私が起業するまで…これは2008年に掲載された記事です②


今、まさに旬な職業として脚光を浴びている「フードコーディネーター」
「食」をいろんな切り口で演出していくプロデューサーとしてマスコミにも引っ張りだこの職業ですが、そのフードコーディネーターとして独立し活躍している「吉田智美さん」の「夢を掴んだストーリー」を4回にわたってご紹介します。

前回は、吉田さんの生い立ちから卒業後に関わったお仕事について、また大手クッキングスクールの講師として、福岡支店の開店準備という経験を通した「独立への想い」を聞かせていただきました。

第2回目の今回は、吉田さんが起業を決意してから実現に向けて走り出し、オンラインショップを立ち上げるまでの経緯をご紹介したいと思います。


■「ひとりでやる」という決意 **************

大手クッキングスクールを辞めるにあたって、ある小料理屋からメニュー設定・調理全般に至るまで全て吉田さんにやってもらえないかというお話が舞い込みました。

「しばらくゆっくりしようかと次の仕事のあてもなかったところに、好きにやっていいからということで、いいお話だと思い、辞めた次の日からそのお店で働き始めました。」

ところがしばらく働いていくうちに、『そのお店の固定客が求めているもの』、『オーナーが求めているもの』、『吉田さんが提供したいと思うもの』の間でギャップが生じてきてしまったのです。

「やっぱり人のお店では自分の好きにできない。ひとりでやった方がいいのではないかと思い始めました。」

吉田さんの感性で自由にやるほうがきっと向いているよというご友人の後押しもあり、ここから起業への道がはじまります。

「大手の料理教室の時代に、あるアップルパイのオンラインショップがTV番組で紹介されているのを見て、ひとりでもやれるんだ!!ということを感じたのが原点です。」

もともとオンラインショップや1人でやる料理教室にも興味があった吉田さんは、こうして1ヶ月足らずで独立・起業へ方向転換することになりました。


■オンラインショップ設立への準備期間 **************

それから約半年間休暇を取りながら、2004年2月のオープンを目標に、HPを立ち上げる準備やオンラインショップ市場調査を行いました。

「お金を借りずに、まず自分にできる範囲でやり始めることができるというのもオンラインショップを選んだ理由のひとつです。自分で選んだこだわりの素材、メーカーとは違う手作りのよさをコンセプトとしてお客様に伝えていこうと思いました。」

こうした、自分のやりたい「想い」をまわりの人に語り、宣言することである意味自分を追い込む、後に引けないという気持ちが後押しとなり、起業という「有言実行」へ動き出しました。

また、そうすることで友人から雑誌のライターさん(後に吉田さんのHP全般の写真を撮影してくれる)や、食品のパッケージデザインをしている知人からグラフィックデザイナーさん(後に吉田さんのHPのデザイン全般を担当)などを紹介してもらい多くの人とのつながりができ、またそこから自然と仕事へとつながっていったそうです。

「もともとずっと福岡に居たわけではなかったので、スタートラインでの知人の数が少ないこともあって、知り合いになったら離さない、輪を広げていこうという気持ちは無意識的にありました。」

吉田さんの社交的な性格が自然と味方となる人脈を作っていったのだなぁと感じます。

「起業するにあたって一番不安だったのは、これで本当に食べていけるのか、果たしてうまくいくのかということですね。でもやってみないことにはわからないし、もし失敗してもまたゼロから立ち上がれるように低資金でやることで、リスクが少ないようにしました。」

誰もが同じような不安を持つ中で、とにかくやってみようという前向きな姿勢が彼女の周りに多くの協力者を引き寄せ、成功への第一歩となりました。

次回は、いよいよオンラインショップオープンから現在の成功に至るまでをお伝えします。

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