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みなそれぞれに業を背負っている

ども!
世界と人間のすべてに興味のあるひと@シリコンバレーです。

皆さん、SUP=Stand Up Paddle board(スタンドアップパドルボード)という水上スポーツをご存知でしょうか。

こちらに来るまで知らなかったのですが、水面に浮かべたボードの上に立ってパドルを漕ぐスポーツです。

(こんな感じ↓)

水面に立っているという新鮮な感覚

僕の家から歩いて10分のところにSUPができる川があって、60分で20$と、こちらにしてはかなりお得感のある遊びです。

しかもこれ、余裕そうに見えて結構インナーマッスルを使うので、60分やるといい感じにトレーニングになります。

余談ですが、この川は生活排水で汚れまくっていて、汚れを隠すために人工的に着色されているそうです。そのやり方が一番「汚い」と思うのですが、自分自身も表面だけを取り繕って、問題の解決をしたかに見せていることがないか、反省させられます。

シカゴではセントパトリックデーに、川にバスクリンの原材料みたいなものを投入して真緑色に染める行事が恒例だそうです。

入浴剤は風呂だけにしてほしい・・・

清流なら落ちても気持ちがいいのでしょうが、この川にだけは絶対に落ちたくないので、かなり真剣にバランスをとって漕ぐので良い運動になります。

僕はゴルフとかが嫌いで、複数人で1日中、時間を使わないとできないスポーツよりも、1人で行って短時間でギュッと鍛えられて、楽しめることが好きなので、自分にぴったりだなと思っています。リスニングしながらやるとさらに落ちれない緊張感が高まって、いい感じです。

日本でもあるみたいなので、夏のシーズンにぜひ、体験してみてください♪


さて、そんな感じで土日はあちこち行ったり、色々な体験をして過ごすようにしていますが、平日は鬼のように仕事をしています。

日本との時差の関係もあって、毎日朝の6時から予定があって、夜も1時くらいまで何かしらやることがあるという、かつてと同じブラック生活に戻ってしまっています。

よく、米国は家族を大切にするオンオフの切り替えが上手な国柄で、仕事は17時とか18時には切り上げて、夕方からは奥さんや子供との時間を大切にする、みたいなことを聞きます。僕もそのイメージがあったし、実際、大半の会社はそうしている気がします。

アメリカの平均

ただ、僕のいる会社はそうなっていなくて、普通に深夜まで打ち合わせをしている人が多いです。最近は22時以降は絶対に仕事禁止、とのお達しが出ましたが、結果的に朝が早くなって、5時とかにメールが来ることも・・・。

基本的には一人で仕事をしながら寂しく飯を食っています。家族と愛犬たちが恋しいです。

家族で食べる量のパスタを鍋ごと一人でいく
時間がない時は最悪こうなる

前の部署でも、なぜか僕のいた部署だけが会社の中で圧倒的に忙しかったので、そういう"業"(ごう)を背負っちゃっているんだと思っています。

だけどちょっと待ってください。

業?

業ってなんですか?笑

鞄を背負っている。
責任を背負っている。
借金を背負っている。

人間は背負うものの多い動物です。

余談ですが、最近は背負う傘なんてのも出てきているそうで、欲しいです。米国は日差しが半端なく強いので。。。

吹き付ける雨には無力

こういうものなら背負っているものの実態が分かるから対処もできるし、納得もできますが、"業"というのは一体なんなんでしょうか。

なんとなく、

「そういう悪い運命を背負っている」

「そういう星のもとに生まれた」

みたいなニュアンスの言葉として使われますが、正確な意味はピンとこない人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、多忙という"業"を背負いがち、なんなら業に背負われがちな僕が、業について丁寧に解説していきます!

業ってなに?

業という字は、一般には「ぎょう」と読む場合が多いですね。

卒業、事業、家業、業績などは「ぎょう」。

一方で、

「自業自得」
「業を煮やす」
「地獄の業釜で茹でられる」
「業を背負う」

など四字熟語や慣用句などでは、「ごう」と読む場合が多いです。

この、「ごう」と読む時は、語源は仏教にあって、「カルマ(=私たちの行い)」という意味になります。

仏教では、僕たちに降りかかるすべての結果は、己のやった行い(カルマ、業)が生み出すのだと教えます。

これを自業自得、と言います。

「この間、お酒を飲んで酔っ払って線路に財布を落としちゃったんだよね〜」

「それはお前の自業自得だな」

酒を飲む⇨酔っ払う⇨判断力や注意力が鈍る⇨財布を落とす。

これらすべて、その人自身の行いによるものです。

酒を飲んで酔っ払うのは、他ならぬ自分自身で、自分が酒を飲むと、隣のおじさんが酔っぱらう、なんてことはありません。

トイレ行きたい。でもドラマの続きが気になる。
「お母さん、代わりに行ってきて」

そんな訳にはいきません。自分がトイレに行かなければ、自分の膀胱が破裂してしまうだけです。

小さな日常のことから大きなライフイベントまで、自分の行いはすべて、自分にその結果が返ってくるから、これを自業(自分の業が)自得(自分の得る結果を作る)と言うんですね。

自業自得というと、悪い結果が起きた時に使われがちですが、これはもちろん、善い結果についても同じです。

「今度この人と結婚することになったんだ」
「それは自業自得だね」

これも一応、使い方的には合っています笑

その人自身が自分を磨く努力をして、素敵な人と一緒になるという結果を得たのだから、紛れもなく、自業自得。

普段あまりこういう用法はしないので、だいぶ違和感はありますけどね。

さて、これで"業"ということが、本来は"自分の行い"という意味だとはわかったと思いますが、実際に慣用句で使われる場合には、そこから転じて

"自分の行いが生み出す結果"(多くの場合、悪い結果)

というニュアンスで使われる場合が多いです。

業を背負うの意味

だから、「業を背負う」というのも本来は、

「自分が過去にやってきた行いの結果を、自分が背負っている」

という意味になります。

自業自得、と本質的には同じですね。

ただ、なんとなく、業を背負っているというと、

「逃れられない運命」

「変えられない宿命」

「そういうものだと諦めるべきもの」

というニュアンスがありますよね。

だけど、本当は違います。

自分の行いは今日から、すぐにでも、変えることができます。
行いを変えれば、結果は必ず変わります。

例えば僕が、常に仕事に追われてがちだとすれば、それは、僕自身がそういう結果が来るような行いばかりしているからに他なりません。

頼まれた以上のことをやりたくなってしまって手を出すとか、

知的好奇心が爆発して夢中で調べてしまうとか、

そういう行為の積み重ねの結果です。

だからそれを変えれば、結果は変えることができます。

先日、マッチングアプリをやっているという友達から聞いた話ですが、会う男、会う男、変な人ばかりだと嘆いていました。

聞けば、最初に会った男は、ロッククライミングにハマっている人で、最初は何かに熱中できるって素敵だなと思ったけれど、彼女のことよりロッククライミングを優先。土日も祝日も、クラミングに行ってしまう男の心の壁を登れなかった友人は、別の人を探すことに。

ところが次にあった人は、部屋でモヤシを育てることが趣味の、根暗な感じ。デートしても会話が続かない。モヤシのことになると目を輝かせて話し出す。見た目もどこかモヤシっぽい。

これもすぐに連絡を絶って、次を探すと、今度は逆にとんでもない遊び人・・・。

こういう話を聞くと、変な人に引っかかる"業"を背負っているんだなぁという感じがします。

だけど、これもよくよく紐解いていくと、

例えばその友人のプロフィールに「何かに熱中している人がタイプ」と書いていたことがロッククライマーや、もやし男を引き寄せたかもしれないし、

その後でプロフィールを「社交的で一緒にいて楽しい人を募集」と変えたことが、チャラ男を呼び寄せたかもしれません。

いや、もっというと、会うまでの間のメッセージのやり取りや、会ってからの態度、そもそもそういう人が集まりやすいマッチングアプリを使っていたという友人自身の行いが、そうした結果を招いたことに違いありません。

だからそれらを一つ一つ変えていけば、必ず結果は変わります。

業は変えられないものではなくて、変えていけるものです。

もちろん、過去にやってしまった行いを取り消すことはできないから、その結果は受けなければなりませんが、未来の結果は、現在の種まきによって変えることができます。

業の意味を正しく知って、お互い自分の行動を反省し、改善していきたいものです。

願わくは、業を一本背負いして投げ倒すくらいの気概を持って、これからも精進していきたいと思います。

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現在、相方の井坂と一緒に、三作目となる本を書いています。
今まで書いた2冊は「生きる意味」に迫るもので、だいぶ暗いテーマでした。

三作目はもっとポップな内容にしようと思っててます。今回の記事とも非常に密接に関連していて、運命に対する捉え方ががらっと変わる、そんな本にしたいです。

第一作、第二作に共通することは、僕たちの大切なひと全員に読んでみてほしい本であること。

読んだ人の人生がより豊かで楽しいものになったらいいな、という想いを込めて、ブラック生活の隙間にチマチマ書き進めてます。


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