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No-32 水道法を理解する(2)

前回の説明で専有水道と簡易専用水道の違いは理解できましたか?

ポイントは簡易専用水道は水道局の水以外は使用が出来ないことです。
これを前提に、貯水槽が10㎥を超えることが条件になります。

直結直圧給水の水道はどっち

でも、皆さんは疑問に感じませんか。
最近、主流になっている直結直圧給水方法は専用水道、それとも簡易専用水道・・・のどっちか。
戸建てでは貯水槽はなく、ほとんどは直結直圧給水方法ですよね。

皆さんは勘違いをしています。
専用水道、簡易専用水道は貯水槽を前提にした水質の管理をするために定めた法律です。
貯水槽を持たない水道は、水道局からの直接供給されます。
マンション管理者が水質の管理をする責任がなく、水道局が直接管理します。
そのため、専用水道、簡易専用水道にも属しません。

水道法の役目

水道法は行政側、水道事業者が水を供給する時の義務や権限、許可、申請手続きを定めています。
水道事業主に対する法律であってマンション管理についての法律ではありません。
マンションは衛生法上の特定建築物ではありません。
これは水道の知識を知る上でポイントになるので覚えてください。

不特定、多数が利用する学校、集合住宅などの施設では、昔から貯水槽を使用した給水方法が主流でした。
水源の衛生管理、貯水槽の容量による利用者の規模などから細かなルールが設定されています。

イメージとして水道法では衛生に注意して飲料水を供給するルールを定めて建築基準法で施工方法等の詳細な規則を決めています。

専用水道事業者

専用水道の貯水槽は30㎥を超えるでしたよね。
利用者が多い水道では、事業者は専任水道技術管理者を設置することが義務です。
試験参考書に書かれている内容です。
● 水道供給設備の検査義務
● 水質検査の義務化(2つの検査がある)
● 検査器の設置義務
● 衛生上の設置
● 給水の緊急停止
● 給水の停止
違反すると100万円の罰金、5年間の検査結果の保管義務とかは試験に出たことがあります。
これ以外に覚えるポイントは
1、従事者は半年に1度、健康診断を受けること
2、健康診断の結果は1年間保管すること
3、貯水地には犬、猫を含む生き物の出入りが出来ないようにする義務があります。

しかし、この義務は専用水道(規模が大きな事業者)だけにあり、簡易専用水道事業者にはありません。

最近の出題では、検査員は私有地に入る時、住民に断る必要があるか?
住民に問われた時、身分証明書を提示する義務があるか?
・・・
実は水質検査では住民の許可を得る必要があります。
水道メーターの検針とは違います。
もちろん、「君は誰?」と聞かれた時、身分を証明するものが必要になりますよね。
それが答えです。

簡易専用水道

貯水槽容量が10㎥を超える場合は、専任者に必要はありません。
専用水道とはまったく異なります。
覚えるポイントですが、かなり面倒です。
1、1年に一度以上貯水槽の清掃を行い、結果を所轄機関に報告する
2、汚染の防止をすること
3、水道栓(蛇口)の水に異常(濁度、色、臭い、味、その他おかしいと感じた時)を必要な検査を行うこと
*よく出る問題で、残留塩素測定があるけど、この検査には含まれていないので注意!!
4、健康被害の可能性(恐れ)がある時は給水を停止すること
以上の4点です。

これ以外で覚えること
1、検査項目は51項目です。
2、貯水槽の検査は蛇口から行う。(貯水槽にも蛇口はある)
*水を抜いたら検査する水は・・・ない
3、大腸菌は検出されないこと
4、一般細菌はコロニー数が100個以下

これは覚えて欲しい

マンション管理士を受験する人に難問として有名な問題。
簡易専用水道の管理者は、貯水槽の残留塩素を一定以上に保つ必要がある。
➡✖
簡易専有水道の水源は水道局です。
その水は水道局が管理しているため、その必要はありません。
これが専用水道であれば➡〇
専有水道には井戸水、地下水、河川水もあるため、消毒の義務があります。

以上が専有水道、簡易専用水道の基本的知識です。
1点取るために、これだけの量を覚えるのは正直、しんどい。
でも、1点に泣くことを考えたら・・・やることはわかりますよね。

次回は、貯水槽で覚えることです。








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