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#31 防水層の劣化を見抜く目を養うための知識(1)

マンション関係の国家資格の取得を目指す方はもちろんですが、マンションにお住いの方にも是非、知っておいて欲しい知識です。

防水の説明は、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水、シーリングと説明しました。
防水の目的は、専有部への雨漏りや躯体のコンクリートの中性化を防ぎ内部の鉄筋が錆ることから守るために行います。

各防水の耐久年数は10~15年ですが使用状況、立地条件(海沿い等)、方位(東西南北)によっても劣化の進行状況は異なります。
そのため、法定検査や目視検査などを日常的に行い劣化の進み具合を観察して修繕の時期を決めます。

劣化の状況を正しく判断するには、専門的知識が必要ですが、防水の劣化は意外と簡単に見つけることができます。

劣化ってどうなるの?

各防水で劣化が起きると様々な現象が起きます。

アスファルト防水の目地の劣化

アスファルト防水は一定間隔で熱による膨張を考えて目地があり、その部分をシーリング材で充填します。その部分が劣化した時の状態です。

ベランダ(軒)の天井の塗膜防水の劣化

ベランダは軒の一部ですが、その裏は塗膜防水されていますが、劣化が進み剥がれ落ちています。

屋上のパラペットの隙間に映えた草

アスファルト防水が劣化、土が溜まりそこに草が生えています。
このような状態になると内部に水が入り込んでいます。

サイディング壁の目地の劣化

サイディング壁にはボート間の隙間をシーリング材で充填しますが硬化が進みヒビが多数発生ししています。

共用廊下と壁のシーリングが劣化

共用廊下は排水溝や壁の部分がシーリング材で充填されています。
白くなり隙間が出来ている状態です。

ウレタン塗膜防水が劣化してはく離

ウレタン防水膜の劣化が進み、コンクリートからはく離した状態です。

紹介した防水の劣化は日常生活の中で簡単に見つけられます。
1回目は、劣化がどういう状態を示すのかを確認して貰いました。

マンション内でこのような箇所を見つけた時は、管理人さんやフロントに連絡してください。
このような状態を長く放置すると躯体(コンクリート)内部に悪影響を与える可能性があります。
マンションは100年時代と言われています。
些細な劣化を見逃して、躯体が取り返しのつかない状態になる前に修繕を行うことがとても重要です。

劣化が進むと屋上にヒビが入り雨漏りの原因になります。

次回から試験のための劣化の知識を説明します。



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