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No-35 マンションへの給水システムの覚え方(1)

給水システムは試験では出題率が高く、名称も似ていることもあり苦手な人も多いはずです。
しかし、暗記ではなく理論的に覚えるとそれほど難しくなく、その上、合格後の実務でかなり役立ちます。
是非、覚えてください。
地下を通る水道本管
日本の上水道(飲料水)は整備されていますが、そのほとんどは地下に埋められています。

水道の区分けを理解する

水道管は本管は水道局が管理しますが、枝管以降はマンション管理組合の資産になります。
しかし、敷地外で漏水が発生した時は、水道局が修復を行います。
敷地内に設置された水道メーター以降が住民への給水設備となります。

*受水槽を使用している場合は管理専用水道です。
ここまでを理解した上で試験に出題されるポイントは次のようになります。

1、給水管の給水圧力の上限は、一般的にはホテルや住宅では300kPa(キロパスカル)・・・本管の水圧
2、本管の最低水圧は150kPa
3、給水器具の最低必要圧力は、一般の給水栓(蛇口)は30kPaシャワーは70kPa
4、ロータンク方式(ロータンクとは、便器のすぐ上に便器洗浄用の水槽を置く方式)の最低必要圧力は、30kPa
5、タンクを持たない洗浄弁方式(便器に接続された給水管の水圧で、汚物を洗浄する便器のことで水を溜めるタンクがないのが特徴、最低必要水圧は、70kPa

管内の適正流速

1.5~2.0m/s
ただし、ウォーターハンマーの防止の観点から1.5m/sを採用するケースが多いですね。(ウォーターハンマーは詳細は別章で説明しますが、現象としては蛇口を開くと「ゴーーーーン」って衝撃と衝撃音が建物全体に響く現象です。・・昔は良くありましたが今では防止装置がありほとんどなくなりました)

給水システムを説明する前に水を使用する設備の水圧と流速について説明しましたが、どんな給水システムを利用しても水栓器具を使い時には適正な圧と流量が必要になります。
そのため、マンション内では口径の異なる水道管を組み合わせて適切な条件で使用できるように設計されています。

給水システムは3つ

いろいろな方法があり混乱しやすい給水システムですが、実は大きく3つに分類できます。
1、水道管から直接各戸に届ける(水道直結式給水)
2、一度受水槽に貯めてから各戸に届ける(受水槽式給水)
3、屋上に受水槽を設け自然落下で各戸に届ける(高置水槽式給水)
この3つの分類を覚えてください。

受水槽と高置水槽は同じじゃないの?
受水槽給水はポンプで各戸給水しますが、高置水槽式給水は自然落下で給水するため別な給水システムと考えます。

給水槽を使用する、しないでわかる方法もありますが、高置水槽式は屋上のタンクまで給水する必要があり、特別な給水方式と覚えると良いでしょう。

次回から個別の給水システムを説明します。


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