト時代とも呼ばれており、「1つのパーツを最後まで使い回す」や「シーンスキンの特徴を利用する」といったようなコースが台頭してきているように思う。勿論それらも立派なコンセプトコースではあると思うのだが、今回のもっちさんのような「常識の外に出る」ようなコースこそがコンセプトコースの形として本質に即したものなのではないかと思った。ありがとうもっちさん。最高だもっちさん。おれはこれからもあなたについて行きます。

好きだったコース

ここからは完全に私の趣味の世界、個人的に好きだったコースについて語ろうと思う。

しぐれさん
https://youtu.be/1EmLaB1l2OI
これメチャクチャかっこよくないですか?忙しないながら整然としてて超クール。ランキング陣並にやばいと思うんですけどねこのコース。

てらすさん
https://youtu.be/ideAykDB8yM
美しすぎる。ランキング陣はもう十分甘い汁啜ってるだろうからここで出す気あんまりなかったんだけどこれだけはちょっと許して欲しい。音遊びとかの演出も抜群でどのギミック切り取ってもかっこよくて超綺麗。こういうの作れるようになりたいですね。

田中さん
https://youtu.be/fqHI8OUX_jI
靴使ってて斬新なのは当然そうなんですけど、敷き詰められたレール達が凄くいい味出してると思うんですよね。無骨ながら綺麗。ドア入りの時のバブルも抜群だと思います。

キヲツケテさん
https://youtu.be/FfzehuwcZc0
こういう青髑髏がまとわりつくような動きをするコース好きなんですよね。1回グニュって左に行く動きを挟んでるのも素敵でした。

さんだ〜さん
https://youtu.be/yLC01-lOuqA
残りカウント4あたりのスピンでメット踏むとこ、こういう合流の仕方凄く好きです。最後の押し出されるギミックも可能性を感じました。

のあるおさん
https://youtu.be/9f1cAkyF0lg
実は昔没になった合作でこれと似たコンセプトをやろうとしてて、先越されちゃったか〜って気持ちです。クッパ達が途中着地したりしてズレてるのに最後はキッチリ同じ高度に揃えてまとめて処理してるのがメチャクチャ綺麗。

らめりあさん
https://youtu.be/b6Ras0YyDtk
これも超綺麗。昼森スキンなのが大正解だと思います。「賑やかなジャングル」感があってとにかく雰囲気が良いな〜って思いながら見てました。

ヤンデレ子さん
https://youtu.be/Go04AF6Gc-A
これ時さんらしいですね。1人くらい名前でちょける人いるとは思ってたけども。動きの1つ1つが綺麗だと思います。ちょっと逸れるけど時さんの没もメチャクチャ良くて最近頻繁に見てます。

へきさん
https://youtu.be/Fp03Pk1O1PA
立て続けの横軸スクロールストップからの最後に縦軸スクロールストップはぶっ飛びますね、開幕の演出もお洒落。そんでラスギミ凄いですね、散々マリオを止めてるからかわかんないけどムササビであんなスピード出るんだ。

おわりに

当初の目的は果たせなかったものの、自分を許して良いラインまでは到達できた気がするのでポグチャンプの亡霊としては成仏できたかな、といった気持ち。次は合作とかやりたいですね。
そして何より運営の皆様方ありがとうございました。来年も楽しみにしております。

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