珈琲と私〜37〜

美味しいエスプレッソとは?

こんにちはマスター吉良です!

「珈琲と私」第37回です。

今日はシアトルでのお話の続きです。

この頃、美味しいエスプレッソとは何か?ということについて少し悩んでいました。
この頃から果実味の強いエスプレッソを飲む機会が増えてきました。
サードウェーブがやってくる少し前(始まりくらいかな?)になるのかなと思います。
私が衝撃を受け、自分でやってみたいと思った味はガツンとくる、旨味、甘みが濃縮された味でした。
お店でもこの味を守り、自信を持って出していたのですが、
お客様からちょくちょく「この店のエスプレッソは濃いですね」という声を聞くことが多くなってきて、展示会やセミナーなどに足を運んで飲ましてもらっても何だか物足りない。思い切って質問を投げかけても「今はこの味が流行りですからね」という返事。
正直あまり納得できなかったのと同時に私の味覚がおかしくなってきたのかな?なんてことも思い始めていました。

シアトルのカフェではその当時、パドル式のエスプレッソマシーンでボトムレスフィルターを使って抽出しているのをよく見ました。
味わいは濃厚で、オイリー、アフターもしっかりと長く続く私の好きなエスプレッソを沢山飲むことができました。さらに言うなら、2005年に訪れて飲んだときよりも更に濃厚な味わいへと進化していました。びっくりしましたね!
アメリカという国はシステマチックで何事もオートメーション化していく国というイメージを私は持っていたのですが、どの店もエスプレッソマシーンの前にはバリスタがいます。日本のスターバックスがどんどんオートメーション化しているときだったのですが、
そのスターバックスでさえバリスタが豆をひき、タンピングを行い、抽出をしっかりとしていました。
そしてそのスターバックスでだったと思います。
思い切って質問をしました。
「最近果実味のエスプレッソが多いけど、どう思いますか?あなたの考える美味しいエスプレッソってどういうものですか?」
そのバリスタさんが私に言った言葉は、
「あなたは今飲んだエスプレッソどう思った?」と逆に質問されたので、
「最高に美味しかった」と答えました。
そしてそのバリスタさんはニコっとして「じゃあ、良いじゃない!完璧だ!」と答えてくれました。
ここでもまた、頭の中のもやもやが一気に晴れていきました!
後でもう少し詳しく話してくれたのですが、いろいろなコーヒー、エスプレッソがあって良い。自分が美味しいと思ったものを努力して進化させていくことが大事だよと。

自分が美味しいと考えているものを、お客様が美味しいと言ってくれる。
それ以上でも以下でもない。トレンドを知ることは必要だが、流されてはいけない。
そう言ってくれているようでした。

それからはお客様から「ちょっとここのエスプレッソは濃いね?」と言われても
「ごめんなさいね〜、私この味が好きなんですよ!」っと自信を持って答えれるように
なりました。

味とか美味しいって難しいですよね?
でもシアトルで言ってくれた名も知らないバリスタの「Perfect!!」は今も私を支えてくれてます。

コロナ終息したら、またシアトルに訪れたいな〜。

それではまた明日!

Coffee is Power !!

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