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私と推しと彼と解釈違いの恋

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短編小説「私と推しと彼と解釈違い」のまとめです。 アイドル現場で知り合って彼氏と彼女になった私たちが、メイドカフェとコンカフェでそれぞれ次の推しに出会って、「推す」ということの…
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#ライブアイドル

【小説】私と推しと彼と解釈違い①

  気持ちのいい秋晴れの日だった。だからなんで、よりによってこんな日に、ってあの時は思ったけど。今思えば、それでよかったような気もする。例えば雨の寒い日に、あの別れのことを思い出してしまうとしたら、嫌すぎる。 ・・・ 「あのね、もう、無理みたい」 「えっ、何が」 「…別れ、たい」 「はぁぁあ? 何それ、なんで」 「……解釈が、違う。しかも、ひろくんの解釈が、私には無理なやつなの」  驚いた顔の彼の後ろ、大きな窓の外は気持ちのいい晴天。  言っちゃった。  まだ言うつもりじ

【小説】私と推しと彼と解釈違い②

 今思えば、最初の最初のきっかけは、私だった。  共通の1推しが、メイドカフェにゲスト出勤するイベントがあって、当然予約して行って、チェキ撮って、予約コースのあんまり高くないシャンパン飲んで。メイドさんはみんな可愛いし、駅からも近くて、ピンクで清潔感があって可愛い空間で、ゆっくり座って推しと話せたり、ごはん食べたり、ステージ見たりできるのって、楽しい! って完全に感動しちゃって。それまでよく行ってたライブハウスは…ライブは楽しいけど、暗いし混んでるし、夏とか色々キツイ時もあっ