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ジェノワーズ ショコラ

ジェノワーズ ショコラ(ココアスポンジ)は、難しいと言われますが、注意点とポイントを説明します。

全卵3個、グラニュー糖90g、薄力粉65g、ココア15g、バター20g、牛乳15g ティザーヌで使われるなんの変哲もないものです。

1)全卵と砂糖の加熱温度

全卵に対して約60%のグラニュー糖なので、『人肌』35〜36℃です。熱をつける目的は表面張力を下げ気泡力を高め、攪拌時間を短縮して作業効率を高めることにあります。さらに卵白の繊維が細かく分断され、砂糖や他の素材が細かく混ざり合う事により生地に柔らかさがうまれます。

2)気泡量

高速回転でどんどん泡立てていきます。泡に艶が消えたところで中速に落とし、さらに泡立てて下さい。もう限界と思うところまで行います。キッチンエイドと違ってハンドミキサーなら自分が思ってるほど限界まで泡立ちませんから。ココアは吸水力が大きくて粉と共に加えられることで、しっかりしたかたさが出るので、気泡量は多めのほうが泡は消えず、目は細かくソフトに仕上がります。

3)粉の合わせかた

だまにならない程度の速さで、静かに大きく生地の全体を回転させるように混ぜます。粘りが出ないように、さっくり切るように合わせるのは間違いです。粉合わせにおいては、牛乳を加えてココアに水分を吸収させ、砂糖と卵の溶液に対する吸水力が緩和されて、混ざりやすくなります。気泡が消えにくくなり、焼き上がりの目も柔らかくなります。

4)バターと牛乳の温度

一緒に鍋に入れて沸騰したばかりのものを入れます。大きく大きく泡を消さないようにゆっくり静かに混ぜます。牛乳の水分は、生地に流動性を与え、泡自体がこすれ合うことによる消泡を防ぎます。

5)焙焼温度

170℃で25〜26分ほどです。時間と温度は目安です。配合に適した温度と時間は自分で見つけなければなりません。内側と外側では熱の入る量は違ってきます。それを出来るだけ同じにするために、150℃くらいで焼き始め80%くらい浮かせてから170℃に温度を上げるなど工夫が必要です。

これらの事は、上記のレシピにおいて、私が普段レッスンで思う事を書いたものです。他のレシピに於いては、また違うやり方考えかたがあるはずです。正解はありません。



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