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今回の短編は、「ヒッチハイクしてみたいな...」と思いつつ書いたフィクションです。 良ければ一読ください。 _____ ながくヒッチハイクがしてみたかった。 「来週の休みはヒッチハイクに行こう」と何度おもったことだろう。 そして、ついに何十回目の、その思い付きを僕はようやく実行する。 ただ、その段に差し掛かるにつれて、次第にぞっとさせられるような気がした。 他人の車に乗り込んで、どこの誰だかわからない人に自分の目的地まで運んでもらう? 「まさか、そんなこと
今回の短編は、完全に思い付きのフィクションです。 かなり、奇妙なのでサッと読んでいただければ... 良ければ一読ください。 _____ 向日島。たまに乗る鉄道のローカル線に見慣れない町名の駅があったので、思わずそのその駅で電車を降りてしまった。降りてから、何とも言えない心細さを感じた(あまり信用のおけない知人の実家の玄関を呼ばれもしないのに蹴破った時のような心細さ)。 「しまったな...」と僕は言った。それからほとんど無人の駅を見渡した。反対の路線の向こうには、堀の