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不穏患者さんへの対応、複数で行くか少なく行くか

みなさんこんにちは。精神科急性期で働いているmizuki@おぬです。

精神科での「不穏患者」への対応、難しいですよね。正直、正解はないと思うし、その場その場で行った対応が一番良かったと思っています。今回はそんな不穏患者さんへの対応を振り返りたいと思います。

不穏とは?

そもそも「不穏」とはどういう状態でしょうか。

いつも使っている医学書院の教科書では「感情や行動が落ち着かない状態」とされています。

みなさんの病院、施設でも不穏な患者さんって遭遇したことがあると思います。しかもだいたい「夜勤中」が多かったりする。

この「不穏状態」。高齢者の多い施設、病院ではレビー小体型認知症でなにかが見えてる患者さんが、ものすごい攻撃的になったり暴れたりを考えたりしますし、精神科でも「勢いのある行動」を思い出すと思います。

こうなった場合は、いまいるスタッフを集めて、「数の勢い」で相手に対応しますよね。みんなで対応する。精神科で暴れるなどの衝動行為がすごい患者さんへは、基本的に複数名で対応するし、衝動行為が激しいときはスタッフを多くしてから対応します。

不穏=暴力行為ではない

でも、不穏=暴れているわけではないんです。

前述の通り、不穏とは「感情や行動が落ち着かない状態」ですから、不安が強くなったり、気持ちが急に辛くなってどうしようもないって言う状態の患者さんにも「不穏」は適応されます。

こういう時、たくさんのスタッフで対応すると相手は「恐怖」を感じてしまいます。そのため、2名程度のスタッフが対応することが多いです。

「気持ちが辛くてどうしようもない。頓用薬は飲みたくない。もう関わらないで!」みたいな感じになっている場合、まずは2人ぐらいで薬の服用をすすめたりします。この時にたくさんのスタッフがその場所に行っても相手は威圧されてもっと気持ちが辛くなるかもしれません。そのため対応しているスタッフ以外は遠くから状況を眺めたり、他の患者さんへの対応をするのが良いと思います。ただ「いま不穏な患者さんがいる」という気持ちは忘れず、常にその患者さんにアンテナを張っている状態でいましょう。もしかして、突然スタッフに怒りをぶつけ暴力行為に発展するかもしれません。その時にすぐに駆けつけられるような意識を持つことが大切です。

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このマガジンは2人の臨床経験をもとに投稿しています。臨床で困っていること、対応の仕方など脳と精神分野に強い2人が臨床に即した内容で書いています。臨床でお役に立てる内容だと思います。ただし、まだ記事が少ないです。

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