見出し画像

瞬間移動をする同級生

昨日、瞬間移動をした事で思い出した。
小学校4年か5年の頃の同級生が瞬間移動をしていた事を。

その頃、一緒に下校していたのは近所のS君である。
20メートルほど後ろに歩いているのは、帰る方向が一緒の同級生、Nさん。

Nさんとは、同じクラスで同じ班の物静かな女子生徒であった。

そのNさんの下校時である。
さっきまで僕とS君の後方を歩いていたのに、気がついたらだいぶ前を歩いているという事が幾度となく起こった。

我々は一つの疑念を抱いた。
「Nさんは小刻みに瞬間移動しながら帰っているのではないか?」

ある日、僕とS君はNさんに「瞬間移動してるやろ。」と問うてみた。

「いや、普通に歩いて追い越してるけど、、、。」
と困り顔で答えるNさん。

だが私たちには歩いて追い越されてなどいないという自信があった。

瞬間移動の能力が世間に知られると、研究機関で実験動物的な扱いを受けるおそれがあって、Nさんは口を割らないのだろう。

ならば現場を押さえてやろうと、その日の下校時に僕とS君はNさんから目を離さないと約束した。

長い一本道で、遙か後ろを歩くNさんをキョロキョロと振り返る僕とS君。

「やれるもんならやってみろ、、、。」

我々は絶対に見逃さない意気込みである。

見通しのいい長い一本道を抜けて、曲がり角の多い入り組んだ道に入ってしばらくした時である。

なんと、後方で見張られながら困惑気味に歩いていたはずのNさんが突如として前方に現れた。

現場を押さえる事は出来なかったが、私たちの疑惑が確信に変わった。

翌日、Nさんに「昨日も瞬間移動してたな。」と話しかけた。

すると、「二人が蝶の幼虫を見つけて騒いでる横を普通に歩いて追い越したけど、、、。」
と言われ、自分たちのおバカさにS君と顔を見合わせて大爆笑した。

おわり

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。

明日、あなたにいいことが起こる気がする。
4
京都で漆と木工の仕事をしている脱サラ職人。父は職人歴50年のガンコ者。絶望的な経済状況の中でおもしろおかしく生きていこうとする、希望にあふれた職人の生きざまをご覧あれ。僕はアウトドア漆器ブランド「erakko」を立上げ活動しています。https://erakko.jp/
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。