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譲らない気持ち

最近はショッピングモールのキッズスペースを利用することが増えた。
単純におもちゃとか遊具が豊富だし、おむつ替えスペースは広いし、お腹が空いたらフードコートに行けばいいし、いざというときはアカチャンホンポに何でも売ってる。全身汚しても大丈夫。まるで家。 

過ごしやすいって理由以外に、いつもは家で一人で遊んでいるので同年代の子達の中でどんなふうに遊ぶのか見たいってのもある。

ある日、息子が電車や車をレールの上で走らせながら遊んでいると、先にその場で遊んでいた同じ月齢くらいの男の子が息子の持っていた電車を奪おうとした。
私は内心、「キタ!」と思いながらことの次第を観察していた。
この状況で息子は一体どんな行動を取るんだろうか。

男の子が電車をつかんで大きく振り回していたが息子は頑なに離さず、男の子と引っ張り合いになった。
3秒間くらい静かな争いが続いたが、男の子が手を離して違う電車を取りに行ったので取り合いは終了した。

すごく短い時間だったけど、譲りたくないって気持ちを大切にしていた息子の行動を見て何だか羨ましいような眩しいような気持ちになった。


私は相手の気持ちを推し量って行動してしまうところがあって、自分は本当はしたくないことでも「いいよ」と言ってしまうことが多々あった。
小学生の時に裁縫の授業でティッシュケースを作った時、友達に「それ欲しい」と言われて「いいよ」とあげてしまったことがあった。
でも本当は配色にもこだわったし、縫い目も綺麗に揃うように丁寧に縫ったし、何より本当は嫌なのに「嫌だ」って言えなかった自分が悔しくて家に帰って泣いたのを今でも覚えている。何であの時断れなかったんだろうって。

もう20年以上前の事なのにまだ忘れられなくて、何なら「嫌だと言えなかった象徴的な出来事」くらいの位置付けになっている。
もちろん譲り合う気持ちは大切だけど、それ以上に自分の気持ちを大切にすることを自分の子供には教えたいなと妊娠中から思っていた。

奪い合っていた電車でひととおり遊び終わったように見えたので、
「遊び終わったらお友達にも貸してあげようか」と声をかけると、
「はい!」と素直に息子は男の子に電車を差し出していた。
男の子はもう電車に興味がなくなっていたので息子の声が届いていないようだったけど、それでもこの一連の流れを息子には忘れて欲しくないなと思った。

この類の取り合いは保育園で何百回と繰り返されているからか、私といる時に遊具やおもちゃでケンカになることはほとんどない。
保育園のお便りに「最近は取り合いになると譲ったり他のおもちゃで気を紛らわせたりできるようになってきました」って書いてあった時にはちょっと泣きそうになった。
きっと気を許している友達だから取り合いをするんだろうし、それをしっかり見てくれて評価してくれる先生と過ごしているのは息子にとってもいい環境だろうなと思った。


どうしても譲れないこと以外は案外どうでもいいことが多い。
しっかり軸の通った男に育てたいなと思った出来事でした。


●最近の息子●
・私が言った単語を繰り返して言うようになった
・飲み物を口に含んで歩くのがブーム(それを注意された弾みで少し口から出てしまうまでがセット)
・階段は一段ずつ飛び降りスタイルで降りるのもブーム

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