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おうちカフェからおうち菓子屋へ


写真は『イチジクのアールグレイショートケーキ』。


普段あまりジェノワーズ生地(スポンジ生地)を作らない私ですが、アールグレイの茶葉を入れたジェノワーズを作ってみました。

生地に挟んでいるのはイチジク。
仕上げにケーキの上にもイチジクをトッピング。

飾り付けのハーブ(シルバータイム)は庭で育てたもの。


さて、以前、別のSNSに私が投稿したものをこちらにも投稿します。
(以下、引用)


お店を始めた20年以上前、まだ『カフェ』という職業も人気があったように思う。

カフェの仕事をしていることをお客さんから羨ましがられ、

「わたしもいつかカフェでもやってみたい」

というようなことを言われた経験も少なくない。

将来『自分のお店を持つ』、『飲食店をやりたい』と思っている人がいて、その中でも『カフェ』というのは、他の飲食業と違って、ハードルが低いのだと思う。
(だからうちの家族も起業できたのだと思う)

未経験の人が、飲食店のオーナーになる場合、いきなりお寿司屋さんとか、フレンチのお店を開業するよりかはカフェは簡単、と思われているし、実際に簡単だと思う。
(繰り返すが、うちの家族でも起業できたのだから)

その気持ちは尊重できる一方で、

「カフェでもやってみたい」の「でも」の部分がひっかかるようにもなる。

『カフェ”でも”やってみたい』

の人の多くは、お客さんとおしゃべりして過ごせて楽しそう。ケーキ作るの好きだし、お茶を淹れるのも好きだし、かわいいお店に、お気に入りの雑貨を飾って、気の合う人と一緒に過ごせる空間を作りたい、

と思っている。

『カフェ”でも”やってみたい』の、その実情・内情はほとんど『おうちカフェ』というやつだと思う。

自宅をカフェみたいに改装して、自分の好きなものにかこまれて、自分の好きな人だけを招いて、腕に寄りをかけた料理とケーキでお茶をする『おうちカフェ』は当然、それ自体が極まった『趣味』のようなもので、それはそれは素晴らしいことなのだけど、とにかく『採算度外視』だし、そもそも『趣味』なので、それで採算を取ろうとはしていない。

だからこそ、恐ろしくもある。

その感覚で『お店を持ちたい』と思ってしまうと、メリットとデメリットがあって、ほとんどの場合、デメリットが大きい。

プロ顔負けの腕前をひっさげて、いざ、開店。

そこでちゃんとお金をとる覚悟というか勇気があればよし。

まだ趣味気分をひきづって『お友達価格』にしたり、「いいんですよー、別に、儲けとか気にしてないんで」とか言い出したら、もうやめたほうがいい。

『おうちカフェ』に戻ったほうがいい。

私が大学を卒業して、帰郷して、一足先に開店してたお店を見てびっくり。

これは.....『おうちカフェ』だ!

雰囲気も、価格も接客も!

やばい!このお店、3年も持たない!

と22歳の私は直感した。

そこから、『脱「おうちカフェ」計画』、『脱「身内・友達のためだけの空間」計画』という、長い長い孤独な戦いが始まるわけだが(多分この計画に10年は費やしたと思う)、多分おそらく、私が『周囲にほとんど理解されなかった努力』がこの『脱○○計画』だと思う。

それはさておき、「カフェ”でも”やってみたい」ということを言う人は、20年前に比べてかなり影を潜めたように思う。

と、いうのは、たぶん、『カフェ”でも”』と言ってた人が、自分がやってみたいカフェが『おうちカフェ』であることを自覚し始めたことに加え、商売としてのカフェがいかに儲からないかという実情が世間的にも認識され始めたからだと思う。

以上、引用でした。

この文章を踏まえた上で、最近思ったことを書きます。

最近、『焼き菓子屋さん』『ケーキ屋さん』の開店のニュースをよく耳にします。
(新しくカフェがopenしたというニュースも聞く)

しかも、「え?そんな場所で?」という環境で。

閉店傾向が続くこの町で、新しくお店ができること自体、とてもレアなことなので、心の底から頑張って欲しいと思っています。

しかし、なぜ、ここにきて『新規のお菓子屋さんの開店』のニュースをよく耳にするようになったのか....

なんとなく、考察するに(考察なんてしなくてもいいのだけど)、『カフェ』から『おうちカフェ』へとシフトし、それを経て『おうちカフェ』から『お菓子部門』が独立して商売に結びついたのではないか、と。

これからもこの傾向は続くのではないか、と思う。

自宅を改装した『おうちカフェ』の部分には家族と友人しか立ち入れないけど、自宅の一部を改装した『おうちお菓子屋さん』は誰でも入れる。

みたいな。

カフェスケールは『カフェ』と『焼き菓子屋』のハイブリットなのだけど、やはり大変なのは『カフェ』の部分。

みんなが『魅力』と感じている『くつろげる空間』は、それを提供する側は、かなりの負担となる。

だけど『お菓子屋さんだけ』だったら、実はそんなに『くつろげる空間』を演出する必要はない。
(お菓子屋さんでゆっくりとしていく人はいないですからね。)

てか、今はもうほとんど無くなってしまった『駄菓子屋さん』ってそんな感じだったと思う。

駄菓子屋さんだけでお店を持っているのではなく、自宅もくっついてたよね、確か。

そういう『おうとお菓子屋さん』さんが、これからも増えていくのではないかと思う。




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