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「入管収容所」2〜rap

先日観たトラッシュマスターズによる舞台「入管収容所」、配信も最終日に観た。

先日書いた私の記憶からの台詞はやっぱり正確ではなかった。
内容には違いはないと思うものの、私の視点や印象であんな風に焼き付いていたのかと、それも興味深い。

今回配信で観て、「先入観」と言う言葉が心に残った。
観劇後のSNSで、この言葉に触れている人も何人も見かけていた。

舞台終盤で入管局次長局長以外の人の中には事件を機に少しずつ考えを変化させている様子があった。

ラストの方で局長と新聞記者の緊迫した討論の中、入管側は「あなたたちは先入観に支配されている」と言う激しい言葉があった。
その言葉こそ最初から観客が入管側に感じていた言葉だった。

あれ?私の方にも先入観があったのか?

と、ハッとした。

先入観は、自分が持っていても気づきにくい。自分の考えの根元になっているものを疑うことはとても難しいから。そして、対立した相手の先入観は割とはっきり感じるものであると思う。

しかし、ついに公開されたこの映像

弱った体で「病院に連れて行ってください」と懇願するウィシュマさん、「私たちには権限がないからすぐにはできない」と対応する職員の様子が映っている。この件は報道でも断片的に知っていたことだった。
他にも、床にすべり落ちたウィシュマさんをそのままの状態で放置したということも画像公開はないが、報道で知っていた。これは、舞台でも再現されていて、合わせて医療につなげなかった様子と十分な人員配置もなく、床に寝かせたままの状態でも可とする考え方が現実だったのだと強く私の心に迫った。

この映像のようなことが日常的に繰り返されながらもそれを肯定できる先入観ってどんなものなのかと、疑問に思う。

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