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登-01 不動産登記法の4つの登記を理解する

不動産登記法は民法です。
不動産登記に関する手続を定めた法律である。
当初は1899年に明治32年法律第24号として制定され、従来の登記法は廃止された。
2004年6月18日に全部改正され、内容が一新された。平成17年の改正で筆界特定制度が新たに設けられている。 ウィキペディア

ここで重要なことは「民法」であること、「手続きを定めた」ていると言うことです。
不動産登記法は手続きをまとめた法律であることを確認してください。

民法における不動産の定義

民法では不動産を「土地と土地の定着物」と定めています。
土地の定着物とは建物、樹木、石垣、溝などのことです。
この中で建物だけは独立した不動産としています。
それ以外はその土地と一体と考えています。
動産は不動産以外のものと定めています。

不動産登記の目的は

第三者へ物権の主張をするために行います。
「この土地、この建物は俺の所有物だ!!」と言うために登録を行います。
そのため、もし登記がされていない土地、家屋があれば、その物権の登記登録ができる可能性があります。
このような事態が起きないために、土地家屋の所有権を持つ者は必ず所有権、所有権譲渡の登記をします。

登記は誰が行う

登記所で登記官が行います。
申請者が行う訳ではありません。

登記する権利は4つある(重要)

  • 新しい不動産の登記(表題登記)

  • 新しい不動産の所有権登記(所有権の保存登記)

  • 不動産の権利の変更登記(所有権の移転登記)

  • 不動産の滅失の登記(滅失の登記)

抵当権等の権利については後に説明しますが、受験生の多くが混乱する点として登記の「表題登記」と「所有権の保存登記」を理解していない人が多いと思います。

表題登記とは

土地の表題登記は埋め立て等で新しく土地が出来た場合以外はありません。
日本の現在の土地のすべては誰かが所有しているため、すでに表題登録は済んでいます。

建物の場合は、表題登録は日常で行われます。
例えばデベロッパーが古い家が建つ土地を購入してマンションを建てる場合の登記は次のようになります。

土地(所有権者はその土地の地主)➡土地所有権の移転登記(デベロッパーが地主に変更)

建物(所有権者はその土地の地主)➡建物所有権の移転登記(デベロッパーが所有者に変更)➡建物の滅失の登記(建物の存在を消す登記)➡マンション完成により新規建物の表題登記と所有権の保存の登記

これが一連の流れになります。
表題登記と所有権の保存登記は一般的に同時に行われる為、同じ行為と考えがえがちですが、登記法では全く別なことと考えています。

所有権の保存登記とは

所有権の保存登記ができるには表題登記を行った人です。
建物の保存登記はその建物が存在する限り一度しかできません。
最初の所有権を持つ人が行う登記になります。

よく試験で間違う問題として物件の売買で「所有権の保存登記」を行うと書かれていれば答えは×です。
不動産売買に伴う権利の譲渡の登記は不動産の権利の変更登記(所有権の移転登記)になるからです。

以前マンション管理士の試験で「父親が建築中だった家を相続した子供は一度親の保存登記を行った後に所有権の変更登記を行う」と設問があったと思います。これは×です。
父親が生存中に表題登記をしていれば、子供の相続による変更登記になります。
生存中に表題登記をしていなければ、完成後に新しく登録を行うのは子供になり、子供が表題登録を行います。

このように表題登記は不動産の登記帳簿へのエントリーを行う作業。
これがあってその物権に対して初めての所有権登録を行う行為を「保存登録」と理解してください。

所有権の移転登録

エントリー➡所有権の保存登記が終了した不動産はその後、権利の譲渡に度に「移転登録」を繰返します。
これが不動産登記帳簿が不動産の履歴書と言われる由縁です。
一度、エントリーされた不動産は「滅失の登記」がされない限り、帳簿から消えることはありません。
先祖代々何代も引き継がれることになります。
また所有者の移転記録にもなります。

滅失の登記

建物が壊れた時に所有者が行う登記です。
表題登記がエントリーとすれば滅失の登記は退場の登記とも言えますね。

1回目は不動産登記法の基本的な4つの登記について説明しました。
これをきちんと覚えないと今後の登記法は難解な法律になります。
エントリーの登記、最初の所有権登記、譲渡の登記、退場の登記を確実に覚えてください。














マンション系の資格では土地に定着する樹木や石垣に関する出題はほとんどありませんが、宅建士ではこの点は出題されます。

 
には物権を定めた条文があります。
不動産の資産価値が大きい所有権

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