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精神科急性期病棟のお話①

 みなさんこんにちは。

 4月から病棟勤務に戻りました。まあ、前に居た病院ではなく違う病院なのですが。

 精神科も急性期や慢性期などがあるのですが、私は慢性期看護が好きでした。なんというか、恐ろしいほどの個性のある患者さんと日々過ごすのが楽しいというか、精神科慢性期病棟という「村」で起きる日々の事件が面白くて好きでした。まあ、この事件についてはいつか話すことにして・・・

 今回は「精神科急性期病棟」のお話です。

 そもそも「精神科」ってひとつの病棟しかないと思っていませんか?

 精神科も身体科(このような区別が正しいかは別として)と同じように、急性期だったり慢性期が存在します。そのため「急性期病棟」とか「慢性期病棟」「社会復帰病棟」などが存在します。

 看護実習で精神科に行った看護師ならわかると思いますが、精神科って「静か」なイメージありませんか?脳外科、整形外科などに比べてナースステーションもモニターの音がしない。ナースコールに至っては無い病院もあったりして。ナースステーションにどうしても目の離せない車椅子の高齢者もいない。精神科というイメージだと患者さんが病気に支配され大声を上げて暴れまわっている印象もあるけど、そんな患者さんも見ない(保護室ではみたりしますけど)。たぶん一番うるさいのは看護師だと思います(笑)

 急性期だと前述の通り患者さんは病気に支配され、大声で暴れたりする人もいます。が、逆になにも話さず、大きな音に敏感に反応する方もいます。「なぜ自分はここにいるのだろうか」がわからない人もいれば「自分は病気の治療で入院している」とはっきり理解されている方もいます。日常生活動作がままならない人もいれば、なにもかも自分でやってしまう人もいます。

 精神科急性期は、本当、「色んな患者さん」がいます。

 でも、基本的に「自立」しています。

 「自立している」のが精神科の良いところ。特に急性期だと、退院間近の患者さんは、本当、普通の「人」です。普通の人に看護をするのがとても悩みます。いいんです、日常生活を安全に過ごしていただければ。

 僕が経験した精神科病院では、モーニングケアがありません。よく身体科急性期病棟だと、朝の申し送り後、モーニングケアをするじゃないですか。入浴できない患者さんの清拭を行うあれ。バケツにお湯を張って、患者さんのとこで熱いお湯にタオルを突っ込んでやるあれですよ。こういうモーニングケアは僕が就職した脳外科病棟だとどこもやってました。これがないんです。

 だって、基本的にお風呂は入れますから。

 もちろん、お風呂の許可のない患者さんもいます。そういう方には、午後などの時間が取れるときに清拭をします。時間があるときにゆっくりやります。

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このマガジンは2人の臨床経験をもとに投稿しています。臨床で困っていること、対応の仕方など脳と精神分野に強い2人が臨床に即した内容で書いています。臨床でお役に立てる内容だと思います。ただし、まだ記事が少ないです。

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