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#23 タイル外壁修繕方法であるアンカーピンニング工法を知るには固定ピンを知ること

コンクリート躯体にモルタルでタイルを固定する方法は昔からある外壁工法です。
タイルをモルタルで固定します。
その後、目地をシーリング、表面仕上げを行う方法が一般的です。
サイディングとは異なります。注意してください。

タイル外壁はヒビでも話しましたが、タイルにヒビが入ることもありますがタイル自体の耐久性は高く、タイルそのものが劣化することはありません。

タイル外壁の怖さ

タイル外壁が怖いのは、剥がれることで周辺を歩く人に危害を加えることです。
そのため、タイル外壁は国土交通省は次のように定めています。
(国土交通省)
外装仕上げ材等におけるタイル、石貼り、モルタル等の劣化及び損傷の状況の調査については、平成20年国土交通省告示第282号において、おおむね6ヶ月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10 年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うこと

ポイント
〇建物定期点検(法定点検)で劣化や損傷がある場所は手の届く範囲で検査をすること
〇10年に一度は落下する危険がある場所は全面的な打診をおこなうこと

それぐらい高所からのタイル等の落下は危険だと考えられていることを忘れないでくださいね。

外壁の打診器です。3,000円ぐらいします。
これ以外にテストハンマーもあります。

タイルの浮き、はく離とは

タイルの浮きの現象は浮いている部分によって大きく2つに分類されます。
タイルが浮いた場合とタイルを固定しているモルタルが浮いた場合です。(図を参照)
モルタル浮きは図の便宜上、タイル数枚にしていますが、モルタル浮きが㎡単位の中に複数確認される場合もあります。

*浮きとはく離は浮いたタイルが脱落した結果がはく離になります。
はく離が発生した場合、点検が不十分だったと言うことです。

アンカーピンって何?

アンカーピンはコンクリートに何を固定する時に使用されるネジですが、ネジと言っても木ネジではなく、コンクリートに打込むネジです。

浮きの場所で修繕方法が異なりますがアンカーピンとはどんなものかを見れば工事のイメージ沸きます。

ネジの両サイドに穴がある特徴的な形です。
ネジが切ってある方向を躯体に打込み、逆側から専用の器械でエポキシ樹脂を流し込みます。

名前に惑わされない
アンカーピンニング工法は改修方法によっていろいろな名称があります。
1、アンカーピンニング工法
2、アンカーピンニングエポキシ樹脂工法
3、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂工法(部分)
4、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂工法(全面)

どの方法もアンカーピンで浮き部分を固定する原理は同じです。
エポキシ樹脂の流し込む面積や場所が異なり、浮きの状況で使い分けられるます。

惑わされずにアンカーピンニング工法は浮き部分をネジで固定する方法の総称だと覚えてください。

次回はそれぞれの方法で試験にために覚えることをまとめます。


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