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ゼウスが愛した女性たち②:レト

ゼウスの妻・レトはタイタン神族のコイオスポイベの娘として産まれました。
レトは、神々の中でも最も柔和な女神と言われています。
女神さん達の中では、ですからね(笑)。

アステリアという姉妹がいます。
ゼウスとの間に、アポロン(知恵・工芸・戦略の神)とアルテミス(狩猟・森林・純潔の神。豊穣の神)が産まれました。

レトがゼウスの子を身ごもると、ヘラは激しく嫉妬しました。
すべての土地に、レトに出産する場所を与えてはならないと命じ、虹の神・イリスと息子のアレスに土地が命令に背かないように監視させました。
太陽が一度でも照らしたことがある場所で出産してはならないと命じられたレトは、出産できる土地を求めて放浪しなければいけませんでした。

蛇のピュトン(ガイヤの子)は、レトの産む子が自分を殺害すると予言があったため、レトを殺そうと追い回しました。

またヘラの命令によってティテュオスという巨人も彼女を襲いましたが、ゼウスによって殺されてしまいました。

喉が渇いたレトは、リュキアという土地に立ち寄り、池の水を飲もうとしました。
すると、村人たちがそれを止めようとしました。

レトはそれでも池の水を飲もうとしましたが、村人たちは池に足を入れて水を濁らせ、水を飲ませまいとしました。
怒ったレトは「この者たちがこの池から永遠に離れず、生涯をここで過ごすように」と願いました。
すると村人たちは蛙に変身し、泥沼に変わった池に住むようになりました。

これが現在の蛙の生き方になったんですね〜。面白いですね。

ヘラが意地悪をしてエイレイテュイアを引き止めていました。
それを見かねたイリスがヘラからエイレイテュイアを連れて来て出産に臨みました。9日9晩にも及ぶ難産でした。

キュントス山山頂からながめる 出典:Wikipedia

レアは、最初にオルテュギア島でアルテミスを産み、さらにアルテミスに手を引かれてデロス島に渡り、キュントス山に背もたれして、シュロの木のそばでアポロンを産みました。


一説には、レトをデロス島に連れて行ったのは、ゼウスの命を受けた北風ボレアスで、ポセイドンが彼女を保護し、ポセイドンはヘラの言葉に違反しないように、デロス島を波で覆ったと言われています。


この出産にはディオネレアテミスアムピトリテなどの女神が立会いました。
アポロンが生まれると彼女らは歓声を上げ、大地は微笑み、天空には白鳥がめぐったと言われています。
アルテミスは出産時、母に苦痛を与えなかったので、お産に苦しむ女性の守護神となったと言われれています。

余談ですが…
テバイ王アムピオンの妻ニオベが2人しか子供を産んでいないレトに対し、自分の方が多くの子供を生んでいることを自慢しました。
レトはこれに怒り、アポロンとアルテミスにニオベの子供たちを射殺するよう命じました。

それでも、神々の中でも最も柔和な女神なのに…おそろしい。

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