見出し画像

1972年リリースのアルバム「Something / Anything?」

”1972年リリースのアルバムでRateYourMusicのユーザ評価が高いもの” トップ50を調べ、当時と今の評価を紹介してきた。

1972年のトップ50ではないが、評価の高いアルバムをいくつか紹介してみる。

今回はトッド・ラングレン(Todd Rundgren)の「サムシング・エニシング(Something / Anything?)」。

日本でも人気の高いトッド・ラングレンの3rdアルバムで、たぶん最高傑作と言われているアルバム。

チャーミングなメロディの曲もあるし、フィリー・ソウルに振れた曲もあればSSW風な歌い上げ系もある。一言で言えば取り留めのない、トッドらしいと言えばトッドらしいアルバム。また今なら宅録と言われるのだろうけど、スタジオでほぼ一人で多重録音したという点もかなり新しかった。

これだけ好き放題にやって、でもちゃんとクオリティは維持して、しかも後から振り返ってもあれは新しかったと言える内容なので、それは50年後の評価が高いのも納得である。

ただ日本ではリアルタイムでは未発売(のはず)。ベアズヴィルという弱小レーベルからの発売だったことも影響していたのかもしれない。ベアズヴィル系は輸入盤で聴く人が多かったのだろう。(70年代後半の ”幻の名盤” ブームの時にやっと日本盤が出るアルバムが多かったと思う)

「I Saw the Light(瞳の中の愛)」がヒットし、トッドがプロデュースしたGrand Funkの「We're an American Band」が大ヒットした後に、「Something / Anything?」のダイジェスト版が「ハロー・イッツ・ミー」という邦題でリリースされている。僕たちがSomething / Anything?をきちんと聴くにはずっと輸入盤を入手するしかなかったのだ。

多くの日本のファンが手にしたトッドの最初のアルバムは「魔法使いは真実のスター」。それから「ハロー・イッツ・ミー」で、次に「未来から来たトッド」かな?
いずれにしても1年ちょっとの間にこれだけリリースされたので追いかけるのが大変だった。
また、シンセサイザーを上手に使っていたり、「ハロー・イッツ・ミー」のジャケットがあれなこともあって、”何をやっているのかよく分からない人” 扱いもされていた。

トッドの人気が一番高いのはたぶん日本だと思うが、なんで虐げられていたこの日本で人気があるのか不思議である。

1972年リリースのアルバム トップ50のリストはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?