見出し画像

000-区分所有物件の管理所有とは?

分譲マンションの躯体は共用部分と専有部分以外に存在しないことはマンション管理士の資格を目指す人なら当然理解していることだと思います。

専有部分の所有者は誰?と聞かれば区分所有者、その部屋を買った人です。
これも理解できますよね。

では、管理所有を理解しましょう。

共用部分は誰の物ですか?

マンションの専有部分を所有する人たちの所有物です。
ただし、その所有は、共用部分の特定の部分を所有するわけではなく、専有部分の床面積の持分比率で共用部分を使用する権利を所有することになります。

使用権と言う概念的な考えです。

1Fに住む人は上層階の廊下を使用することが出来ないかと言えば通行することはできます。
共用部分であれば、どこの階に住んでいようが共用部分であれば利用すること可能です。
あくまでも利用する権利であって、面積などの物理的な所有権ではないことを理解する必要があります。

管理者って何をする人

共用部分はエントランス、廊下、階段などは日常に使用することで汚れたり、破損したりすることがあります。
マンションに住む人にとって快適な住環境を保持するためには、管理が必要になります。
その役目を担う人を区分所有法では管理者と定めています。

管理者に選ばれると、日常の管理を行うことになります。

しかし、「掃除をします」と一々、ひとりひとりの区分所有者に承諾を得てから行うと管理などはできません。

面倒を押し付ける法律

そこで、「管理者に共用部分の保存行為と維持管理をお任せします」と区分所有者はお願いするわけです。
それゆえ、管理者と管理組合は委任契約の関係にあると言うことです。

管理をお任せする以上、共用部分の管理をする権利を与えることを管理組合(区分所有者の集合体、区分所有法3条を見て)が管理者に認めます。
これが「管理所有」と言うことです。
管理所有とは・・・組合から管理をする権利を与えられたること
管理所有者とは・・・与えられた人や組織のこと

所有と書くからわかり難い。
権利を与えると言うけど、実施は面倒を押し付けられた人を読むとわかります。

お願いする以上は

言い換えれば、共用部分の所有を管理組合が認めるから・・あとは日々の管理をお任せしてもいいかな~
そのかわり、ある程度の自由は認めるから、
それと報酬はだせないけど・・・
ただし、重大な変更(資産価値が変わるような変更)は勝手にやってはだめですよと釘をさしているわけです。

区分所有者にとっては、かなり都合の良い法律が区分所有法です。

ある程度の自由ってどれぐらい?

管理者にとってみれば、報酬もでないのに責任だけを負わされたらたまりません。
そこで規約や集会で「ある程度の自由」を決めます。
管理者に権限を与えるわけです。

軽微な変更とか・・保険とか・・・
区分所有法にいろいろ書かれているあれです。

こうやって考えると区分所有法はそれほど難しい内容ではありません。

管理所有ってどこ

1. その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2. 専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3. 本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)・・・規約共用部
などですね。

何度も書きますが、管理所有は何か物理的な所有権があることではありません。
管理をする権利を所有していることです。

以上です。

敷地が管理所有が出来ない理由は機会があればまた説明します。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?