2020年度 学校再開に向けて

2020年5月19日

5月25日から学校再開の予定です。

本日は、自主登校の受け入れ、拠点校指導員の先生との週1回の指導日、ICT研修、学級事務の業務。

自主登校

特別支援学級の自主登校受け入れ人数は4人。

少しずつ多くなってきています。

今日は3年生の男の子の学習を見ます。

・漢字プリント

・国語プリント

国語プリントは説明的文章を読み、読解設問に回答していきます。

読めば分かる問題だが・・・その男の子のクセのようなものを感じました。

①まず、設問に目が行く

②設問を読むが設問で何が書かれているのか一読では分からない

「上の文章は何について書かれたものですか」

解答欄には

〈            〉が長いことについて

とあり、いわゆる文章の題材について問うています。

しかし、「・・・・が長いこと」という箇所は文章内にはなく、

「・・・が長いのに不思議に思ったことはないでしょうか。」と問いの文章の形になっています。

読者が適切に、読んだ後解答欄に収まるように変換しなければ分からないです。

特別支援の子にとっては、この適切に「変換」する方法が難しいのだと思います。

ここでは、「が長い」に線を引かせ、「同じところどこかな?」と探させました。

すると、しばらくして見つけることができました。

③特別支援の子には「言葉」を手がかりに。そして、述語に注目させます。

設問をみると、述語がキーポイントです。

同じ述語を探させることが容易で、手っ取り早いです。

ただし、文章全体の理解はしていないです。

あくまでも森の中の「木」を見つける作業のコツを教えただけで、森全体を見ることはできません。

述語さえ文章内から見つけられれば、あとは主語の見つけ方を教えればよいだけです。

「すぐ前だよ」と教えました。

すると、2行も前を見始めます。

(おいおい・・・)

前と言っても、程度がわからないのですね。

そこで、手で情報を隠し、「この中にあるよ」と限定してあげました。

すると、しばらくして自信なさげに答えました。

力強く、「合っているよ!!」と褒めました。

森の中に入ったら、次の「木」の見つけ方を助言しても、どの「木」なのか分からないのです。

主語には「・・・が」があるよということで、

「が」「が」「が」・・・・と探しています。

こういった設問に答えて見つける作業を通してしか今回では答えにたどり着くことはできませんでした。

途中からは文章全体を読む気力さえ、

姿勢が乱れ始め、整わないことから感じました。

私が代わりに読んであげます。

なんとか最後まで設問に回答しました。

やる気を支えるのは最後は教師の支援ですね。


拠点校指導員の先生との指導日では、

5月21日の準備登校日、

5月25日、28日の分散登校日、

6月1日からの本格的再開日についての確認。

「慣れる」ことを第一に、

自主登校で出てきた課題について手立ては何を打つか洗い出していきました。

自分一人では課題に対して気付かない手立てを一緒に考えてくださいました。

また、私からは2人のうちの1人に対する情緒的な課題をどう手立てを打っていくか悩みを相談しました。

短くいうと、

・「おはようございます」「おねがいします」「いただきます」「ごちそうさまでした」「さようなら」「バイバイ」などは言えるが、どれだけ意味を分かって言えているのか、イメージなき言葉を言わせる価値について

・本人を見ていて、「うれしい」「かなしい」「おこった」「たのしい」などの感情はあるけど、出し方がわからないのか、はたまた情緒についての感覚がまだ十分に育っていないのか(新型K式発達検査を受け、年齢相応の情緒や言語等は育っていないことは分かっている)

・3月までに「ありがとう」は言えるようになってほしいという私の願いがあるけれども、「ありがとう」と言わせればいいのか、本当に「うれしいな」「ありがたいな」と実感できたときに「ありがとう」と出てくるのを待てばいいのか。言葉を教えることが先なのか、実感が先なのかという問題。

・学校では、言葉を教え、言えるようになってきたら、徐々に自分から言えるように手立てを打っていくことが必要だけどれども、家庭ではこういった言葉の訓練をどこまでやっているのか。学校だけでは効果が薄く、いろいろな場でそういう言語環境は必要と考え、また「ありがとう」と言えるようになるくらい周りから『愛される』存在になることは、実際生活に大いに生き、その子の将来につながると考え、勉強よりも大切なことと考えるけど、ご家庭ではどの程度真剣に捉えているのか

ということについて相談をしました。

拠点校指導員の先生からは

「家庭との連携を図ることはとても大事。家庭でどのように挨拶を交わしているのか少しずつ聞いていき、学校での様子を伝え、提案していくことは大切でしょう」

「個別指導計画をさらに細かく、1年間を見通して計画を立てるほうが良い。現状の力から積み上げていき、『ありがとう』を言うことが3月に可能なのか書いていくと実はよく分かる。これから1ヶ月見て、6月中に一度書き上げよう」

とアドバイスをいただきました。


ICT研修は

「ロイロノート・スクールアプリの使い方」

「zoomアプリを活用したオンラインセミナー研修の体験」

でした。

zoomアプリでオンラインセミナー「ロイロノート・スクール」の講義という形でした。

ロイロノート・スクールはパワーポイントより直感的にプレゼンテーションを児童生徒が作ることができます。

また、思考ツールを活用し、思考の発散→収束→発散→収束→…を意図的にアウフヘーベンすることができる使用方法についてもおうかがいしました。


学級事務では、5月25日に発行する学級通信第2号を作成し、決裁に回しました。

また、5月25日の学校再開に向けて、視覚的支援ツールの作成のリストアップを行いました。


【総括】

子どもがいない中での研修は時間がある反面、いろいろなことを多面的・多角的に考えてしまいます。

様子が分かりにくい家庭はなかなか難しいです。

何気ない保護者の行動から論理的に想像力を働かせていき、より児童理解に務めていきたいです。

子どもの育成という一点で保護者を巻き込んでいければ良いと考えます。

そのために、教師はやはり年間を通した指導を見据えておかなければなりません。

今見ている子たちには、文字は通じません。

文字を活用した手立てでない手立てを打っていかなければなりません。

連続的にです。

大変飽きやすい特性もあるので、授業は45分もちません。

15分×2〜3=1単位時間

1単位時間×5時限=1日

1日×5回=1週間

1週間×(おそらく30週前後)=1年

単純計算、15分×3回×5時間×5日×30週=33750分の授業を考え、構成する必要があるということです。

はっきり言って、全部は意図的・計画的に授業を組むことはできません。

教科書はほぼ使えませんし、育てたい何かを絞って重点的に取り組むよりほかありません。


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