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いいお母さんになりたい症候群

子供が小さい時、区民会館に連れて行ったことがある。0歳の子供のおかあさんが複数人いて、談笑していた。うちの子は元々母乳だったけど、途中から、私の母乳量が少なかったのか、

「もうそんな乳いりません」

みたいな顔して、ミルクしか飲まなくなった。もっと言うと、抱っこして、ゆっくり飲まそうと哺乳瓶を傾けると、私が抱っこしてあげる時にだけ、あとで咽せたり吐いたりする、そのうちに完全に寝かして、哺乳瓶を自分で両手で持ってラッパ飲みみたいな体勢で飲むようになった。

いつもそうやって飲ませていたので、普通にその日もそうやって飲ませていたら、「可哀想」「目を見て愛情を伝えて」とか色々言うやつがいた。正直

「うるせえな」と思った。

何度もやってんだよ、こっちは。抱っこしてあげたいに決まってる。母乳あげたいに決まってる。でもこっちの気持ちも考えないで、「可哀想」とか言うやつは一定数いる。なので、私は区民会館に行くのをやめた。

子供はラッパ飲みミルクで大きくなったけど、私は離乳食をほとんど作らなかった。たぶん私の離乳食が不味かったんだと思う。めちゃくちゃ丁寧に作ってもおかゆしか食べてくれなかった。私はレトルトパウチご飯と、りんご、とバナナと人参を毎日与えた。

なんか一人でいることに疲れてたので、Instagramをやっていたけど、この時も可哀想とか、色々作ってなくて母親失格とか言うやつがいた。その時も相変わらず

「うるせえな、一人で頑張ってろ」と思った。私はInstagramをやめた。

栄養たっぷりのお野菜が食べさせたいに決まってる。でも私が作ったものじゃ、娘はどんどん痩せていく。なんでもいいから食べさせたいって辿り着いたそのご飯に文句言ってくる奴がいる。一定数いる。

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娘は今3歳になった、標準身長、標準体型。

娘はついに私のご飯じゃないとたくさん食べなくなった。きっかけはよくわからないけど、レトルトご飯や、外で買ってきたお惣菜は、あんまり食べない。私が作ったサラダや、人参の味噌汁や、焼いたシャケと、白いご飯が大好き。お肉はあんまり食べない。

私はたまにジャンクフードも食べさせる。たまに松屋とかに連れて行くし、ラーメンとかも食べさせる。3歳までに蜂蜜と香辛料以外のほとんどをちょっとずつ食べさせた。チョコレートも飴もアイスクリームも与えた。

でも娘は焼いたシャケと白いご飯と、人参の味噌汁が一番大好き。

肉は最高級のA5とかの和牛しか食べないから、あんまり食べさせてない。

娘が小さい時、レトルトご飯しか食べさせられなかったから、色んなものを食べさせる。辛いカレーも、カニも高級料亭で出るような料理も、めちゃくちゃ高いトマトも欲しがれば少しだけ食べさせる。

娘が小さかったとき、「舌が育たない」「可哀想」「愛情が不足する」

とか私に言ったやつは私に謝ればいいと思う。娘の舌はだいぶ立派に育って、まずいと一切食べないし、美味しいものはすごく沢山食べる。

食育なんて人それぞれだ。子供がたくさん食べなくて、色々工夫しても食べなくて、可哀想とか言われて落ち込むお母さんは、いいお母さんになりたい症候群だと思う。そんだけ考えているだけで、もうすでにいいお母さんじゃないか。お母さんになることの失敗、成功なんてない。別に人それぞれでいいし、人を批評する資格もない。

一定数いる文句を言ってくるやつの気持ちを考えると

「この人よりちゃんとやってるっていう優越感が欲しい」とか

「しっかりやってる私とたにんの子供を比べて、自分は大丈夫」って安心したいとか

まあ本当に私の子供を心配している人は多分ほぼいない。

結局この人たちもいいお母さんになりたい症候群だと思う。人と比べても仕方ない。子供もじぶんも他人なんだから、同じようになんてできない。それでも誰かと比べて安心しないとやっていけないほど、疲れてたりするんだろう。

なので、一定数いるうるせえやつにも私はちゃんと

「ありがとう。教えてくれて。」って言うようにしている。皆いいお母さんになりたいのだ。