犬居と「沿岸を走る」に出会った日のはなし
最初に出会ったときのことはよく覚えている。犬居の第一印象は、今までに会ったどんな人の中でも違っていた。
神戸のライブハウスだった。
その頃私は女の子4人でバンドをしていて、犬居もまた男の子3人でスリーピースバンドをしていた。
私たちのバンドはガールズバンドだったが、
あまり女の子っぽい感じでもないけど、男の子っぽいってわけでもないメンバーが集まって、幼い見た目に反してちょっと大人に背伸びしたような音楽をしていたのが珍しかった。
私達のライブが終わって、メンバーでお喋りをしていたところに
急に一人の少年が
「良かったっす」
と遠慮がちに、でも確信を持っている感じで現れた。
それが犬居。
私は、現れた同年代の男の子に「何者だろうか」と思ったと同時に、なぜか以前にも知っているような「空気感」を感じた。
でもわたしは犬居さんをすぐに理解した訳ではなかった。
ぱっと見では音楽をしているとわからなかったし、
その日会話した彼から出てくる言葉や考え方は、わたしが知っていた物事とは別の世界からやってくる。
なんか不思議な感覚というのが1日目の印象だった。
犬居さんをまた一歩知ったのは、
また同じライブハウスで対バンになった日。
そのライブで「沿岸を走る」を初めて聴いた。
この歌詞で犬居さんのことを少し知れたような気がした。
他のスローテンポなラブソングや少しドープな曲も良くて、たしかその日に感想を伝えた。
その後も何度かライブを観て「沿岸を走る」をやってるときの、曲と彼の一体感はやっぱり違うものがあった。
わたしはその犬居さんのスリーピースのメンバーでやっている「沿岸を走る」が一番いいと思っていたのでcakessでやる考えは当初無かったけど、
なにより今の犬居さんと「沿岸を走る」が最高に共鳴する状況でこの曲をやりたい。
それがmoriくんの土下座ありの、犬居さんもいい感じに一周回ってこの曲と重なっている気もして私も今やりたいなと思った。
先日のリリースは今までの経緯をひっくるめたような、吹っ切れたような気分です。
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三ヶ月連続配信の1曲目。
「沿岸を走る」デジタル配信 LINK
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2020年4月 cakess初レコ発東阪企画
【Con-fusion】
4/9(木)_南堀江knave
4/28(火 祝前)_下北沢BASEMENTBAR
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