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【アークナイツ】波瀾万丈7ロスモンティスソロ-愛と執念が届くまで


はじめに

突然だが、皆さんはこちらをご存知だろうか。

この記事の最後にリンクあります

これは統合戦略3「ミヅキと紺碧の樹」(以下「深海」と表記)において、拓夢さんが達成したロスモンティスソロ波瀾万丈7である。
本記事ではこちらについて解説し、この挑戦について皆様に知って貰えればと思う。

挑戦の概要

まずはこの挑戦の概要から説明したい。
「ロスモンティスソロ」の名の通り、深海の波瀾万丈7をロスモンティスたった1人でクリアする試みである。当然ロスモンティス以外のオペレーターの使用は勿論、招集も禁止である。

クリアした際こういうリザルトになればok

拓夢さんはこの深海ロスモンティスソロ(以下、「ロスソロ」と表記)を波瀾万丈0から順番に1つずつ制覇し、今回勲章加工条件である波瀾万丈7の大台に挑んでいた。拓夢さんの深海ロスソロ挑戦開始は5月にまで遡る。5/28にロスソロ波瀾万丈0をクリア、そこから難易度を1つずつ上げていき、半年後となる11/28に波瀾万丈7をクリアした。驚異的なのはこの期間のうちほとんどの間たった1人でロスソロに向き合い挑戦し続けていたという点である。その研究量は膨大であり、途方もない試行錯誤の努力が垣間見える。

タイムリミット

この挑戦はあろうことかタイムリミット付きのものだった。12/5のアップデートで深海に更新が入り、様々な拡張コンテンツが追加された。新エンドや新ステージや新秘宝の追加など新規要素は多岐にわたるが、ロスソロにおいて影響が最も大きいのは「精神論分隊」における初期所持秘宝「生還者の契約」の追加である。

詳しい説明は省略するが、この秘宝の追加によって深海におけるソロ攻略の難易度が大幅に低下する。
具体的には、更新後の精神論分隊を用いることによりロスソロ波瀾万丈15の記録が存在する。

こちらは更新後に拓夢さんが達成したロスソロ15。これよりずっと以前に大陸プレイヤーによるロスソロ15の先行記録が存在する

一方で、更新前ロスソロ波瀾万丈7の記録は未だ前例がない。そのため、拓夢さんはこの大記録を目指し深い海へ潜っていたのである。
また、認知形成の拡張も馬鹿にできない。

厳密に言うと「生還者の契約」の追加もこの認知形成の拡張によるもの

初期最大耐久値や所持鍵数の増加、ステータス上昇など、更新前にはなかった大きな恩恵を追加で受けることができる。
以上のことから、同じ波瀾万丈7ロスソロでも更新前と更新後とでは難易度に天地の差が生じることになる。そのため、波瀾万丈7を更新前に達成することが目的だった。
しかし、ここで恐ろしいのが「挑戦中は更新がいつ来るのか分からなかった」という点である。大まかに2024年1月頃のタイミングであろうという推測はされていた(実際の更新は12/5で、想定よりかなり早かった)が、正確な日時が分かるのは更新直前である。そのため、挑戦のタイムリミットいつ来るのか分からない状態で挑戦を続けていたのである。ある日突然公式から「3日後に深海更新入ります」というアナウンスがされ、残り3日の時限爆弾が動き出す可能性が常にあったのだ。
結果的に、更新が来たのが12/5であったのに対しロスソロ波瀾万丈7が達成されたのは11/28という、ギリギリもギリギリのタイミングだった。

更新日時が判明し戦慄する、ロスソロ連合(後述)内の様子

波瀾万丈

挑戦の概要を知って頂けたところで、波瀾万丈7ロスソロの過酷ポイントについてお話させて頂きたい。

・希望
波瀾万丈4以降、オペレーターの招集に必要な希望が1増加する。このため、人文主義分隊や支援分隊や援護戦術分隊でもない限り、3層ボーナスで希望を追加しないとロスモンティスを招集できない。

・灯火
波瀾万丈7は初期灯火が100ではない上、ロスモンティス1人という都合上耐久値もガンガン犠牲になるので灯火も更に減少する。そのため、層をまたぐごとに拒絶反応ダイスガチャが発生する。隊員はロスモンティス1人であるため、他のオペレーターに拒絶反応を受けて貰うことも当然不可能。

・拒絶反応
どれを引いても辛い。一応緊急輸送や依頼や遭遇で回復したり緊急輸送で回避したりすることもできるが、そう都合良く行くことは少ない。

拓夢さん談

・分離と統一
中ボスの中でこれだけがとてつもない地雷ステ。メイソンや砲兵の猛攻を耐えなければならず、秘宝で相当耐久が盛られていないとまず勝てない。

・5層ボス
どれだけ上振れていてもランブルやグランファーロといったスタン系秘宝がないとボスを落とせず即詰み。というかそもそも3方向から敵が来るので、どう足掻いても十数匹は通すしかない。

・トゲ宝箱
ランダムで出てくる詰み要素。ソロ攻略である都合上「このマスこの向きじゃないと勝てない」という場面が多く、そこにトゲ宝箱が重なれば終了である。

ほんまカス

・道中のステージ運
1層→2/4が被害大、騎士や昇進があれば防げる
2層→3/6が昇進2になってないと被害大
3層→2/7が詰みステ、別に残り5つも全く楽ではない
4層→4/7が詰みステ、ここにきて詰みステの割合が過半数を超える
5層→4/7が詰みステ、というか5層はもう何踏んでも結構被害でかい

・騎士殺害
地上ブロック要因として騎士を取るのだが、騎士にロスで勝つ手段がないため5層までに騎士を殺す必要がある。しかし、騎士を殺せるステージと殺せないステージが存在するため、上振れ過ぎていたりステージの引きが悪かったりすると5ボスが騎士となり詰む。あと騎士殺せるステージはだいたい耐久値の被害がでかい。

・呼び声
ランダム詰み要素②。上振れていようと呼び声次第で全てが瓦解する。耐久消費2倍になったりスポット数+2で詰みステ引いたり防御+50%引いて敵を倒せなくなったり。

やめてください

・フローター
倒せない。低空浮揚のためランブルやグランファーロで落とすなり栄光セットプラン&s3戦術装備消失で落とすなりしないとそもそも殴れない。その割に向こうはこちらを殴れるのでそのまま殴り殺されることもしばしば。

・移動速度
波瀾万丈7で新しく敵の移動速度が上がり、これにより倒し切る前に青箱に駆け込まれる事態が急増した。1層の共生などが顕著で、これにより波瀾万丈6までと比べて1層から通信途絶することが増えた。

苦難に抗う

ここからは、そんなロスソロ波瀾万丈7をどのように攻略していたかをお話させて頂きたい。

まず分隊は支援分隊。後述する連合では3層ボーナスガチャ精神論分隊や昇進ガチャ援護戦術分隊等も検討されたが支援分隊が1番安定性が高く、達成された記録も結局支援分隊だった。初期希望6+支援分隊による2で合計希望が8、初手でロスを招集して希望1、そこから1回戦闘に勝つとレベルアップの希望+4で希望が5になる。これによりロスの昇進(希望3)+騎士確保(希望2)の、今後必要になる希望全てを賄えるようになる。また、ロスソロでは1層の商人でどれだけ良い買い物をできるかが重要なので、源石錐+20も噛み合いが良かった。

全体を通して耐久値が重要となる。ソロ攻略ということもあり、対応できる幅には限界がある。そのため、どうしても耐久値で受けなければならない場面が多く存在する。耐久値やシールド値を増やす秘宝を積極的に狙う他、耐久値9以上で耐久消費無しでステージクリアした際のシールド値ボーナスもなるべく狙いたい。

1層は騎士確保を最優先に動く。道中ステージ、特に3層では騎士の有無で被害に大きな差が出る場面が多く、騎士確保は早い段階であればあるほど良い。騎士は希望2を払って獲得する。
また、1層終わりの商人での買い物も重要になってくる。この段階でどれほど秘宝を盛れるか、昇進できるか、戦術装備(特にランブルやバリア)を手に入れられるかでこの後の運命が大きく左右される。

2層までは緊急作戦に行きやすいのでこのあたりで緊急を踏み秘宝を稼いでおく。1〜2層でどれだけ貯金を作れるかがこの後の道のりを左右する。

3層以降はなるべく戦闘を避けたい。耐久値の被害が大きいステージが目に見えて増える。分離と統一以外のボスは秘宝が強くなくても割となんとかなるため、道中を凌ぐことに命を懸ける。

4層では騎士を殺すことを優先して動く。ステージ次第では騎士を殺せずに5層突入することもザラにあるので、騎士を殺すためあえて被害が大きい本来避けたいステージに踏み込むようなこともする。

5層は全力で戦闘を避ける。どれを踏んでもろくなことが起こらない。また、この時点でランブルやグランファーロといったスタン系秘宝がない場合なんとかして5層道中の商人等で確保しないと詰みとなる。

そしてボス戦。実はボス戦はs2チャートとs3チャートの2種類が存在する。
s2チャートはスタン延長秘宝を所持していることが前提で、とにかくs2でスタンさせ続けて1度落としたボスを2度と起き上がらせず削り切る戦法。こちらの利点としては注意散漫の拒絶反応状態でも可能という点である。
そして今回達成された記録で使われたのがs3チャート。こちらは是非動画(本記事最下部にリンク掲載)を見て頂きたい。

秘宝

そんなロスソロにおいて強かった秘宝を一部紹介する。

・耐久値系
インフラ。基本的に耐久値が全てなのであればあるだけ良い

耐久値系は他にも色々あるが割愛

・キチン質の刃
言うまでもないだろう。ソロ攻略のお友達

・狙撃強化系
職限定に絞られている分効果が強力なものが多い。商人にそこそこあるのも良いポイント。

残弩・百歩穿楊や残弩・突破もある

・Scoutの狙撃スコープ
ロスモンティスの攻撃範囲が広く長いため、この秘宝の恩恵を受けやすい。

波瀾万丈7のクリアテイクで火力を支えていたのはこの秘宝

・ランブル、グランファーロ
ボス戦を突破するにあたって必須となる。ランブルの方が使い勝手は良く、グランファーロは耐久値減少時スタンで擬似的に被害を抑えられることがある。

どちらかがないとボス戦で詰む

・スタン延長系
s2と併用。モジュールによって余震が増えた分更に噛み合いが良くなった。これによりs2の効果時間中スタンハメといった動きもできるようになる。

ラッパやカメラも該当する

・撃砕く手
最強。マジで最強。これの有無で火力が目に見えて変わる。商人で見かけたら是が非でも取りたい。

最早ロスモンティスのために作られた秘宝かとすら思う

ロスソロ連合

拓夢さんがずっと深海をロスソロで挑んでいたことは私(筆者)も知っており、陰ながら応援していた。
そんな中、ある日会話の弾みで拓夢さんから「ロスソロ波瀾万丈7を一緒にやらないか」と声をかけられる。
過酷な挑戦であることは傍目でも分かっていたため正直最初は乗り気ではなかったが、よく考えると先述した通りロスソロ波瀾万丈7はタイムリミット付きの挑戦であることに気付き、協力することを決意した。

こんな様子だが、この後やるし連合(後述)まで立ち上げる

ただ単に波瀾万丈7ロスソロに挑戦するのも良いが、正直ロスソロどころかローグライクにおける少人数攻略の経験値すら皆無の私が貢献できる部分などたかが知れている気がしてならない。もっと他の角度から私にできる支援はないだろうか。そんなことを考えていた。
そこで、私は「ロスソロ連合」を立ち上げた。
名前の通りロスソロの攻略を目的とした団体であり、更新前波瀾万丈7ロスソロの達成を目的に掲げ、攻略情報の共有等を行うdiscordサーバーである。
その上で、連合で一緒に戦ってくれる人を募った。と言っても大々的な募集は一旦後日にしようということで後回しにし、私や拓夢さんの周りで協力してくれる人やロスソロ連合に興味を持って頂いた方をサーバーに招待した。

集う光の戦士達

時間を置いてから周りの人に留まらず大々的に募集をかける予定だったのだが、その前にロスソロ波瀾万丈7が達成された。

この時の彼らはまだこの日の晩にロスソロ波瀾万丈7が達成されることも深海の更新が12/5であることも知らない

このロスソロ連合サーバーで行われていたことは何かという話に移る。
まず、拓夢さんに各ステージの攻略法を共有して貰った。これによりロスソロの経験がない我々も戦い方が分かる。

細かくチャンネルを用意
各ステージごとのスレッドを用意
その上で、各ステージの配置や耐久消費目安や使用スキル等を拓夢さんに共有してもらう

共有してもらった攻略法をもとに各人がロスソロに挑戦し、その中で見つかった最適化ポイントや改善案を更に共有していく。

代表例がこちら。昇進1かつ騎士無しでの共生は詰み確定(耐久-6以上)ステージだと思われていたが、ソルさんが耐久値-4で済ませる方法を発見した

また、失敗記録を投げるチャンネルやロスモンティス未所持でもロスソロに挑戦できるようにするための戦友募集チャンネル等もあった。

下振れた時などはここに投げてエンタメにする
戦友募集チャンネルは大々的に募集かけた後を見越して作ったチャンネルだったので、結局ほぼ使わなかった

ひたすら運ゲーにぶつかる人、普通の攻略は他の人に任せて違う分隊やスキルを試す実験台になってみる人、道中の特定ステージに絞ってチャートを模索する人など、各人がそれぞれのやり方でロスソロに挑み続けた。
中でも特に力を入れて取り組んでいたのが拓夢さんと烏さんである。この2人は連合内でもロスモンティスに対する思い入れが強く、それを反映するかのように物凄い勢いでロスソロに取り組んでいた。

余談だが烏さんはロスソロにどハマりし、この時期は暇さえあればロスソロのことを考えていたらしい

手が増えたことにより試せることが増え、試せることが増えたことで研究が加速した。そして何よりも試行回数が増え、誰かが上振れを引いてボスまで辿り着く機会も増えた。しかし相手は波瀾万丈7、拒絶反応や耐久値の不足やランブルの未所持等によって血も涙もなく潰されていく。

勝つために必要なものがランブル以外全て揃っていたが、ランブルがなくてボスを落とせず敗北したテイク

何日に1回引けるか分からない上振れ、正確な日時は不明ながら刻一刻と迫るタイムリミット。それでも連合内に重い空気が流れることはなかった。
連合ができてから日が浅かったこともあるが、何度かボスまで辿り着いた記録を踏まえた上での「現実的に勝てる」という確信、タイムリミット付き前人未到の記録という挑戦自体のロマン、そして何よりロスモンティスへの愛。愛と執念が皆を突き動かしていた。
勝利を信じて、折れず、挫けず、諦めず、戦い続けた。
そして、遂にその時が訪れる。

2023/11/28 22:24:23

決着

波瀾万丈7ロスモンティスソロ。

当時の様子

達成である。連合ができてから1週間、拓夢さんにとっては約4ヶ月にもわたる長い戦いが決着した。ローグライクは良くも悪くも運ゲーであり、拓夢さんによって連合全員に攻略法が共有されていたため誰が勝ってもおかしくなかった状況。連合の目的としては波瀾万丈7のクリアであるため誰がクリアするかは重要ではなかったが、やはり1番報われるべき人が報われた展開には本当に良かったと言う他ない。

達成者が他の誰でもなく拓夢さんだったことに喜ぶ、連合のみなさん

波瀾万丈0から1つずつロスソロで歩み続けた精神力と経験値。それら全てを総動員した勝利であった。

ローグライクは良くも悪くも運ゲーであり、運ゲーにさえ勝利すれば誰でも凄い記録を達成することができる。
それ故に、ローグライクでの記録は軽視されやすいように思う。ここまで読んだ方の中にも「どうせ運ゲー」「所詮上振れ」そういった感想をお持ちの方もいらっしゃるかもしれない。
しかし、誰にでも可能性がある故に生半可な記録は簡単に達成される。そのため、ローグライクにおける前人未到の記録に伴う運要素は生半可なものでない場合がほとんどであるように思う。また、運ゲーや上振れと簡単に言ってもその裏に隠されているのは泥臭いトライアンドエラーである。何度も何度も当たり前のように敗北し、上振れが重なり勝機が見えてもたった1つの下振れでそれら全てが瓦解する。そういった気の遠くなる道のりを、いつ来るかも定かではないタイムリミットの中乗り越えた先、その先にあったものがこの更新前ロスソロ波瀾万丈7である。
長い間たった1人で戦い続け、何度理不尽に倒されても立ち上がり、最後の最後にこの大記録を成し遂げた拓夢さんに今1度大きな拍手を送りたい。

最後になったが、こちらが更新前ロスソロ波瀾万丈7達成記録のリンクである。是非この動画を見た上で、ロスモンティスというオペレーターの強さ、大金星の裏にある何十何百何千という挫折、それら全てを乗り越えた精神力、そして全ての原動力であるロスモンティスへの深い愛を感じ取って頂きたい。

執筆:れざぴ
監修:拓夢
Special Thanks:ロスソロ連合のみなさま、ロスソロ連合を応援してくださったみなさま

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