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ノーメッセージという、メッセージ

世の中はメッセージにありふれている。

街を歩けば、「このお店に入ってください!」と看板が訴えてくるし、電車に乗れば「脱毛しましょう!」「転職しましょう!」「本を買いましょう!」というメッセージたちが目に飛び込んでくる。
本や映画もそう。「この考え方がいいです!」と言われてる気がする時もある。

メッセージが全部悪いとは思わないし、広告のおかげで出会えたものや、本のおかげで出会えた考え方もある。でも、それらがなにかしらの変化を求めてくるメッセージであり、「今のあなたのままではダメです、変わりましょう!」と自分を変えようとしてくると、「私はこのままではだめなのか??」と思わなくもない。
(大体はそんなことを思わないようにスルーするスキルがついてくる。)


だからわたしは、ノーメッセージというメッセージを掲げていたい、と思った。


風越にいたとき、「相手を思い通りにしようとする関係性は成り立たない」という話を聞いた。本当に、本当にその通りだと思う。
でも私たちは、つい、相手を思い通りにしようとしてしまう。相手が子どもでも、友達でも、家族でも、恋人でも。「こうなってほしい」と思ってしまう。悪意はないんだけどね。

私には、相手をどうすることもできない。それは、諦めではなく、大切にしたいということだと思う。
とにかく、そのままでいてほしい、と願っている。その上で、一緒に変わっていきたいなら誠実に話し合いたい。


そんなことを、瀬戸内海を見ながら思った。海はノーメッセージだ。こちらを変えてこようとはしないし、ただ、そこにある。

私も、ただ、隣に居させてもらえたらうれしいなぁと思っている。あなたがそのままでいるために、私にできることがあればもっとうれしい。



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