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「自分の意志を持つ」ひとつの習慣

「で、君はどうしたいの?」
「意見をください」
と言われて、何も言えなくなってしまう事がありませんか。
でも、この質問は、あるステップをすっ飛ばしていきなり答えを聞かれているので、難しいかもしれません。何も言えないのも無理はありません。

あるいは、好き勝手に意見を言うと、なんとなく熱意や面白さだけはあるけれど、質問者の聞きたい事とズレた自由な意見であることが多く、前進のない会話や相談になってしまいます。

でも、決して自分の意見がないわけではないのです。
前へならえの学校教育で、読書感想文に要約文を出してしまったり。
組織の駒として働くのがあたりまえとなった職場で、言われたことを優秀にこなせば、より多くお金がもらえてしまったり

そもそも、自分の意見が必要とされない環境が、そこいらじゅうにあるからかもしれません。

逆に、自分の意志を聞かれるのが怖い、ストレスになる、なんていう人もいるかもしれません。

自分の意志や判断を必要とされていないなんて、悲しいですし、そのような業務は数年後には機械やAIがちゃんとやってくれます。


自分の言葉や、自分の意見を出すのは、とてもとても快活で、生きている実感がして、人との交流もより深くできて、この上なく楽しい事だと思っています。
人と人とは、意見が異なるから、新しい素晴らしい案がでたり、楽しい事も多いのです。


なにより、自分の言葉や行動を繰り返していると、自分の人生をようやく生きている気がしてきます。

では。どんなステップが隠れているのか。
4つのステップです。
4文字のGROWモデルがわかりやすいです。
私はこれを習慣にしてから、プロジェクトの進行が速くなりましたし、自分の意志の特徴もハッキリ整理がつくようになりました。

Goal:目標
Reality:現状
Options:解決の選択肢たち
Will:解決の選択肢たちの中でどれを選ぶか=”自分の意志”


誰かに物事を相談する時。
上司や仲間に行動を確認する時。
「どうすればいいですか?」
などと、自分の意志無しにばっくり丸投げの相談をしても、答える方は、このような全体を俯瞰することができなかったり、答えることに慣れていないと、自分の経験に基づく話をしてしまいます。それは、他人の一例なので、欲しい答えと当然ズレます。
(それを話すのがすきな昔取ったキネズカオジサンが多すぎるので、それでその場が成り立ってしまう事も多々。帰り道に「はて、何も解決してない・・・」となることも多いですよね。あーだりぃ。)

さて、このGROW、具体的にどういう事なのか。


1:目標を明確に整理して、(Goal)
2:現状との差を認識して、(Reality)
3:その差を解消する方法達を調べて調べてウンウン考えて複数の選択肢を洗い出しきって、(Options)
やっと、
4:その中でベストと自分が思うアクション(Will)

という、”きちんと根の張った”自分の意志ができます。

この前提(1〜3)がない意見(4)は、はっきりいって、テキトーな意見です。
あてずっぽな意見です(あたるかもしれなけど)。あるいは近しい自分の体験談です(役に立つ事もあるけれど)。

経験豊富なひとはこの前提がなくとも確度が高い意見を、経験に基づく自信を持って言えますが、なぜですか?と聞かれると経験以外の何も言えません。

経験が無い人は、これを整理するだけで、整然とした根拠のある意志となり、自信をもって人に伝えられます。自信を持って人に相談できます。

そして、自分の意見を言う習慣が始まります。


そもそも、目標がなければ、その物事への意志なんてあるわけがないのです。向かう先が、志す先があるから、意志。


だから、意志を確認する前に、自身の目標の整理から行う事も多々あります。


1〜3を整理してやっと、自分の意見が持てます。
自分の意見を持つのは、はじめは大変です。
1の目標も、はじめは納期や数字や状態もすらなくてぼんやりしていたり。
2の現状も、自分で実直に見極める必要があったり。
3の選択肢も、その物事について誰よりも自分で調べることになるし(ここ重要)考えて考えて、考えうるありとあらゆる方法を洗い出すし(ここも重要)
4ではじめて、1と2やその他の事を判断材料としながら、自分の意志をつくります。


事業であれば、
Q:来月100万売上げたいのですが、どうすればいいですか?
ではなく、
Q:来月100万円売上たいです。先月の売上は70万でしたので、差分の30万は要するに約1.5倍にしたいと言う事です。その大きな差分を埋めるためには、広い範囲で影響できなければいけません。考えうる打ち手は、高単価商品の開発、1会計あたりの購入点数の増加、客数の増加ですが、現状予算がないので、店頭でのおすすめやセット価格を作る等で「1会計あたりの購入点数の増加」の打ち手に特化したいのですが、どう思いますか?

ということです。この差の部分を見据え、対応を企画し、判断するのが、ニンゲンがやるシゴト、というものだったりもします。(もはやAIもやるけど。。。)
日常の会話でもおなじです。


私は、はじめ、上司に相談・質問しにいく時、この4つを事前に簡単にメモしてからするようにしていました。
そのうち、メモなしでもできるようになり。
自分の意見が無いことは、なくなりました。

1〜3の材料が調べてもどうしても見つからず不足しているときは、意見どころでは無いので、意見の前に、そこを逆に質問します。


・誰かに何かを相談する時
・自分が何をしたいかわからなくなってしまった時
GROW。思い出してみても、良いかもしれませんね。

組織の中で働く人も、自分の足で働く人も、
全てに自分の意志を持って活動すると、
毎日の空気が美味しくなりますよ。




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