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〈今日の宿題〉 小学校の帰り道

最近、うれしいたのしいだいすき!な毎日が続きすぎて、悩みごとがほぼない。それはそれでとってもいいことなんだけど、悩みごとがないとこんなにも考える時間が減るのか、、という悩み(?)はうっすらある。

すこやかにハッピーに、でも頭はぐるぐる回転させて考えるのを止めない人間になりたいわけで、今私に必要なのは「問い」だ、と思った。


下北沢のB&Bという本屋さんに行った。めっちゃいい本がたくさんでおすすめ。買ったのは、5センチも厚みのある「今日の宿題 」という本。
期間限定で福岡に出店していた本屋さんで、毎日違う人から「宿題」をもらい、店頭に張り出していたらしい。それを一冊にまとめた本だった。


考える練習として、文章を書く練習として、気が向いた時に宿題の中からひとつ、自分のこたえを考えていこうと思う。


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衿沢世衣子〈マンガ家〉
「小学校から自宅までの帰り道、思い出せますか?
寄り道しつつ、生えてた植物、霜柱を踏んだ場所、捕まえた虫など、頭のなかで小さなことも拾いながら歩いてみましょう。」

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小学校は村に一つしかなくて、中学校までずっと同じメンバーだった。家の場所も兄弟も、なんとなくみんな知ってるような小さな村の小学生。

下校のチャイムがなると、まず校門の前に地区ごとならぶ。1年生は黄色の帽子に、地区ごと違う色のリボンがついていた。私のは黄緑だったはず。


小学校の校庭の横を通って帰る。校庭の外側にはシロツメクサがふさふさ生えていて、土手の上には桜の木が一周植えられている。私の両親は、この広い校庭を見て、ここに引っ越そう、と決めたらしい。

校庭の周りは春になると、青くて小さいオオイヌノフグリの花が咲く。小学校1年生の時の担任の先生が、「オオイヌノフグリは実は外来種で、元から日本にあるのはイヌノフグリという、もっと小さなピンクの花なんですよ。すごく珍しいので見つけた人は教えてくださいね」と言っていたこと、今でも不思議と覚えている。先生のことが大好きで、自分が最初に見つけて驚かせるんだ!と意気込んで、春になると毎年探しながら帰ってた。今でも春になると思い出すけど、まだ見つけられてない。先生、もうちょっと待っててね。


ちょっと歩くと公民館の大きな駐車場がある。冬には駐車場全部の雪を一か所に集めて、3メートルくらいの大きな雪山ができる。この雪山がめちゃくちゃ楽しい遊び場だった。何回も転びながら上まで登ったり、階段を作ったり、滑り台のコースを作ったり。なんの変哲もない雪山で暗くなるまで遊んだりしていた。大人が7回くらいで飽きることを、子どもは70回くらい楽しめるとどこかで聞いた。こうやって思い出すと、自分がちゃんと子どもをしていたんだなぁと思えて嬉しくなる。


さらに歩くと、よく近所のお兄ちゃんたちと冒険した川がある。夏はカニを捕まえたり、冬は川の氷を割りながら上まで登ったりした。川の上の方までついて森で休憩していると、お母さんがおやつを持って迎えにきてくれたりした。よく作ってくれたのはポテトフライで、少し厚めに切ったじゃがいもを油でカリカリになるまでじっくり揚げて、塩をふったもの。家で育てたじゃがいもは揚げるとあまくて、シンプルだけどすっごくおいしかった。お母さんありがとうね。


そんなこんなで毎日暗くなるまで外で遊びまわってた小学生時代でした。この年にしかできない遊びを思いっきりできてたわけで、本当にいい育ち方したなぁ自分、と改めてじわじわ思う。

村に引っ越そうと決めてくれた両親にビッグなありがとう。
小学生のわたし、たっくさん遊んでくれてありがとう。



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