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セザリア・エヴォラ

カーボヴェルデ(Cabo Verde)という国があります。アフリカの西、大西洋に浮かぶ島々からなる国です。

元々はほぼ無人の島々だったようですが、大航海時代にポルトガル人が”発見”し、以後、アフリカから南北アメリカへ向かう奴隷船の中継地となり、奴隷貿易で栄えました。
カーボヴェルデにはポルトガル人が住みつくとともに、黒人が奴隷として連れてこられ、徐々に両者の血も交わり、クレオール文化が作られていきました。

今回は、そんなカーボヴェルデを代表する歌手、セザリア・エヴォラ(Cesaria Evora)をご紹介したいと思います。

カーボヴェルデの音楽は、国の成り立ちを背景に、ポルトガル、カリブ、ブラジル、アフリカなど様々な地域の音楽の影響を受け、それらが混じり合っています。
カーボヴェルデの中でも地域によって受けた影響に差があり、ポルトガルの影響が強い音楽はメロディー重視、アフリカの影響が強い音楽はリズム重視という特徴がありますが、セザリア・エヴォラはメロディー重視のモルナというジャンルをベースにしています。

セザリア・エヴォラは1941年生まれ。
若い頃からカーボヴェルデ国内で歌手として活動していましたが、転機は1992年、51歳の時に発表したアルバムの中の一曲、「Sodade」がフランスで大ヒットしたことでした。
まずは、この「Sodade」を聴きください。

Sodadeはクレオール語で、ポルトガル語のSaudade(サウダージ)と同じ意味の言葉です。
ブラジルでもよくテーマになるこの言葉、サウダージ。複雑なニュアンスの言葉で、温かい家庭や両親に守られ無邪気に過ごした過去の自分への郷愁や追い求めても叶わない憧れなど色んなニュアンスを含む言葉のようです。
まさに、セザリア・エヴォラの音楽の核心となる言葉で、セザリア・エヴォラのどの音楽にも深いSodadeが潜んでいるように感じます。

この「Sodade」のヒット後、彼女は精力的にアルバムを発表していきます。
1998年(57歳)にはシングルですが、あの有名な「Besame Mucho」を録音しています。
元々、非常に綺麗な曲ですが、セザリア・エヴォラとマッチして、極上の音楽となっています。

1999年(58歳)のアルバム「Cafe Atlantico」には、個人的に最も好きな曲「Carnaval De Sao Vicente」が収録されています。
カーニバルがテーマのリズミカルな曲ですが、祭りの最中にも、祭りの後の虚しさが漂っているような、本当に心に迫ってくる名曲です。

2003年(62歳)には名盤「Voz D'Amor」を発表しています。
グラミー賞も受賞したこのアルバムには、名曲がぎっしり詰まっています。
残念ながらYouTubeでは、このアルバム自体はプレミアム会員しか聴けないようになっていました。

ただ、このアルバム発売後のコンサート(2004年のパリ公演)が、初めから終わりまでまるまる見ることができ、このアルバムに入っている曲も演奏されています。

セザリア・エヴォラはライブも最高ですね!
カーボヴェルデ出身の腕利きミュージシャンがバックを固めており、どのライブも最高な音楽のオンパレードです。

2005年(64歳)以降は、長年の喫煙の影響もあり、健康ではなかったようですが、2011年に70歳で亡くなられる直前まで精力的に活動されました。
彼女が残してくれた素晴らしい音楽の数々を聴けることに感謝です!

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