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LA LA LAND

ミュージカルは苦手だったけどこれは観れた、という人に何人か会いました。私もそのうちの一人。

なんでしょうね、筋としては単純なんですが面白い……。
前作の『セッション』もジャズがテーマで、師匠と弟子が激しくぶつかり合うのが見どころでした。

今回は役者志望の女性とジャズバーを建てたい男。
それぞれが、立ちはだかる壁を越えていこうと奮闘する。
結果目標は実現するけど、二人の仲は破綻する。

現代の——物語。
仕事にはうまくぶつかっていける二人が、痴話喧嘩となると全くつまらないことで仲違いしてしまう。

『仕事の方が楽だもん、一人の人間の、めんどくさいところまで付き合うより、自分の能力を伸ばしていったほうが結局楽しい』
と、こうなるハイキャリアは多そう。

それでも、監督は破綻に至るまで、あるいは破綻に至った後の二人の情感をなんとか形にしようと試みている。

二人がうまくいったときの華やかさ、楽しさ。
一人になった時の切なさ、なんとか愛情を回復しようとする努力。哀愁、行き違い。ぶつかり……。

デミアン・チャゼルは、半世紀前にジャズが表現していたものを、映像で表したのではないでしょうか。

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