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父親「そういやさっきまで電話で振り込め詐欺師と1時間近く話してたんだけど」


2021年5月13日。
父親が発した一言から我が家に新たな記念日が誕生する。

「そういやさっきまで詐欺師と1時間近く話してたんだけど、」

家族LINEのアルバムより

これは、父親がどのようにして振り込め詐欺被害から免れたかを綴ったnoteである。
ただし、勘違いしてはいけないのは最適な撃退方法ではない、ということだ。

そもそも先に言っておくが、父親はネットリテラシーがない故に自分から詐欺被害に片足を突っ込んでいる。

父親のスペックを話しておこう。

  • ビジネスの場面などで交渉することが多かった

  • 心配性で再確認が多い

  • 話し始めると長い

  • ネットリテラシーが乏しくらくらくフォンを使っている

そんな父親にこの日、N◯◯ファイナンスと名乗る者から1件のショートメールが届く。
どういう内容だったかは記録に残っていないため不明だが疑問に思った父親は咄嗟に電話した。(※ガチで真似しないでください)

そこから詐欺師と父親の長い長い40分が始まる。

父親は電話先で言われたことは以下の通りである。

「去年の5月10日くらいにバニラへ登録されてる形跡がありました。
しかし一切の振込を確認出来ないため、遅延金と手数料を含めた30万円を振り込んでください。
利用がゼロなのはこちらで確認済みなので今すぐ振り込んでいただけたら日本個人データー保証協会から95%返金されます。
ただし、今日中に振り込まないと返金の手続きが出来なくなります。」

文章にするとツッコミどころが多すぎて漫才師もびっくりである。
一度冷静になって電話先の内容を整理してみよう。

  • 父親はバニラに登録して高収入のアルバイトを探そうとしていた

  • バニラを利用するには1年間で20〜30万円を振り込む必要がある程度の登録料が必要で、父親はそれを怠った。

  • N◯◯ファイナンスは父親が高収入のアルバイトをすることに怖気ついて登録後放置してたのを確認していたので日本個人データー保証協会に繋いでくれた


は?

ちなみにバニラから以下の注意喚起がされているので参考にしてほしい。


なお、ネットリテラシーの低い父親は当時そんなことやバニラなんてサイト知っているわけがない。
無いが咄嗟に取った行動が遅延金を値切る交渉だった。

おそらく国内で初めてだろう。
詐欺師から値切ろうとした人物は。しかも40分間も。

父親の交渉はとにかくねちっこい。
特に相手の話に矛盾があったら一気に攻撃を仕掛ける。
ポケモンの技で言ったら相手にどくどくをキメ込んでどく状態にさせた後、一気にベノムショックを仕掛けるイメージだ。
それを手持ちのポケモン6体全員に40分かけて仕掛けるようなもんだろう。
相手もびっくり、疲労困憊だったと思う。

40分後、痺れを切らしたのは父親だった。

父親はこう言った。
「なんかおかしいよね。
もういいよ、返金手続きとかいらないからそのまま30万円引き下ろしといて。」

どういうことだってばよ、きみ、さっきまで値下げ交渉してたよね。

すると堪忍袋の尾が切れた。

私ではない。

詐欺師の堪忍袋だ。

「絶対に引き下ろしてやる!!!!!!!
俺の時間返せ!!!!!!!!!!!!
◯ね!!!!!!!!!!!!!!!!」


父親「・・・ってことがあったんだよね。
いやあ、返して欲しいのは俺の時間だよねw」

私・母「・・・。」

みんな、詐欺には気をつけようね⭐︎

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