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南佳孝 松本隆を歌う―Simple Song 夏の終わりに

南佳孝の「Simple Song 夏の終わりに」というコンサートは何回目かな。今日4回目とか言ってた気がします。私は2018年に行きました。杉並の「sonorium」という小さなホールでした。今回は大きな会場で、大手町三井ホールです。フォーシーズンスホテル大手町の下になります(いいなぁ泊まりたい)。その「Simple Song」は夏の終わり、9月の歌なので、隠れた名曲としてこのコンサートが開かれていたのですが、この曲がそもそも松本隆作詩なので、そこに「松本隆を歌う」が加わり、これは見逃せないということになり、4年振りに行ってきました。


水曜日の美術室 南佳孝作品展

南佳孝作品展

会場にはFM Cocoloの「Night And Day」水曜日の美術室のコーナーで描いている絵のうち、このコンサートのために描いた「自分の曲のイメージ」の油絵が8枚並んでいました。撮影フリーでした。FM Cocoloのホームページにも出ています(夏服を着た女たちが全然違う…)

憧れのラジオガール
涙のステラ
Sleeping Lady
PARADISO


口笛を吹く女


夏服を着た女たち


Girl

夜の翼

コンサート壇上での話

松本隆は3曲目の後とアンコールの頭に出てきたのみでした。もっと登場してお喋りするのかと思ってました。このお二人の話、おもしろいので、もっと聞きたかったです。「スローなブギにしてくれ」を南佳孝の最初の奥さんを口説くための曲として提供した話とか(頼まれたとのこと)、そういう話は今回は出ませんでしたが、ちらっとしてました。
はっぴいえんどを解散して事務所から「全員バンドをつくれ、全員プロデューサーになれ」の指示から組んだお二人のなれそめは有名です。もう五十年ですか。
来年、南佳孝デビュー50周年だそうです。「何かやろうか」と言うと「何でもやるよ」という松本隆のお返事。そう言えば松本隆45周年と50周年の風街のライブにも南佳孝出てましたね。お互い様ですね。近づいたり遠ざかったりだけど、長い間同じフィールドで活躍しているので、仲良くていいですね。南佳孝はライブ活動も盛んにやってるし、ラジオもやってるし(毎週聞いてます)、やはり活動量多い人はいいですね。行くチャンスもある。年1回くらいは行きたいです。Surfersの南佳孝行きたいー。
ニューヨークでの録音である「Seventh Avenue South」はお二人に思い入れのある作品なんでしょう。後ほどセットリスト出しますが、このアルバムに入っているお二人の曲は全部演りました。録音してるときに楽しかったというお話をされていて、松本隆も録音の時にニューヨーク行ったんですね。そうか…。

自分にとっての南佳孝

二人の合作はJASRACで調べたら80曲?86曲(聞き逃した)あるとのこと。アルバム3枚丸々一緒だし(摩天楼のヒロイン/冒険王/LAST PICTURE SHOW)、アルバムの半分以上とか多々ありましたから、そのくらい行くのかな。
今日あらためて聞いてみて、松本隆ご本人が言ってましたけど二人の曲は「名曲が多い」。男のダンディズムと言えばその通りなんですが、ワガママで弱くて甘い、男のやせ我慢の詩ばかり。そんな曲に何故まだ10代女子である私は惹かれたのだろうと不思議に思います。ロマンティシズムの中に見え隠れするニヒリズムというか。松本隆の歌詞にはJ-Popによくある「オレがお前を守るぜ」がないのが好きだなと思うんです。わかりやすい例が、南佳孝の曲ではないけど「Tシャツに口紅」の「これ以上君を不幸にできない」に対して「不幸の意味をわかってるの?」と返す女性、みたいなの。「Paradiso」にもありましたね「不幸にできない」。そんなの男の身勝手な言い訳だとわかってる。
なにより聞いていると必ず情景が浮かぶ。南佳孝の言葉ですが「最初に降りてきたフレーズからふと情景が浮かぶと良い曲になる」。その通りだと思いました。
女子高生のくせに「South Of The Border」と「Seventh Avenue South」が好きで。エドワード・ホッパーの画集なんかも買いましたね。

演奏について

ピアノ(松本圭司)とキーボード/サックス(住友紀人)の二人にご本人のギターが加わってます。リズム隊がないのが不安ではありましたが、原曲の再現力は高かったと思います。キーボードと言ってもシンセサイザーですしね。特に全部冒頭で曲の世界に引っ張ってってくれている。わかりやすい例で言うと「Cool」のサックス、「スタンダード・ナンバー」のピアノ、「冒険王」のストリングス…よかったです。

セットリスト

モレや間違いがあるかもしれません。ご指摘ください。「ミーン・ストリート」とか期待してたんですが…。でもこの曲数ですから充分ですね。

1.おいらぎゃんぐだぞ(摩天楼のヒロイン)
2.ピストル(摩天楼のヒロイン)
3.憧れのラジオガール(MONTAGE)
4.ジョンとメリー(LAST PICTURE SHOW)
5.口笛を吹く女(Seventh Avenue South)
6.月に向かって(MONTAGE)
7.ダイナー(LAST PICTURE SHOW)
8.Girl(VINTAGE)
9.夏服を着た女たち(Seventh Avenue South)
10. Scotch and Rain(Seventh Avenue South)
11.涙のステラ(SILKSCREEN)
12.波止場(Seventh Avenue South)
13.天文台(Seventh Avenue South)
14.Cool(Seventh Avenue South)
15.遙かなディスタンス(ROMANTICO)
16.二人のスローダンス(シングルのみ)
17.夜の翼(MONTAGE)
18.PEACE(冒険王)
19.Paradiso(BLUE NUDE)
20.スタンダード・ナンバー(冒険王)
en1.Simple Song(SPEAK LOW)
en2.冒険王(冒険王)
en3.スローなブギにしてくれ(SILKSCREEN)

最後に

23曲、もっとMC入るのかと思っていたら、意外と一気に駆け抜けました。2時間半近かった。いやすごい。70代にはとても思えません。
CDを現場で買った人にはサインをしてくれるということで、列が出来ていました。私は残念ながら連れに時間がなくてすぐに帰りましたが、サービスいいなぁと思いました。ファンを大事にしてますね。

追加公演が決まったそうです。12月ですが、この頃コンサートが多いので、私の再訪は難しいでしょう。サブタイトルが「Simple Song」じゃなくて「いつもこころに冒険王」だそうです。誰かレポートしてください。


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