用法に関する基礎(標準管理規約/管理業務主任者)
標準管理規約には単棟型、複合用途型、団地型の3つの規約があります。
多くの方は単棟型に絞って勉強されていると思います。
複合用途型は、店舗の上に住宅がある構造のマンションのことで単棟型とは違った管理を行いますが、それは別の機会に説明します。
今回は、マンションの専有部分の用法についての基礎です。
用法の基本的考え方
区分所有法は、専有部分の用法を定めていません。
あくまもで所有関係を定めているだけの法律ですが、標準管理規約は用法を定めています。
標準管理規約1条に「この規約は、○○マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする。」と定めています。
住宅を目的として購入した区分所有者が、所有者、およびその関係者、部外者を含めて日常的にマンション館内を出入りする営業オフィスとして千湯部分を使用することを認めるかはそれぞれの区分所有者によって違います。
マンション購入者は原始規約(初期の規約)を読み、用法を確認した上でこれから購入するマンションは居住専用であり、他の用途に使用ができないと定めてあることを確認して購入することになります。
標準管理規約では4章として用途を「その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と明確に定めています。
しかし、複合用途型のように店舗タイプを前提にした組合と違い、単棟型では住民によっては事務所として登記したいと希望される方がいます。
所謂、自営業で会社(事務者)登録をしたいという方です。
あるいは、ネイルサロンのような事務所として利用したい方もいます。
さらに、民泊法(住宅宿泊事業)で示される用途の利用を考えている方もいます。
しかし、規約に定めてある以上、これは厳格に守られるべき項目であり、これを変更するためには議決権の3/4以上と高いハードルがあります。
住宅として購入した人にとっては、セキュリティー等の問題から変更すべきではないと判断するでしょう。
一方、民泊法は「その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」だけで規制することはできないとされています。
そのために、規約で民泊法への使用を禁止する定めをする必要があります。
いずれにしても、事務所、宿舎として利用する際には事前に管理組合の承諾が必要になります。
実際、組合の用途を確認せず、事務所としての利用ができないことを知らずに購入、トラブルになった事例は数多くあります。
組合の考え方次第
標準管理規約では「その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と明確に定めています。
民泊法が施行された後、上記条文だけで民泊への利用を禁止できているとのではないかと・・論争がありました。
現在の判断としては上記文章だけでは不十分で、民泊への利用は「できません」と別途定めることが求められることを覚えておきましょう。
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